犬が触らないでほしいと伝えている時のサイン
人間はどこか犬に対して「犬は撫でられると喜ぶ」と思い込んでいる所がありますが、実際は犬によって全然違います。しかし、犬の反応もさまざまで「喜んでいるのでは?」「嫌そうには見えない」などと、よくわからない部分もありますね。
言葉を話せない犬の気持ちを理解するには、カーミングシグナルやボディランゲージを知っておくことが大切です。犬に不安やストレスを与えないために、ぜひ「犬が触らないでほしい」と伝えている時のサイン8選を覚えておきましょう!
1.目をそらす
犬が目をそらすのは「あなたに敵意はありません」というカーミングシグナルの意味があります。しかしその一方で、「冷静になろうとしている」という意味合いも持っています。
つまり、体を触られている時に犬が目をそらすのは「嫌だけど我慢しよう」というストレスを与えている可能性があります。もし体を撫でている間その犬が目をそらして、どこか不満気であれば、触れられるのが嫌なのかもしれません。
2.舌なめずりをする
犬が鼻や口まわりを「ペロッ」と舌なめずりする行動は、お腹が空いているのではなく、「気を紛らわせよう」という気持ちが出ています。「飼い主さんに怒られるから我慢しよう」というストレスサインかもしれません。
ポイントは、「犬の舌なめずりは決して食いしん坊という意味ばかりではない」という点です。体を触る力が強かったり、そもそも体を触られるのがストレスになっている可能性も考えましょう。
3.体をかく
犬が体をボリボリかく行動は、体がかゆい場合もありますが、不安や緊張を感じているケースが多いです。ちょっとわかりにくいカーミングシグナルですが、嬉しい時には見せない行動なのでぜひ覚えておいてください。
もし体を撫でたりマッサージを始めたりした時に、犬がボリボリと体をかき始めたら「嫌なのかな?」と手を止めて様子をみましょう。
4.体がビクッと驚いたり震わせる
体を触られるのが嫌いな犬の多くが、人が触れただけで体をビクッと驚いたような反応を見せたり、体をブルブル震わせたりします。強いストレス反応なので、もしこのような犬の状態になったらすぐに手を離しましょう。
5.あくびをする
「犬のあくび」はただ単に眠いだけではありません。あくびは犬のストレスサインでもあるので、体を触り始めてから「ふあ〜」とあくびを見せたら手を止めてあげましょう。
とてもわかりにくいですが、気持ちいい表情ではない限り「触らないでほしい」というボディランゲージなので、これもぜひ覚えておいてください。
6.地面のにおいをかぐ
犬はにおいから情報を得る習慣がありますが、自分自身を落ち着かせるために行うこともあります。もし犬を触り始めた途端に地面のにおいをかぐ行動を見せたら、それは不安やストレスを感じているのかもしれません。
7.唸る
注意したいのが犬が「ウー!」と唸り声を上げた時です。唸るのは相手に威嚇する犬の行動なので、迂闊に手を出してしまうと噛みつかれる恐れがあります。「絶対に触らないで!」と訴えている犬のサインなので、触るどころか近づくことも危険です。
8.歯をむき出しにする
当然ですが、犬が唸るだけでなく歯をむき出しにして威嚇している場合も絶対に触ってはいけません。体制を低くなっていれば、これから飛びかかってくる可能性が高いです。「絶対に近づくな!」という犬のアピールです。
犬が体を触ってほしくない理由
犬によって体を触られたくない理由はさまざまで、その日によっても気分が変わります。そんな犬が体を触ってほしくない理由については次のようなものがあります。
- 放っておいてほしい
- 触られたくない場所だから
- ケガや病気で痛みがあるから
どんな人なつこい犬でも、「今は放っておいて」「眠いから触らないで」という気分の時もあります。また、犬にとって触られたくない場所であれば「そこはやめて」と嫌がる素振りを見せるでしょう。
保護犬であれば、前の飼育環境や飼い主によって何らかのトラウマを抱えるケースもあります。事故や病気、動物病院やトリミングで嫌な経験をしてしまった記憶がある犬もいますよね。
どんな犬に対しても、無理に触ろうとしないことが大切です。むしろ、犬の方から寄ってきてくれるのを待つようにしましょう。
まとめ
相手が愛犬だとしても、「いつでも触っていい」とは限りません。今回お伝えしたような「触らないでほしいサイン」を出していたなら、ぜひそっとしておきましょう。
犬と飼い主のほどよい距離感を保ちながら、お互いにとって居心地のいい関係を築いてください。ばったり出会った犬に対しても、「可愛いから」とむやみに触るのはNGです。飼い主さんに触っていいか尋ねた上で行動を取ってくださいね。