1.飼い主を無視する
犬が飼い主さんのことを煙たがっているときの行動として、最も多く見られるのが「無視」です。私たち人間でも同じですが、「関わりたくない」「放っておいて欲しい」と思っているときは、そばにいる相手と目を合わせないようにしたり、相手に背中を向けて拒絶の意思を示します。
犬は、自分の気持ちや意思を「言葉でやんわりと伝える」ということができないため、その代わりの意思表示として関わりを持つことを拒むような態度を見せるのです。
2.カーミングシグナルを見せる
犬はストレスを感じているときに、自分の気持ちを落ち着かせるために「カーミングシグナル」と呼ばれるボディランゲージを行います。この行動をすることで、犬が自分自身の気持ちを落ち着かせるとともに、対峙している相手にも「落ち着いて」と伝えようとしていると考えられています。
カーミングシグナルは複数ありますが、多く見られるものが「あくびをくり返す」「体を振るう」「体を足で掻く」「地面のにおいを嗅ぐ」「ゆっくりと歩く」といったものです。また、上で説明したような「視線をそらす」「相手に背を向ける」といった行動も、カーミングシグナルに含まれると考えられています。
このボディランゲージは、飼い主さんがくどくどとお説教をしている最中や、長々とトレーニングを行っているときなどによく見られます。このような状況でカーミングシグナルを見せると、「やる気がない！」「だらけている！」などとカッとなる飼い主さんもいますが、決してそうではないので気持ちをきちんと理解してあげてください。
しつこくなでられているときやトレーニングに付き合わされているときなどに、「もうやめてよ」「そろそろ終わりにしてよ」とうんざりした気持ちでこうしたサインを見せることもあるでしょう。
3.威嚇や攻撃をする
飼い主のことを煙たがっているとき、目を合わせないようにしたりカーミングシグナルを見せたりして、「かまわないで」「もうやめて」といった犬なりの感情表現をすることがあります。
しかし、そうした気持ちに気がついてもらえず、さらに嫌な状況に追い込まれたときは飼い主を遠ざけるために威嚇や攻撃などの行動を行うこともあるので注意しましょう。
犬が歯を剥きだして唸ったり、激しく吠えたてたり、近づいてくる手や足を噛んだりすれば、相手は自分から離れて行くことを犬は理解しています。そのため、自分に近づいて欲しくないときやかまわないで欲しいときに、威嚇や攻撃をするのです。
しかし、ほとんどの場合は威嚇や攻撃の前に、違う形での「やめて」といったサインや迷惑そうな態度を見せています。その時点で気がついておけば、犬がさらなるストレスを溜めたり、噛みつきなどの事故が起こったりすることも防げるので、日頃から犬の様子を観察して気持ちに気がついてあげてください。
犬が迷惑に感じている飼い主の行動
過度なスキンシップ
可愛くてたまらない愛犬とは、たくさんスキンシップを取りたいと思うのが当然の感情でしょう。それは犬も同じで、大好きな飼い主さんから優しくなでてもらうことは幸せなことです。
ただし、強く抱きしめたりキスをしたりといったスキンシップは、苦手に感じる犬も多いので注意しましょう。愛犬の反応確かめながら、強引な触れ合いは避けるようにしてくださいね。
からかうようなコミュニケーション
愛犬の変わった表情や行動は、飼い主さんにとっては可愛くて仕方ないものだと思います。
しかし、愛犬のユニークな様子を見るために、わざとからかったり驚かせたりするようなことはしないようにしましょう。
そのようなことをされると、犬はストレスを感じたり飼い主さんに対して不信感を抱くようになってしまいます。
まとめ
多くの犬は、一緒に暮らす飼い主さんのことが大好きで、たくさんコミュニケーションやスキンシップを取りたいと思っています。しかし、飼い主さんの愛犬への接し方次第では、迷惑に感じたり煙たがったりすることもあるということを、決して忘れないでください。
犬にも私たちと同じように感情があり、喜んだり傷ついたり、迷惑に感じたりすることがあるのです。
犬が嫌がることは日頃からしないようにするとともに、ここで挙げたような態度が見られたら、無理に接触しようとせず、少しずつ関係性を作り直していきましょう。
