犬の食器の「ぬめり」原因はなに?
犬が使っている食器を触ると、ヌルヌルしていることはありませんか?普通に洗っても、なかなか落ちなくて困りますよね。
犬の食器はなぜヌルヌルとぬめるのでしょうか?このヌルヌルの正体とは?!
ぬめりの正体
飼い主さんを悩ます、犬の食器のぬめり。このヌルヌルの原因は「バイオフィルム(菌膜)」という複数の微生物が作る膜です。排水溝を触った時のヌルヌルや、歯垢など、身近なものにもバイオフィルムが原因となるものは多く存在します。
犬の食器がヌルヌルする時は、バイオフィルムが食器に発生していると考えていいでしょう。
どうして犬の食器はヌルヌルするの?
同じ食器でも、人間の食器がぬめることは、ほとんどありません。ではなぜ、犬の食器はヌルヌルしてしまうのでしょうか?
この違いの理由は、唾液にあります。
犬の唾液は弱アルカリ性、人間の唾液は中性~弱酸性です。弱アルカリ性の唾液をもつ犬は、虫歯ができにくい性質を持つ反面、歯垢がたまりやすく、菌が発生しやすい口内環境をしています。
犬は食器を直接口につけて使用するため、食器に菌が発生しやすく、バイオフィルムも作られやすくなります。人間は、食事で食器に直接口が触れることは、ほとんどありませんよね。このため、人間の食器がぬめることは、ほとんど無いのです。
ぬめりの悪影響
犬の食器がぬめるのを放置すると、さらに菌が増殖し、とても不衛生です。そのまま使用すると、犬の健康にも悪影響を及ぼします。特にバイオフィルムが関連する感染症は、抗生物質や免疫が効きづらく、治療が難しくなるようです。
単なるぬめりだと軽視せず、犬の食器はキレイに保つようにしましょう。
犬の食器の洗い方
犬の食器のぬめりの正体が分かったところで、ではどのように洗えば良いのでしょうか。
人間と同じ洗剤を使って大丈夫?
人間の食器を洗う中性洗剤は、犬の食器にも使っても問題ありません。
使用する時は、以下の点に注意しましょう。
- 洗剤を残さないよう水でしっかり流す
- 香りがついている洗剤は避ける
- スポンジは人間用と分けて使う
ただし、一度ヌルヌルになってしまった犬の食器は、中性洗剤では汚れが落ちにくい傾向があります。中性洗剤は、ぬめる前の食器を洗うのが良いでしょう。
ヌルヌルした食器の洗い方
バイオフィルムが作るヌルヌルは、水に濡らすと落ちにくくなってしまいます。濡らさず、まずは食器を布やキッチンペーパーなどでふき取りましょう。
洗剤には、次のものがオススメです。
- 犬用食器洗剤
- クエン酸、お酢
アルカリ性の犬の唾液から生じるヌルヌルは、酸性の成分を使うとキレイに落とすことができます。汚れが落ちたら、しっかりと水気をふき取って完全に乾かしてください。水分が残っていると、菌やカビが発生してしまいます。
また、週に一度は、漂白剤につけたり食器を煮沸消毒するのもオススメです。漂白剤につける場合は成分が残らないようにしっかりすすいでください。煮沸消毒をする前に、食器が熱湯をかけても大丈夫かどうかは、確かめてから行ってくださいね。
メラミンスポンジは使って良い?
メラミンスポンジで物理的に汚れを落とす、という方法もありますが、これには注意が必要です。
ステンレス、漆器、柔らかいプラスチックに使うと、傷がついて菌が発生しやすくなってしまいます。メラミンスポンジは、陶器製の食器などを洗う場合のみ、使用しましょう。
まとめ
『犬の食器のぬめりを落とす方法』を、洗い方やぬめりの悪影響も併せて解説しました。
犬の食器がヌルヌルしている時は、以下の手順で洗うと綺麗に洗うことができます。
- 布やキッチンペーパーで拭く
- 酸性やペット用の洗剤で洗う
- 洗剤をしっかり洗い流す
- 完全に乾かす
最近では、ペット用の食器洗剤や専用スポンジの商品も増えてきていますので、利用してみるのも良いでしょう。特別なものではなくても、お家のお酢を使ってお酢スプレーを作ったり、掃除用のクエン酸を使うと、お手軽に犬の食器を洗うことができます。
愛犬のために、食器は使うたび洗って、清潔に保ってあげてくださいね。