ヒコーキ耳とは
近年、特にSNS上で「ヒコーキ耳」という言葉を目にすることが増えました。
このヒコーキ耳とは、特に立ち耳の犬たちが耳を後ろにペタンと倒した状態をいいます。倒した耳が頭部の横に飛行機の翼のように見えることから、「ヒコーキ耳」と呼ばれているそうです。
気になる方はぜひ、インスタグラムで「#ヒコーキ耳」で検索してみてください。たくさんのかわいいヒコーキ耳スタイルの犬たちの写真が見られるようですよ。
犬たちはボディランゲージが発達しており、自分の意志を様々な表情や仕草で表現します。耳の向きや寝かせ方などもそのボディランゲージの一つといえます。
犬の耳は耳介筋という筋肉が人間より発達しているため、顔周辺に分布している神経の命令で、顔の表情のように耳を自在に動かすことができるのです。そのため、この「ヒコーキ耳」もできるのですね。
犬がヒコーキ耳をする心理
では、犬がヒコーキ耳をするときには、いったいどのような心理が働いているのでしょうか。ここでは、犬がヒコーキ耳にする理由を解説します。
1.甘えている
ヒコーキ耳をすると、犬の頭はくるんとしたまん丸の状態になり、頭を撫でられやすくなります。
特に立ち耳の犬の場合、普段通り耳がぴんと立ち上がっていると、頭を撫でてあげたくても耳が引っかかってしまいます。しかしヒコーキ耳になれば、撫でる際の障害物がなくなってなでなでしやすくなります。
このように「頭部をまるく見せる」というのは、犬が幼齢犬のマネをして幼く見せることで「自分には攻撃の意志がないです」「自分はまだ子どもです」と伝えようとしていると考えられています。つまり、自分より大人である人間や母犬に対して甘えたいときなどに行っているのですね。
2.喜んでいる
甘えているときと状態は似ていますが、留守にしていた飼い主が帰宅したり、好きなおもちゃで遊んでくれたりするときにヒコーキ耳になる犬も多いです。
また、ごはんをもらえるときやお客さんがきたときなども見られます。
このような時にヒコーキ耳をする場合、犬の表情をよく見てみましょう。おそらく口角を持ち上げて、見ようによっては笑顔になっているのではないでしょうか。
3.気が抜けている
程よく緊張感が解け、リラックスしているときにもよくヒコーキ耳をしています。顔面の表情筋が緩んでいると、同じ神経系からの命令で動いている耳介筋も緩んでしまうんですね。
4.嫌がっている
動物病院につれていったとき、シャンプーをされたり等、あまり好きではないことに遭遇した際も、犬たちはヒコーキ耳のように耳を寝かせてしまいます。このような時、表情筋はしょんぼりとした表情を作りますし、耳だけでなく肩を落としていることが多いですね。
また目の前に立つ相手のことが嫌だ、嫌いだ、あっちへいってほしいなどという場合も、犬たちの耳はペタンと倒されてしまいます。このようなときはあまりに嫌すぎて、ヒコーキ耳だけでなく、歯をむいて威嚇することも。
ヒコーキ耳になっているからといってもこの場合は、上記のような甘えやリラックスとはほど遠く、緊張によるストレスもかかりますので、早急にその相手から離れましょう。
まとめ
犬の「ヒコーキ耳」とは、耳を後ろに倒すしぐさであり、倒された耳が飛行機の翼のように見えることからそう呼ばれています。
犬はとても自由に動かすことができる耳介筋の働きで感情表現を行うことも多く、ヒコーキ耳で「甘えたい」「うれしい」などの感情と、「嫌だ」「怖い」などの感情を表すことができます。
いずれも両極端な感情の際に使われるヒコーキ耳ですので、愛犬がヒコーキ耳になっている場合は耳の形状だけでなく、表情やそのほかの行動もよく見て判断した上で対応されることをおすすめします。