犬にとって危険な『目の病気』3選
1.緑内障
犬の緑内障は眼の中の眼圧が何らかの原因で高くなり、網膜や神経細胞の働きを低下させる病気。眼圧が高い状態が長期間続くと失明してしまう危険性もある怖い病気になります。
緑内障の原因は遺伝による原発性と、他の疾患が原因となる続発性のふたつに分類されています。続発性緑内障を引き起こす原因となる疾患は、網膜剥離や腫瘍、また白内障やブドウ膜炎などと言われています。
緑内障の症状は痛みを伴うため、初期症状では目を気にして掻いてしまう、また痛みで目を開けることができず目を閉じ気味にしていることが多くなります。見た目には白目の血管が太くなるため、白目が赤く見えることも多いよう。その他、瞳孔が開いたままになる、角膜がにごるなどの症状が見られます。症状が重くなるにつれ、眼圧が高くなり目が大きくなってしまい、牛眼とよばれる症状が起こることがあります。
緑内障の治療は点眼や内服薬、また注射で眼圧を下げることから始まり、症状によっては外科的治療が必要となることもあるようです。
2.白内障
犬の白内障は眼の中の水晶体が濁ってしまう目の病気。水晶体は物を見るためのレンズの役割やピント調節をする働きがあるため、濁ってしまうことにより目が見えにくくなってしまいます。
白内障は症状が進行していくとブドウ膜炎や緑内障を併発することも多いため失明してしまう危険性があります。白内障の原因は様々で遺伝や加齢、中毒性や外傷が原因となることも。また糖尿病が原因となり白内障を引き起こすこともあります。
白内障の症状は目が見えにくくなっているため良く物にぶつかる、お散歩中に慣れた道でも足を踏み外すなど「見えないからこそ」の症状が多くなります。また黒目が白く見えるのも代表的な症状のひとつです。
シニア期になると発症する個体は非常にい多く、進行を遅らせるための内科的治療が多くなるようです。
3.ドライアイ
犬のドライアイは正式には「乾性角膜炎」と呼ばれ、涙の量が少なくなるなどの理由で眼が乾いてしまう病気です。眼の表面が乾いてると傷も出来やすく、角膜の障害も起きやすくなってしまうため、乾いていることに気づかずケアが遅れてしまうと重症化し失明の危険性も出てきます。
ドライアイの原因は非常に多く神経疾患やホルモン疾患、また感染症が原因になることもあります。もっとも多い原因は免疫異常と言われています。
よく見られる症状は目ヤニの量が増える、黒目の表面の光沢が無くなってしまう、また充血など。愛犬自身も目に異常を感じるため、目をこする、目をしょぼしょぼさせるなどの仕草を見せることが多くなるはず。重症化すると危険度が高いため気づいた時は早めに動物病院を受診しましょう。
病院では涙の量を検査したうえで、軽度であれば点眼薬での治療、重度の場合はステロイドや消炎剤などの内服薬での治療になることが多いようです。
犬の目のチェック方法
1.愛犬の目のチェックを習慣に
犬にとって危険な目の病気であったとしても、早く気づいてあげることで重症化を防ぐことは可能です。愛犬の目の健康を守るためにも日頃から目のチェックを心がけましょう。
- 左右の目で異なることはないか
- 物にぶつかることはないか
- 目をしょぼしょぼさせていないか
- まぶたに腫れはないか
- 目ヤニが出ていないか
- 白目が充血していないか
- 黒目が濁っていないか
- 目の表面が乾いていないか
愛犬の目にいつもと違う様子がみられた時はすぐに獣医さんに診察してもらましょう。
2.視力のチェック方法
個体差はあるものの、犬も7歳を過ぎた頃からシニア期と呼ばれ老化現象が生じはじめます。視力の低下もそのひとつ。視力の低下には思わぬ病気が隠れていることもあるので視力のチェックもしてみましょう。
- 愛犬の目の前に手を出す
- ティッシュを上から落としてみる
簡単なチェック方法はこのふたつになります。愛犬の目の前に素早く手を出してみましょう。見えているなら驚いて無意識に目をつぶるはずです。
また愛犬の上からティッシュなど落としても音のしない物を落としてみましょう。見えていれば落ちる物を自然と目で追うはずです。無反応であれば視力の低下か始まっているかもしれません。
まとめ
犬にとって危険な目の病気は失明してしまう危険性があるだけでなく、犬自身にとっても痛みや痒み不快感などの負担があるもの。防ぐことが難しい目の病気も多いですが、可能な限り早期発見出来るよう、愛犬の目にもしっかり注目してこまめにチェックしてあげましょう。