愛犬のカーミングシグナルを見逃さないで
犬は行動や仕草で気持ちを伝えてくれる生き物です。そして多くの感情を持ってもいるので「好きなこと」もあれが「嫌いなこと」や「苦手なこと」ももちろんあります。犬が「嫌だな」という感情を抱き、ストレスを感じたときの行動や仕草をカーミングシグナルと呼びます。
カーミングシグナルとは
犬のカーミングシグナルとは、主に不安やストレスを感じた時に発するボディランゲージになります。自分自身の気持ちと相手の気持ちを落ち着かせようとするシグナル。「嫌なこと」に対してストレスを感じた時に、不安、恐怖、不快などの感情を和らげるためや、相手と友好的に接したいと思ってい時に見られるボディランゲージです。
飼い主さんとの日常生活の中でも、愛犬の「嫌だな」のサインは何気なく行われているもの。もしかすると見逃しているかもしれません。注意深く見ていることで愛犬が何に対して嫌がっているのか理解できるはず。
愛犬の気持ちを察することが出来ると、信頼関係もより深くなるはずです。犬が本気で嫌がっている時の行動や態度をぜひ確認してみて下さい。
犬が『本気で嫌がっている時』にする行動や態度4つ
1.あくび
犬のあくびは代表的なカーミングシグナルのひとつになります。
愛犬があくびをした時は、もちろん眠たい場合もありますが「嫌がっている時」に見られることのほうが多いよう。主に気持ちの高まりを抑えたい時、また不快感を抱いた時や相手の興奮を鎮めたいと思っている時にあくびをすることが多くなります。
苦手な人に撫でられた時や動物病院の診察台の上であくびをした時は「すごぐ嫌なんですけど…」と思っているはず。飼い主さんに叱られている時にあくびをすることもあると思います。恐怖心からストレスを感じている可能性もあるので、叱っている最中にあくびをした時は手短に済ませてあげましょう。
2.口をパクパクさせる
犬が口を小刻みにパクパクさせるのも「嫌がっている時」のサインのひとつ。嫌なことがあって気持ちが高まってしまった時にそれを抑えようとする仕草になります。
突然の大きな音に驚いた時や、飼い主さんに叱られている時、また苦手な動物病院の記憶を思い出した時などに、不安やストレスからの興奮状態を抑えるために口をパクパクさせたり、歯をカチカチと小さく鳴らすことがあります。
また口をパクパクさせる仕草は、相手に対して敵意がないという気持ちを伝える時のシグナルでもあります。
しかし、口をパクパクさせる仕草はカーミングシグナルだけでなく、口腔内の違和感が原因の場合もありますので頻繁に見られるようであれば動物病院を受診しましょう。
3.体をブルブル振る
犬が体をブルブルっと振るわせる仕草はよく見かける仕草かと思います。この行動は寒い時に体を温めたい時や、被毛についた水分を吹き飛ばす時にも見られますが、嫌な気持ちになり不安を感じた時、気持ちを切り替えるためにブルブルっと体を振るわせることもあります。
何かに対して緊張感や不安感を抱いていることが多いため、愛犬がブルブルっと体を振るわせる仕草が見られた時は優しく声をかけてあげるなど、コミュニケーションをとり安心させてあげましょう。
4.視線をそらす
いつもはアイコンタクトが上手な愛犬があえて視線をそらす時は、何か嫌なことが起こっているのかもしれません。
そっぽを向く、また視線をそらすのは嫌がっているのはもちろん、恐怖心を抱いていることもあるよう。「苦手なものを見たくない」という心理で、その対象から目をそらしてしまうようです。
飼い主さんに視線を合わせながら叱られている時、目をそらした場合は「怖いから怒らないでほしい…」また「落ち着いてほしいな」などと思っているはずです。
目をそらしつつあくびをした時は、恐怖心が強い可能性もありますので早々に叱るのを止めましょうね。強い恐怖心を与えてしまうと、その後の信頼関係を築きづらくなってしまいます。
まとめ
あくびや体をブルブル振るわせる仕草などは日頃からよく見られる仕草になりますよね。必ずしも毎回、本気で嫌がっている訳ではありませんが、何か理由があってのシグナルかもしれません。その時の状況で判断し、愛犬の嫌がっていることを見極めてあげましょう。