犬の『氷食症』って?どんな症状が出るの?
皆さんは『氷食症』という疾患をご存知でしょうか。氷食症とは、無性に氷が食べたくなってしまう症状を引き起こす疾患の1つです。人間に見られることの多い症状ですが、犬にも見られることがあります。
犬の場合、氷が入っている冷蔵庫の前に待機していたり、氷がもらえないとソワソワと落ち着きのない様子を見せたり、吠えて要求したりといった行動が見られます。
氷がもらえないことに対して不安になったり、落ち着かずにストレスを感じてしまう状態に陥っているため、氷食症になった原因を知り適切に対処することが大切です。
犬が『氷食症』になる原因は?考えられる原因3つ
では、犬が『氷食症』になってしまう場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。ここでは犬が『氷食症』になる原因を3つご紹介します。
1.与えすぎてしまったために食べないと落ち着かなくなっている
犬に氷食症の原因として、最も多い原因は飼い主が与えすぎてしまったことによる依存性です。一般的に犬は自分から氷を欲しがることは少ないため、飼い主が与えなければ欲しがることはありません。
もちろん時々暑さを凌ぐために1個与えるという程度ならば、氷食症になることはありません。しかし、毎日いくつも氷を与えていると氷をもらうことが習慣づいてしまい、氷に対する依存度が高まります。
すると、氷がもらえないことに対してストレスを感じるようになり、落ち着かない、冷蔵庫の前で待機しているなど、氷食症の症状をみせるようになるのです。
2.不安や寂しさから強いストレスを感じている
不安や寂しさなど強いストレスを感じていると、普段とは違った行動をとる犬は多くいます。そのうちの1つに、ある特定の物を欲しがるという変化が見られます。
夏場は暑さを凌ぐために氷を与える飼い主も多いですが、氷はおやつなどに比べても長持ちするため、「口寂しい」「寂しさを他のことで紛らわしたい」という犬の心理にピッタリ当てはまることがあるのです。
すると、ストレスを忘れるように氷を欲しがるようになり、氷食症に陥ってしまうことがあります。こうした理由で氷食症になっている場合は、コミュニケーションを増やしたり環境を整えたりすることで治るケースも多いです。
3.貧血状態である
食事の栄養バランスが悪く鉄分が不足している場合、貧血状態により氷を欲しがる犬も多く見られます。特に夏場は食欲不振になる犬も少なくないため、ドッグフードを十分食べずに栄養バランスが崩れてしまうこともあるでしょう。すると、ドッグフードの代わりに氷を欲しがるようになり、氷食症に陥ってしまうという悪循環にはまってしまいます。
貧血状態の犬は、他にも「呼吸が荒くなる」「うんちがいつもより黒い」「元気がない」「散歩を嫌がる」などの症状を見せます。こうした症状が複数同時に現れている場合は動物病院に相談しましょう。
暑さ対策にも!犬に氷を与える際の注意点を解説
ここまで氷食症について解説してきましたが、氷自体は犬にとって問題はありません。特に夏場は、適量であれば熱中症予防や水分補給の代わりとして役立ってくれます。
もしも愛犬に氷を与える場合は、以下の注意点を守りましょう。
- 水道水を使用した氷を与える
- 一度に与える氷の量は少量にとどめる
- 舌に張り付かないよう氷を水で濡らして与える
- ブランケットなどで体温調整しやすいようにする
氷はあまり多く与えず一度に小さめの氷を1個、時々与えるようにしましょう。目安としては、1日1個以上は与えないようにすると氷食症を防げます。
また、与える氷はミネラルの含まれていない水道水で作った氷を与えてください。他にも氷が舌に張り付かないよう少しだけ水に濡らして与えたり、体を冷やさないよう室温管理やブランケットを用意してあげるなどの配慮も忘れないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬が氷食症になる場合、多くは飼い主が氷を与えすぎていることが原因です。他にも貧血の症状から氷を欲しがっているケースもあるので、あまりにも氷を欲しがる様子を見せる場合は、一度かかりつけの動物病院に相談してみましょう。