1.犬の気持ちを理解する
自分の気持ちをしっかりと理解してもらえることは、犬にとっても人間にとっても幸せなことだと思います。
しかし、犬は人間と同じ言語を使って、自分の気持ちを伝えることはできません。そのため、注意深く観察していないと、愛犬の気持ちや心理をつい見過ごしてしまうこともめずらしくないでしょう。犬もそれぞれ気質や性格が異なり、感情表現が豊かで気持ちをはっきりと伝えようとするタイプと、気持ちの表現が控えめなタイプがいます。
愛犬の気持ちを理解し、それに寄り添うためには、気質や性格を見極めてその犬なりの感情表現の方法を知ることが大切です。自分に対してきちんと意識を向けて、ちょっとした変化や表現に気付いてくれる人のことを、犬は信頼できる相手だと認識し、安心感を持つことができるのです。
2.犬のペースに合わせる
犬が見せる感情表現を理解したり、性格を見極めたりすることができたら、その気持ちや心理に寄り添ってあげましょう。それぞれの性格に合わせた接し方をして、犬のペースに合わせた対応をすることがとても大切です。
話しかけ方やなで方、遊び方などの接し方は、犬によって好みが分かれます。元気いっぱいアクティブに遊ぶことが好きな犬もいれば、穏やかにゆったりと過ごすことが好きな犬もいるでしょう。
愛犬の気質や性格を無視して、飼い主さんのペースや好みだけを押し付けるような接し方をすると、犬はとても不安で不快な気持ちになるでしょう。楽しい毎日を過ごし、安心して身を任せてもらえるように、犬のペースに合わせることも意識してみてください。
3.落ち着きと一貫性のある態度で接する
犬は、頼りがいのある人のことが大好きです。犬が頼れると感じるのは、決して偉そうに威張っている人のことではなく、どんなときも冷静で落ち着いた対応をしてくれる人のことです。
具体的には、落ち着いたトーンの声でゆったりと話しかける人や、気分によって態度や対応を変えることのない一貫性のある姿勢で犬と接することができる人などが好まれます。
しつけをする上でも、同じ行動に対して飼い主さんの気分次第で怒ったり許したりと、一貫性のない対応をすると、犬は混乱します。そして、そうした態度を取る飼い主さんのことを、信頼できないと感じてしまうでしょう。
4.犬の行動を正しく評価する
犬のことをしっかりと観察していると、ほめるべき行動や叱るべき行動が見えてきます。日本人は、どうしてもいたずらや無駄吠えなどを叱ることが多くなりがちで、犬が望ましい行動をしていてもきちんとほめられない人が多いとされています。
しかし、犬は自分の行動を評価してもらえないと、それをしていいのか悪いのか判断できません。さらに、いい行動はほめてもらえず、悪い行動を叱られるだけでは、不満を感じることもあるでしょう。
特別いい行動をしているわけではなく、飼い主さんを困らせるような行動をせず、静かにひとり遊びをしているときなども、きちんとほめてあげるようにしてくださいね。
5.刺激のある生活を与えてくれる
犬は、楽しいことが大好きです。学校や会社、買い物などで外出する人間と違って、犬はどうしても生活が単調になってしまうため、楽しいことに飢えています。
元々犬は人間と一緒に仕事をしてきた動物で、役割を与えられてそれをこなすことにやりがいを感じていました。パートナーと一緒に仕事に取組み、ほめてもらうことに充実感を得ていたのです。
しかし、多くの家庭犬はそうした仕事を持っておらず、いわば「失業状態」です。日々に退屈を感じていることも多いので、散歩やお出かけ、家の中での遊びなどを通して本能を発揮させて満足感を与えてあげるといいでしょう。
好きな遊びは犬種や気質によって異なるので、ぜひ反応を確かめながら楽しい時間を提供してあげてください。
まとめ
この記事では、犬にとって最高の飼い主になるための秘訣を紹介してきました。どれもむずかしいことではありませんが、しっかりと観察したり、気持ちを落ち着かせて寄り添ったりすることが必要なので、辛抱が必要な場面もあるかもしれません。
愛犬が心から信頼し、身を任せられるような頼りがいがあって愛情深い飼い主になれるよう、ぜひ意識してみてくださいね。