意外と知らない!犬の肉球の10個の秘密
犬にあって人間にはない肉球ですが、実はさまざまな役割をもつ奥深いパーツなんです。でも実際のところ、犬の肉球はなぜあのような質感で、構造の意味を説明しろといわれてもよくわからないですよね。
そんな犬の肉球には、知られざる役割やルーツが見え隠れしています。それでは、意外と知らない犬の肉球の10個の秘密についてみていきましょう!
1.角質層が厚くなったものである
犬の肉球は、ぷにぷにしているようで意外と硬い感触をしていますよね。これは手のマメのようなものと同じで、角質層が厚くなった皮膚と同じ構造をしています。
犬の肉球はツルツルした猫の肉球とは違って、ザラザラした質感ですよね。外をよく歩く犬にとって、硬い肉球は足を保護してくれる大きな役目を果たしています。わかりやすくいえば、犬の肉球は人間の靴のような役目を果たしているということです。
2.寒さや熱さに強い
犬の肉球を触ってみると意外と分厚いことに気づくかと思います。角質層が厚い理由は、冷たかったり熱かったりする地面から守る為です。
犬の肉球のすぐそばを動脈と静脈が並んで流れており、これによって体温調節が効くようになっています。これは、過酷な環境でも生き抜いてきたオオカミのルーツを受け継いでいると考えられています。
靴を履かずに外を平気で歩く犬を見れば納得できますね。とはいえ、氷が張った道や焼け焦げるほど熱いアスファルトを歩くのは避けたいものです。
3.5つのパーツで構成されている
犬の肉球は、前足と後ろ足でそれぞれ次のパーツで構成されています。
【前足】
- 指球(しきゅう) …爪下の5つの小さな肉球
- 手根球(しゅこんきゅう) …手首にある狼爪のやや下にある1つの肉球
- 賞球(しょうきゅう) …指球下の中心にある1つの大きな肉球
【後ろ足】
- 趾球(しきゅう) …爪下の4つの小さな肉球
- 足底球(そくていきゅう)…趾球下の1つの大きな肉球
前足と後足それぞれのパーツの名称が異なり、大小それぞれ違ったパーツで構成されているのは少し意外かもしれません。
4.色は遺伝的要素が大きい
イメージ的に犬の肉球の色は、黒がデフォルトであると思い込んでしまうもの。また、「子犬の頃はピンクで大人になると黒くなる」と思っている人もいるでしょう。
しかし、犬の肉球の色は遺伝的要素が大きく関係しています。つまり、子犬の頃から黒だったりピンクと黒が入り混じっていたりなどさまざまだということです。くわしくいえばメラニン色素が関係しており、犬によって肉球の色に違いが出るということがわかっています。
5.前足と後ろ足では肉球の数がちがう
先ほどもお伝えしましたが、犬は前足と後ろ足で肉球の数が違います。
- 前足7つ
- 後ろ足5つ
これは、前足のみ生えている狼爪(ろうそう)が影響しています。よく見ると後ろ足の肉球の方が数が少ないので、今度じっくり確かめてみてください。
また、肉球の数がちがうのに足あとはほぼ一緒です。これは足先だけで歩いていることが大きな理由ですが、よく考えると不思議な部分でもありますよね。
6.ハニカム構造である
ハニカム構造とは、正六角形をハチの巣のようにすき間なく並べた構造のことです。強度の高い段ボールやゲルクッションにも採用されていますが、犬の肉球にもハニカム構造を見つけることができます。
犬が走ったりジャンプをしたりしても足を痛めないのは、犬の肉球がクッション代わりになり、力をうまく分散しているからです。逆にいえば、肉球が衰えると負荷がかかりやすくなるので注意すべきだといえますね。
7.グリップの役割もある
硬い角質で覆われた犬の肉球の表面をよく見ると、ブツブツした小さな突起が並んでいます。このブツブツがあることで滑り止めの効果を発揮しています。人間の靴下についている滑り止めグリップのような効果に近いですね。
8.汗腺がある
汗をかかずにパンティングで体温調節をするといわれる犬ですが、実は肉球から汗を出すこともできるんです。わかりにくいですが、よく見ると肉球がしっとり濡れていることがあるので確かめてみてください。
肉球のほかには、鼻の頭にも汗腺があります。いずれも、体温調節やにおいをつけてマーキングのような役割を果たしています。
9.歩くほど硬くなる
犬の肉球は子犬の頃は柔らかくて成犬になるほど硬くなりますが、これは育つ環境や運動量によって異なります。お散歩が大好きでデコボコした場所で育った犬の方が肉球は硬く、フラットな室内にいる機会が多い犬の方が柔らかいままである傾向が高いです。
10.水掻きの機能がある犬もいる
タイプによって泳ぎが得意な犬種がいますが、その多くが肉球に水掻き機能を備えています。例えば、ラブラドールレトリバーやニューファンドランドなどがあげられますが、肉球をよく観察すると指と指の間に膜があるんです。鳥のような水掻きがないか、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
犬の肉球は人間にはないからこそ可愛らしくて、それでいて不思議な部分ですよね。今回お伝えした犬の肉球の秘密の中に、驚きや関心をした内容があったのではないでしょうか。
犬の全体重がかかる肉球は、痛みやすい部分なので適度なケアが必要です。もし炎症やケガが見つかったら早めに獣医師に相談してくださいね。