犬の『オムツ』はいつ必要になるの?履かせるメリット・デメリットは?

犬の『オムツ』はいつ必要になるの?履かせるメリット・デメリットは?

近年はペットショップや薬局、スーパーなど様々な場所でペット用オムツが販売されています。今回は犬のオムツはどのようなときに使うのか、使うメリット・デメリットについて解説します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

犬のオムツが必要になるときとは?

オムツを履いたポメラニアン

まずは、犬の「オムツ」が必要になるときについて解説いたします。

1.マーキングを防止したいとき

オス犬の中には、家でも外でもあちこちにマーキングをしてしまう犬がいます。オシッコをされると不衛生なので飼い主としてはやめてほしいですね。

犬のマーキングをやめさせるには、ストレスを減らす、去勢をするなどの対策がありますが、どれも即効性や確実性がなく、オムツをすることが最も手っ取り早く確実に汚されるのを防止できる方法です。

オムツと聞くとパンツ型をイメージしますが、オシッコだけを防止するならマナーベルトがおすすめです。腰に巻いておしりには履かないので、犬にも不快感が少なくて済みます。

2.メス犬の生理時

生理(発情出血)になると出血しますので、犬がお尻をついた場所に血がつきます。ほとんどの犬は室内で家族と一緒に暮らしているので、あちこちに血がつくのを嫌がる飼い主さんは多いでしょう。

そんなときにオムツを履いていれば、家の中を汚さずにすみます。お出かけすることになっても周囲を汚さないので安心です。

3.持病があるときや介護が必要なとき

犬は人間より1日の排泄の回数が少なく、健康な犬は多くの場合、朝夕の散歩時の排泄だけで足ります。しかし高齢になると膀胱の機能も衰えたりして我慢がきかなくなり、室内でおもらしをしてしまうことは珍しくありません。

また認知症になると、トイレの場所がわからず、あちこちで排泄してしまうことがあります。このような場合は飼い主の負担を減らすためにも、オムツを履かせることをおすすめします。

若くても腎臓や膀胱などに病気を抱えている犬は、長時間排泄を我慢できないことがあります。室内では排泄ができない子で、トイレに連れて行ってあげることができない状況でおもらしをしてしまう場合には、オムツを履かせておくのも一つの方法でしょう。

犬にオムツを履かせるメリット

マナーベルトを着けたパピヨン

では、犬にオムツを履かせるメリットとはいったいどんなことなのでしょうか。

家や外出先を汚さずにすむ

犬のオムツの一番のメリットは、「生活環境や外出先を汚さずに済むこと」です。高齢や病気で自力でトイレまで行けない犬、生理中の犬にはオムツがおすすめです。汚さずに済むことは、飼い主さんの負担を減らすことにもなります。

お出掛けできる場所が増える

ドッグカフェなどでは、オムツやマナーベルトの着用が求められることもあります。いきなり履かせると犬は不快に感じるので、そのような場所に行く前に何度か履いて、慣らしておきましょう。

犬にオムツを履かせるデメリット

トイレシートをかじる2匹のコーギーの子犬

では、犬にオムツを履かせるデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

皮膚炎ができやすくなる

オムツを履いていると、汚れが犬の皮膚に接触する時間が長くなったり、風通しが悪くなったりして、皮膚炎ができやすくなります。犬が排泄をしても気づきにくいですが、汚れたらすぐに取り換えなくてはいけません。

汚れたオムツを履き続けることをできるだけなくすため、オムツを着用したら1日に数回交換する時間やタイミングを決めてください。常に履いている場合は、おしりの毛を短く刈ってしまうと清潔を保ちやすくなります。

犬が不快に感じる、オムツを誤食する可能性がある

慣れないものを身につけさせられたり、汚れが体に付着したりして、犬がオムツを不快に感じることがあります。どうしてもマナーベルトやオムツの着用が必要な場合は、ご褒美を使いながら少しずつ慣らしていくと良いでしょう。

また、不快感や、退屈などから、履いているオムツを噛んでしまうことがあります。そのまま切れ端や中身を飲み込んでしまうと危険です。

オムツの中身は水分を吸収する素材でできているため、大量に飲み込むと膨らんで胃腸に詰まる可能性があります。外側の防水性の素材を噛みちぎって食べてしまうこともあります。どちらを食べてしまっても、場合によっては手術をして取り除かなくてはいけません。

愛犬に初めてオムツを履かせたときは、しばらく様子を見て、口でいじったり誤食の危険性がないと判断できてから使用するようにしてください。

トイレトレーニングができない

子犬は1日の排泄の回数が多く、トイレや家の掃除に追われるので、オムツを履かせたくなる飼い主さんもいるかもしれません。

まだトイレを覚えていない子犬の排泄の世話が大変でも、オムツを履かせることで解決しようとしないでください。適切な時期にトイレトレーニングをしないと、よりトイレを覚えてもらうのが困難になっていきます。

オムツを履くことが習慣化してしまうと、トイレトレーニングができません。また、排泄の回数が多くて習慣的にオムツを履いていると、オムツを取り換える回数も当然多くなります。

子犬にオムツを履かせるのは、メリットとデメリットを考え、どうしても必要で他に解決方法がないなときだけにしましょう。

値段が高い

犬用のオムツは人間用と比べると値段が高いものが多くありまです。外出先でたまに使う程度なら経済的な負担も少なく済むでしょうが、毎日何枚もオムツを使う場合にはオムツ代も問題となるでしょう。犬用のオムツは基本的に人間用と同じ構造をしていますが、「尻尾を通す穴が開いている」「四本足に向いたデザインで、動いても脱げにくい」という工夫がされています。

人間用のオムツも、サイズが合えば犬に使用しても問題ありません。尻尾を通す穴を開け、開けた穴から中身の吸収材が漏れないようにガムテープなどでふさいで履かせてみるのも良いでしょう。

まとめ

オムツを履かされている犬

犬は初めてオムツを履くと嫌がることが多いです。オムツを使うメリットとデメリットを考え、オムツを使うことにした場合は、最初は飼い主さんが見ている前で短時間だけにし、履いた状態でおやつを食べる、家の中を少し歩くなどして慣れさせます。

もしオムツを嫌がっても叱ることはせず、履いただけで褒める、短時間でも履いていられたら褒める、今後基本的にオムツで排泄して欲しい場合には排泄がきちんとできたら褒めるなど、褒めながらオムツを使うことに慣らしてください。若いうちから服やズボンを着用する習慣があれば抵抗が少なくてすむでしょう。

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