1.黒いうんち
うんちの色は直前に食べたものの影響を受けます。そのため「いつもよりちょっと黒い」「ちょっと色が濃い気がする」程度であれば一喜一憂する必要はありませんが、「黒いコールタール状のうんち」が出た場合には注意が必要です。
この黒いうんちはいわゆる「血便」です。血便と聞くと「赤」をイメージするかもしれませんが、実は黒い血便は赤い血便よりも一層深刻です。
うんちに赤い血が付いている場合には肛門付近や胃腸の末端部分での軽度の出血の可能性が高いのですが、黒い血の場合には消化器官の中でも上部消化管と呼ばれる胃・小腸から出血した鮮血が消化器官を通るうちに黒くなった可能性があるからです。
上部消化管からの出血の原因としては、急性胃腸炎、急性膵炎などの疾患が考えられます。
2.扁平形のうんち
うんちは腸の中を通って出てくるので、正常な形のうんちは(長さや大きさに差こそあれ)ソーセージのような形をしています。ですがもし、ペチャっと潰れた扁平型のうんちが出てきたら要注意。
うんちが通る道すなわち消化器管内に何かしらの障害物があり、正常な形で出てこられなかった証拠だからです。考えられる原因の1つめは誤飲・誤食です。消化できない異物を飲み込んでしまったことで腸内に引っかかり不完全閉塞を起こしている可能性があります。完全閉塞の場合は便が通過できないために、頻回の嘔吐や食欲不振・元気消失と言った症状が起こります。
また2つめは腫瘍です。うんちの通り道を阻害するほど大きな腫瘍となると、しっかりした検査を受けたうえで適切な処置が必要となります。
去勢していない高齢のオス犬の場合は前立腺肥大が原因になり便が出にくく、扁平になってしまうことがあります。同時に、尿の出も悪くなる場合がほとんどです。
3.下痢
わんこは比較的よく嘔吐・下痢をする動物です。そのため、たまたま1回の下痢や、数回続いてもその後は正常なうんちに戻ったり、食欲や元気があって問題がなさそうな場合にはさほど心配する必要はありません。
ですがひどい下痢があまりに何度も続く場合や、嘔吐や食欲不振・元気がないなどの別の症状を伴う場合には何らかの体調の異常を疑うべきです。
️異常を認めたらすみやかに動物病院へ
愛犬のうんちがおかしいと思ったら、まずはすみやかに動物病院を受診しましょう。うんちに異常が現れるときは消化器官などの体内に何らかの問題がある場合がほとんどですから、素人では正しい判断がつきにくくなります。専門家の指示をあおぎ、早急にしかるべき処置をとることが最も大切です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこは体調が悪くても言葉で訴えることができません。それどころか野生の頃の名残りで体調不良をギリギリまで隠そうとする性質すらあります。
愛犬の体調不良にいち早く気づくためにも、ただ漫然とうんちの処理をするのではなく、健康なときのうんちがどんな状態なのか、そうでない場合にはどんな可能性があるのかをしっかり把握しておくことが大切です。
うんちから読み取れる情報量は思っているより多いもの。普段から動物病院で定期的に大便検査を受けるなどしておくと、見た目だけでは判断できない疾患や異常に気づくこともできるので、より安心できるかもしれませんよ。