犬にとって超危険な寄生虫7選!
1.ノミ
犬の寄生虫と聞いて、真っ先に浮かべるのがこの虫ではないでしょうか。ノミは犬の外部寄生虫で、犬の毛や皮膚に寄生し吸血を行います。ノミの量が多かったり、体の小さい子犬の場合には貧血になる可能性もあります。
ノミが血を吸うことによって起きる刺激、かゆみは、犬にとって大きなストレスです。痒みによって何度も掻きむしり、皮膚が化膿してしまうこともあります。
2.マダニ
マダニは、ノミと同じ犬の外部寄生虫です。通常は1mm~5mm程度の大きさですが、犬の血を吸うと5mm~1cm以上の大きさにまで膨らみます。マダニに寄生されると、アレルギー性皮膚炎や貧血、毒性物質を出す種類であれば神経障害を引き起こすことがあります。
さらに、マダニは病原体を犬に媒介する恐ろしい存在でもあるのです。
マダニが媒介する病気は主に次のとおりです。
- ライム病
- Q熱
- エールリヒア症
- バベシア症
特にバベシア症は「貧血、黄疸、発熱」などの症状が見られ、重症化すると死に至る恐ろしい病気です。これらは、人間にも感染する病気ですので注意しなければいけません。
他にも、SFTSウイルス(重症熱性血小板減少ウイルス)をマダニが保有していると、寄生した動物にこのウイルスが感染します。感染した動物の涙や鼻水、血液中に増殖したSFTSウイルスが含まれており、人や他の動物にうつることがあります。
高齢者や子ども、免疫力が落ちている方などに感染し、場合によっては命にかかわるので注意が必要です。
3.フィラリア
フィラリアは、蚊が媒介する内部寄生虫です。成虫はオスが約17cm、メスは28cmと白く細長い、そう麺のような長い体を持ちます。
フィラリアを持つ蚊が犬を吸血すると、犬の体内にフィラリアの幼虫が侵入。幼虫は皮下組織、筋肉、脂肪で数か月かけて成長し、心臓と肺動脈へ移動します。そこで新たな幼虫「ミクロフィラリア」が誕生し、血液を通して犬の全身に巡ります。フィラリアに感染した犬の血を、ふたたび蚊が吸うことで、感染は広がっていくのです。
フィラリアに感染した犬は、血の循環が悪くなり、浮腫や腹水などの症状がでます。最初はあまり症状はでませんが、放置すると死に至ることもある恐ろしい寄生虫です。
4.瓜実条虫
瓜実条虫(サナダ虫)は、ノミが媒介する内部寄生虫です。犬が毛づくろいをする際に、ノミが口から入ることで感染します。感染しても、多くの場合は症状はでません。犬が排便時に、瓜実条虫の一部がお尻から出るのを気持ち悪がって気にする程度でしょう。
ただし、瓜実条虫の寄生した量が多い場合には、激しい下痢や体重の減少が見られるようです。人間にも感染しますので、ノミを見つけて触った場合にはよく手を消毒しましょう。
5.回虫
回虫は、日本の犬が感染することが多い内部寄生虫です。卵の経口摂取や、母犬から子犬へ胎盤や授乳によって感染することが確認されています。成犬は回虫に免疫があるため、回虫が成虫にまで成長するのは、生後半年以内の子犬がほとんどです。
犬の体内に侵入した回虫は、さまざまな臓器を巡り、腸へ寄生します。回虫に感染すると、糞に回虫が混じる、下痢や食欲不振、毛並みが悪くなるなどの症状がでます。
人間に感染すると、内臓や目に移動して「幼虫移行症」を引き起こし、最悪の場合は失明してしまうでしょう。
6.鞭虫
鞭虫は、犬の腸に寄生する内部寄生虫です。鞭のような見た目をしていることからこの名が付いています。感染経路は、汚染された土や感染した犬の糞からの経口摂取です。土や糞にある卵は長期間感染力を持つので、注意が必要となります。
寄生した量が少ないと症状はでないことの方が多いでしょう。大量に寄生した場合には、下痢や嘔吐、食欲不振などの症状が起きます。重症化すると、血便や下痢が続き、死亡することもあるのです。
7.鉤虫
鉤虫は、内部寄生虫で、小腸に寄生し吸血を行います。感染経路は、卵を経口摂取する場合がほとんどですが、まれに経皮感染も起きるようです。
成犬であれば、ほとんど無症状のことが多いでしょう。子犬の場合は、下痢や嘔吐、食欲不振などが見られ、重度の場合は死に至ります。
寄生虫の対策方法
犬にとって危険な寄生を防ぐ最も有効的な方法は、「駆虫薬を使う」ことです。
駆虫薬には、犬の体に付ける液状のタイプや、口から飲ませるタイプなど、さまざまな種類がありますので、獣医と相談しながら愛犬に合うものを選択しましょう。薬は動物病院以外でも販売されていますが、飼養している薬の種類や配合量、駆除・予防効果の持続時間や効果の安定性に違いがあるので、動物病院で処方された物を使うようにしてください。
また、定期的に動物病院で検査を行い、早期発見、早期治療を行うことが大切です。普段から、犬の便や食欲などを観察して異常がないこともチェックするようにしましょう。
まとめ
犬にとって危険な寄生虫7選をご紹介しました。
寄生虫に感染した犬からは、他の犬へさらに感染が広まる危険性があります。そのため、対策をしていない犬は、ドッグランやトリミングサロンの利用を断られることがほとんどです。
寄生虫は犬だけではなく、人間へも感染します。愛犬の命を守るのと同時に、自分の身を守るため、動物病院での寄生虫対策は絶対に行うようにしましょう。