帰省と旅行の違い
愛犬と一緒に泊りがけで出かけることがあると思います。その多くは、旅行や帰省ではないでしょうか。旅行と帰省では少し勝手が違います。旅行の場合は、滞在先がペット同伴可の宿泊施設であることが多いと思います。そのため、ある程度愛犬のための環境が整っています。
しかし帰省の場合は、実家や親戚の家が滞在先になることがほとんどでしょう。その場合、犬が暮らすための環境が整っていないことも。場合によっては、犬が苦手、不慣れな方やペットアレルギーをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
帰省の場合、滞在先が必ずしも犬に適した環境ではないことがあるため、愛犬にとっては通常の旅行以上に居心地の悪い思いをさせることになるかもしれません。また、滞在先のご家族にも不快な思いをさせてしまうかもしれません。
滞在先のご家族に対する配慮や愛犬が落ち着いて過ごせるための環境の整備は、飼い主さんの責任である点を意識する必要があるでしょう。
愛犬と一緒に帰省するときの注意点
1.滞在先でのマナー
滞在先のご家族に迷惑をかけないように、飼い主さんからの「オスワリ」「マテ」「ヤメロ」などの指示に従えるように、日頃からトレーニングしておきましょう。またどこにいても、ペットシーツに排泄できるようにしておくことも大切です。
愛犬が必要以上に緊張したり興奮したりしないように、愛犬のニオイが付いているベッドや毛布、食器などを持参して、愛犬が落ち着いていられるような環境を整えるのも、飼い主さんの責任です。
2.心身に負荷をかけない移動手段
愛犬が落ち着いて過ごせるためには、飼い主さんご自身も落ち着いていることが必要です。そのためにも、移動に関してはできるだけ余裕のあるスケジュールを策定し、いざという時にも慌てふためくようなことがないように準備しておきましょう。
また、愛犬が移動中にできるだけ快適に過ごせるように、出発する1〜2時間前までには食事を済ませる、移動中は1〜2時間おきに休憩を取るといったことも、予め計画に織り込んでおき、移動中も愛犬の様子をこまめにチェックしましょう。
移動手段は車や鉄道、バス、飛行機など複数ありますが、それぞれの特徴については後述します。
3.万が一への備え
愛犬に万が一のことがあったときに備え、帰省先の周辺にある動物病院を事前に調べておきましょう。普段生活していない場所なので、夜間救急も含めていくつか調べておくと安心です。また、いつも飲ませているお薬がある場合は、忘れずに持参しましょう。
愛犬との帰省で準備すべきもの
楽しむための旅行とは異なり、生活環境や行動にある程度規制がかかってしまう可能性の高い帰省の場合、できるだけ愛犬のストレスを最小限にすることが大切です。そのためには、できるだけいつも通りに過ごせるように準備しましょう。
下記に、旅行や帰省する際の必需品や準備しておくと良いものを列挙しますので、参考にしてください。
<愛犬と旅行をする際の必需品>
- 狂犬病予防注射証明書、ワクチン接種証明書
- 首輪またはハーネスおよびリード
- いつものフード(予備も含め少し多めに)
- 移動中に飲ませるための飲み水(ペットボトルの場合は軟水にすること)
- トイレシート
- うんち袋
- (あれば)常用薬
<愛犬が落ち着ける環境を整えるために用意した方が良いもの>
- 普段使いの食器、ベッド、クレート、キャリーバッグ
- 愛犬のニオイが付いた毛布やタオル
- お気に入りのおもちゃ
<不足しても現地で調達しやすいもの>
- トイレシート
- うんち袋
- 飲み水
<帰省先に合わせて用意しておくと良いもの>
- 洋服(ペットアレルギー対策)
- マナーウェア(愛犬不調時の滞在先へのマナー)
愛犬との帰省での移動手段
愛犬と一緒に帰省する際の主な移動手段は、自家用車、鉄道、バス、飛行機でしょう。自家用車以外の交通手段を選ぶ場合は、各交通会社毎に規則や可否、料金などが異なるため、事前に調べておくことが必要です。特に大型犬の場合は難しい場合が多いでしょう。
鉄道を利用する場合は、お盆や年末年始といった帰省シーズンでも渋滞に巻き込まれないというメリットがありますが、通常以上に混雑している中でもクレートの中で落ち着いていられるようにトレーニングをしておくことが必須です。トレーニングに関しては、バスを利用する場合も同様です。
飛行機の場合、犬は貨物扱いとなり、長時間飼い主さんと離れ離れで過ごさなければなりません。環境もあまり良くないため、愛犬の性格や体質によっては万が一のリスクが高いことを覚悟した上で利用しましょう。
自家用車の場合は、飼い主さんや愛犬のペースに合わせて移動できることがメリットです。特に、計画的に休憩を取りやすく必要な荷物もたくさん積めるため、愛犬との遠出には便利な移動手段だといえます。大型犬や多頭飼いの場合は、広々としたスペースを確保できるキャンピングカーを利用するのもよいでしょう。
乗り物酔いしやすい犬の場合は、事前にかかりつけの動物病院で酔い止め薬を処方してもらい、乗車させる前に飲ませましょう。また普段から、よくドライブに慣らしておき、愛犬も楽しんで車に乗れるようにしておくと良いでしょう。
まとめ
帰省も旅行も、特に変わりはないと思われる飼い主さんもおられるでしょう。しかし、帰省の場合は旅行よりも愛犬が過ごしづらい環境であることも多いです。そのため、飼い主さんは愛犬にも滞在先のご家族にも、より深い配慮が必要になってくるでしょう。
愛犬にとって何よりも嬉しいのは、飼い主さんと一緒に過ごせることだと思います。帰省であっても、滞在先のご家族や愛犬と一緒に楽しく過ごせるように、事前にしっかりと準備をしてから出かけるようにしましょう。