犬の『うつ病』が増加傾向に…その原因は?
犬も人間と同じように、さまざまな理由で精神的な病気を患うことがあります。実は近年、そんな犬の『うつ病』が増加傾向にあることをご存知でしょうか。
原因として、飼い主が犬に対して一昔前よりも大きな愛情を注ぐようになった結果、飼い主の中には犬を人間扱いし、かえって犬にストレスを与えてしまったり、依存度が高くなることにより分離不安を引き起こしてしまうケースが増えたりしているのです。
犬にとって飼い主に愛情をたっぷり注がれることはとても幸せなことです。しかし、あまりにも距離感が近すぎると犬の飼い主への依存度が増し、飼い主の姿が見えなくなると強い不安を抱くようになってしまうので注意が必要です。
犬が『うつ病』になった時に見せる症状5選
では、『うつ病』を発症した犬はどのような症状を見せるのでしょうか。犬を飼っている方は愛犬が『うつ病』の症状を発症していないかどうかチェックしましょう。
1.問題行動が増える
無駄吠えや破壊行動などの問題行動が増えた場合、犬が強い不安や恐怖に駆られるなどのうつ病を発症している可能性が疑われます。
最近、家庭環境に大きな変化があったり、飼い主からのコミュニケーションが不足しているなど、不安に感じる要因が積み重なってしまったのではないでしょうか。コミュニケーションを図るように意識してみましょう。
2.常にソワソワと落ち着きのない様子を見せる
常に飼い主の後ろをついて回ったり、ソワソワと徘徊するように部屋の中を彷徨くなど、落ち着きのない様子を見せていませんか。これもうつ病を発症した犬がよく見せるサインの1つです。
うつ病を発症した犬は常に不安や恐怖を感じているため、精神的に余裕がありません。そんな不安を紛らわせるかのように部屋の中を彷徨いたり、安心感を求めて飼い主の後ろをついて回るようになったりします。
3.常同行動
前足を舐める、穴を掘るような仕草を繰り返す、自分のしっぽを追いかけるなど、同じ行動をとることを『常同行動』と呼びます。
この『常同行動』は多くの場合、犬が不安や恐怖、退屈さなどを紛らわせるために行っています。うつ病を発症している犬にも多く見られ、エスカレートすると自傷行為に走ってしまう犬もいるため注意が必要です。
4.食欲不振
うつ病を発症した犬は、今まで食べていたドッグフードやおやつなどを食べなくなるなど、食欲不振の傾向が見られることも多くあります。
特にドッグフードの種類を変えたり体調に変化があるわけではないのに、なぜかごはんやおやつを口にしなくなったという場合は、強いストレスによるうつ病を疑いましょう。
5.下痢や嘔吐などの症状
強いストレスにより胃に不調を来たす犬も多くいます。うつ病を発症している犬の中には、実際に下痢や嘔吐などの症状が頻繁に見られる子も多いため、その他に異変がない場合はストレスによるうつ病の可能性が考えられるでしょう。
愛犬が『うつ病』に…効果が見込める改善方法とは
犬がうつ病になった時に飼い主ができる改善方法はいくつかあります。
犬のうつ病の原因がコミュニケーション不足である場合は、飼い主と遊んだりスキンシップを取ったりする時間を増やすこと、そして飼い主がいない時に暇を潰せるような相性の良いおもちゃを用意してあげるなどの意識改善が有効です。
ただし、飼い主に依存しすぎている『分離不安』を発症している場合は、かまいすぎる現状が逆効果となっている可能性があります。
この場合は外出前や帰宅直後はあまりかまわないようにしたり、少しずつひとりで過ごす時間を増やせるようトレーニングしたりと、あえて程度な距離感をとる改善方法を選ぶべきです。
どうしても改善方法がわからないという場合は、ドッグトレーナーさんやドッグスクール、心のケアが得意な獣医さんが在籍している病院などに相談しましょう。
まとめ
いかがでしたか。飼い主と犬の距離感がグッと近くなった結果、うつ病を発症してしまう犬も多くいます。愛情をたくさん注ぐことは大切ですが、あまりにも過剰に愛を注いでいると分離不安を発症してしまうので、適度な距離感を心がけましょう。