犬の年齢を人間に換算する方法は?
「愛犬は人間でいうと何歳?」と考えたときに、飼い主さんが自分で計算できたら便利ですよね。昔はざっくりと『犬の年齢×7=人間に換算した年齢』で計算していました。しかし小型犬や中型犬と大型犬とでは、成長スピードが違うことが分かっています。
そのため小型犬と中型犬は1歳を人間の17歳、2歳を人間の24歳として、3歳からは1年ごとに4歳ずつ年を取っていくという考え方をします。そして大型犬は1歳を人間の12歳として、2歳からは1年ごとに7歳ずつ年を取っていくという考え方をします。
これを計算式にすると、次のようになります。
- 小型犬と中型犬:24+(犬の年齢-2)×4=人間に換算した年齢
- 大型犬:12+(犬の年齢−1)×7=人間に換算した年齢
例えば10歳の小型犬なら24+(10-2)×4=人間の56歳、10歳の大型犬なら12+(10-1)×7=人間の75歳です。同じ10歳でも小型犬と大型犬を人間の年齢に換算すると、大きな差がありますね。
新たな換算方法も
アメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、犬の年齢を人間の年齢に換算する新たな計算式を2019年に発表しています。犬の加齢によるDNA遺伝子のメチル化に着目した換算方法で、犬の年齢の自然対数を16倍して31を足します。
つまり『16ln(犬の年齢)+31=人間に換算した年齢』ということです。この計算式に当てはめると、5歳の犬なら16ln(5)+31≒57歳、10歳の犬なら16ln(10)+31≒68歳です。
一見難しそうな計算式ですが『ln』ボタンがあるスマホの計算機アプリなどを使えば、簡単に計算できます。ただこの計算式はラブラドールレトリーバーをもとに導き出されているため、他の犬種には適用できない可能性があるようです。
愛犬に長生きしてもらうためには?
犬は人間よりも成長スピードが速く、飼い主さんからしてみればあっという間におじいちゃんやおばあちゃんになってしまう愛犬。速いスピードで年齢を重ねていく愛犬と1日でも長く一緒にいたいと思うのは、飼い主として当然のことです。愛犬に長生きしてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
1.栄養バランスのよい食事を与える
犬の体は食べた食事でできています。栄養バランスのよい食事は免疫力を高めて病気になりにくい体を作り、長生きへと導いてくれるでしょう。
総合栄養食と表記されたドッグフードは、犬に必要な栄養素がバランスよく配合されています。しかし必要な栄養素の比率はライフステージによって異なるため、愛犬の年齢に合ったドッグフードを与える必要があります。
子犬には子犬用、成犬には成犬用、シニア犬にはシニア犬用のドッグフードを与えましょう。一般的に小型犬と中型犬は7歳頃から、大型犬は5歳頃からがシニア期とされています。
人用に味付けされた食事を与えるのは厳禁です。犬には脂質や塩分が高いため内臓に負担がかかり、寿命を縮めることにもなりかねません。またおやつの食べすぎも、栄養バランスを崩したり肥満の原因になったりするので、与えすぎないように注意しましょう。
2.適度な運動をさせる
犬が長生きするためには適度な運動も大切です。運動不足は万病の元と言われている肥満の原因になります。肥満の犬は寿命が短い傾向にあるという研究結果も出ているため、栄養バランスのよい食事と適度な運動で肥満を予防しましょう。
毎日朝夕2回散歩に行くようにして、雨などで散歩へ行けない日は室内でたっぷり遊んで運動をさせるのが理想です。
散歩は運動不足の解消だけでなく、筋力の維持や脳の活性化にも有効なので、シニア犬になってもできる限り続けたほうがいいです。ただし無理は禁物。愛犬の体に負担がかからないように、コースや時間に配慮をしてあげましょう。
3.歯磨きをする
犬の口の中は弱アルカリ性です。そのため虫歯にはなりにくいですが、歯周病になりやすいという特徴があります。3歳以上の犬の約8割が歯周病、またはその予備軍と言われているのをご存知でしょうか。
歯周病は、歯茎が腫れたり出血したりするだけではありません。歯周病菌が血管内に入り込むと臓器にまで影響が及び、心臓病や腎臓病、肝臓病などを引き起こすことがあります。その結果、寿命が短くなってしまうことも…。
子犬のうちから歯磨きの習慣をつけて歯垢を除去し、歯周病を予防することが長生きに繋がります。歯磨きは毎日行うのがベストですが、難しい場合は3日に1度は行うようにしましょう。
4.定期的に健康診断を受ける
犬が健康で長生きするためには、定期的な健康診断がとても重要になります。定期的に健康診断を受けていれば、たとえ病気になっても早期発見、早期治療ができる可能性が高いです。また健康診断は、生活習慣を見直すいい機会にもなります。
こうしたことが犬の健康と長生きに結びつくのです。若いうちは年に1回、シニア期になったら半年に1回健康診断を受けるようにしましょう。もちろん、愛犬の体調に異変を感じたらすぐに受診することも大事です。
5.ストレスの少ない生活を送らせる
犬は繊細な動物でストレスを感じやすいですが、ストレスは健康の大敵です。ストレスがたまると免疫力が下がり、さまざまな病気にかかりやすくなります。ならば、愛犬にはなるべくストレスの少ない生活を送らせて、健康と長生きに繋げていきましょう。
ストレスが少ない毎日を送るためには次のことを気を付けましょう。
まず、生活環境を整えてあげることが大事です。エアコンを使って室内の温湿度(夏場は26℃前後、冬場は20℃前後、湿度は1年を通して40〜60%が目安)を調節したり、クレートなど愛犬専用の場所を用意したり、身の回りを清潔にしてあげたりしましょう。
足腰が衰えてくるシニア期に入ったら部屋の段差や障害物をなくしてバリアフリー化してあげると、ストレスをあまり感じずに生活することができます。
運動不足やコミュニケーション不足も、犬には大きなストレスとなります。毎日朝夕2回散歩へ連れて行き、それとは別に愛犬と向き合う時間も作りましょう。時間がなければ5分でも10分でもいいので毎日一緒に遊んだりマッサージをしたりして、愛犬の心を満たしてあげてください。
まとめ
無邪気に見える愛犬も人間の年齢に換算すると、飼い主さんよりも年上だったりします。愛犬は人間の年齢に換算すると何歳なのか気になったときは、体のサイズ別の計算式で計算してみてくださいね。
人よりも短い一生と分かっていても、愛犬には少しでも長生きしてもらいたいもの。愛犬が長生きできるように何かしてあげられるのは飼い主さんだけです。できることはたくさんあるので、ぜひ若いうちから意識をして実践していきましょう。