犬が『うれしょん』をする理由
飼い主が帰宅した時や来客時に、犬が興奮のあまりおしっこをしてしまうことは「うれしょん」と呼ばれています。
ではなぜ、犬はこの「うれしょん」をしてしまうのでしょうか。
1.興奮
犬の「うれしょん」のほとんどは、『極度の興奮』が原因です。「興奮性排尿」ともいい、飼い主の帰宅時や遊んでいる時など、犬が興奮しているときに起きます。
犬は、興奮すると感情がコントロールできなくなり、膀胱の筋肉が緩くなっておしっこが漏れてしまうことがあるのです。この場合、犬自身は排尿していることに気づいていない場合がほとんどでしょう。
2.服従心
犬は、おしっこをすることで、相手への服従心を示す習性があります。「服従性排尿」といわれ、犬は服従を表す体勢(お尻を丸める、耳を伏せるなど)を取りながら、おしっこをします。
服従心からの「うれしょん」は、相手に恐怖心を感じ、「自分はあなたに逆らいません!」という気持ちを示したい場合に起きます。対面している人に対して恐怖を感じていたり、自分より大きい犬に会ったときに見られることが多いでしょう。
「うれしょん」を治す対処法
子犬の「うれしょん」は、成長と共に自然と治まる場合があります。しかし、子犬のうちから改善したい、成犬になったけど治らないという場合、「うれしょん」には、どのような対処法を取れば良いのでしょうか。
興奮させない
帰宅したとき、犬に「ただいまー!」「良い子にしてた!?」と大きなリアクションで接してしまうのは、よくありません。たたでさえ飼い主の帰宅に喜んでいる犬の興奮を、助長させてしまいます。帰宅したら、犬が興奮から落ち着くのを待ってから、かまうようにしましょう。
最初は「うれしょん」をしてしまっていた犬も、帰宅するたびに飼い主が冷静に接していると、だんだん興奮の度合いが落ち着いてくるはずです。落ち着いてお出迎えができるようになれば、「うれしょん」することも減っていくでしょう。
犬の不安感を取り除く
犬が服従性排尿をする場合には、まず不安感を取ることから取り組みましょう。トラウマを抱えている犬などは、時間がかかるかもしれません。服従しなくても攻撃されないこと、安心していいことを、根気強く犬に教えていきましょう。
もし犬がおしっこをしてしまっても、絶対に叱ってはいけません。叱ってしまうと犬に恐怖心を与えてしまいますし、排尿そのものをしなくなる可能性があります。焦らずゆっくりと対処していきましょう。
「うれしょん」しやすいのはどんな犬?
「うれしょん」しやすいのは、次のような犬です。
- 子犬
- 不安感が強い犬
- 飼い主への依存心が強い犬
- 小型犬
- 若いメス犬
子犬は、まだ膀胱が発達していないため、興奮するとおしっこを漏らしてしまいがちです。落ち着きもなく、感情のコントロールも成犬に比べると上手くないため、「うれしょん」する子犬は多いことでしょう。
ストレスが多く不安感が強い犬は、服従性排尿をすることが多いといわれています。特に保護犬は、大声で叱られたり、暴力を受けたトラウマがある場合、服従心を示そうと排尿をしてしまうことが多いようです。
また、愛情や依存心の強い犬は「うれしょん」しやすい傾向があります。飼い主への気持ちが強く、興奮しやすいことが理由です。特に小型犬は、体が小さいために服従心を示す場面が多かったり、飼い主への依存心が強いことが多く、「うれしょん」率が高くなります。
若いメス犬は、オスに比べて尿道が短いため、「うれしょん」することが多いようです。
まとめ
犬が『うれしょん』をする2つの理由と、治すための対処法をご紹介しました。
「うれしょん」自体は病気ではありませんが、まれに泌尿器系の病気が隠れている場合があります。違和感を感じたときには、動物病院へ相談するようにしてください。
帰宅時に「うれしょん」をされると少し困ってしまいますが、興奮して「うれしょん」するということは、犬があなたの帰りを待ちわびていたという表れです。決して怒らずに、寛大な気持ちで対処してあげてくださいね。