1.失敗を叱りつける
犬のトレーニングをしているときはもちろん、一緒に生活をしている中で犬の行動に困らされることはあると思います。指示したことが正しくできないことや、トイレの失敗、家具の破損、部屋が汚れることなどもそのひとつかもしれません。
そのような犬の失敗はあまり厳しく叱らないようにしてあげてください。決して甘やかすという意味ではなく、失敗の原因を取り除き、正しい行動を教えて導くことは大切ですが、犬の失敗そのものを「何してるの!」「バカ!」などと怒鳴りつける必要はないということです。
そもそも、犬が起こす失敗のほとんどが「故意」で行っているものではありません。時々、トイレの失敗などを見て「飼い主に対して嫌がらせをしている」という人もいますが、犬にそんなつもりはありません。
もしも、意図してそのような失敗をしているとしても、それは飼い主さんへの嫌がらせではなく、飼い主さんの注目を集めてかまってもらうために行っていることでしょう。その場合は、叱ること=かまうことになってしまい、叱るほど犬は喜んでしまう可能性もあるので意味がありません。
わざとしているわけではない失敗を叱られると、犬のプライドは傷つきます。特に、トレーニング中などにした行動が間違っていた場合に叱ると、犬はとても傷つき、やる気を失ったりチャレンジすることを恐れたりするようになります。
2.犬の行動や仕草をからかって笑う
愛犬のちょっとした行動や仕草、表情を見て、「可愛い」「おもしろい」と思うことは多いのではないでしょうか?しかし、犬のユニークな行動を見て家族で笑ったり、からかうようなことをしたりすると、犬のプライドが傷つくこともあるので注意しましょう。
犬がつまずいて転んだり、壁などにぶつかったりする様子は、つい笑ってしまいたくなるときもあるかもしれませんが、犬は決して遊んでいるわけではないので笑われることに対して不快に感じたり、飼い主さんに不信感を抱いたりするようになります。
また、わざと驚かせるようなことをして、犬の反応を笑うなどということもNGです。飼い主さんにとっては愛犬の様子が可愛らしくて笑っているのかもしれませんが、からかわれることに傷つく犬は多いので注意してくださいね。
3.同居している他のペットばかり可愛がる
家庭内で複数の犬や猫を飼っている場合、特定の1頭だけを可愛がったり、コミュニケーションの時間に明らかに差があったりすると、そのほかの犬は傷ついてしまうでしょう。プライドを傷つけられ、「どうして自分はかまってもらえないんだろう」「もっと遊んで欲しいな」とストレスや不満を抱えるようになり、問題行動を起こすようになる可能性もあるので注意が必要です。
特に、新しい動物を家庭に迎えたばかりの頃は、どうしてもそちらに家族の目が向いてしまいがちです。このようなときこそ、意識して先住犬と関わる時間を増やすようにしてあげましょう。
4.他人に対して愛犬のことを貶めた発言をする
犬は、飼い主さんがしている会話をよく聞いています。もちろん、言葉の細かい意味や文章をしっかりと理解できるわけではありませんが、話している人たちの声のトーンや表情からそこに含まれる感情を読み取ることができるとされています。
愛犬の話を家族や他人とするとき、「うちの子バカで~」などと貶めるような発言をする人がいます。特に、日本人は身内の自慢を美徳としないため、謙遜の意味でついついそのような発言をしてしまう人は少なくありません。
しかし、犬はそうした発言や会話を聞いて、「自分のことを悪く言っている」と感じ取ってしまうことがあるのです。愛犬の前では、謙遜であっても貶めたりバカにしたりするような発言はしないようにしましょう。
まとめ
犬にプライドや自尊心があるということを、あまり意識していない人は多いのではないでしょうか。しかし、犬は私たちと同様に、周囲の雰囲気やまわりの人の発言から様々なことを感じ取る繊細な動物です。
愛犬のプライドを傷つけると、信頼関係を損ねることにもつながるため、できるだけそのようなことがないように配慮しながら接してあげてくださいね。