犬にとって「遊び」そして「おもちゃ」とは
人間の場合、「遊びと実生活は別のもの。生存には直接関係ないもの。」と考えている方も多いと思います。しかし、子どもは遊びの中からたくさんのことを学びます。遊びを通して体を鍛え、集団の中で生活するためのルールを学びます。また、遊びを通して自分の能力を伸ばしていくこともあります。
同じように、犬達も遊びの中からたくさんのことを学びます。子犬時代はもちろん成犬になってからも、遊びを通して体を鍛え、人間社会の中で生きていくためのルールや作法を学び、自分の能力をより高めていくのです。そして、その遊びをより楽しいものにするのが「おもちゃ」です。
犬のおもちゃは大きく分けて2種類に分類することができます。「ひとり遊び用のおもちゃ」と、「飼い主さんと一緒に遊ぶためのおもちゃ」です。
ひとり遊び用のおもちゃは、留守番時も含めて飼い主さんが見ていない時に使うおもちゃです。そのため、基本的にはいつでも愛犬の身近に置いておき、愛犬が好きな時にいつでも遊べるようにしておくものだと考えて良いでしょう。ただし遊び相手がいないため、愛犬はおもちゃにというよりも、遊び自体にすぐに飽きてしまうかもしれません。
飼い主さんと一緒に遊ぶためのおもちゃは引っ張り合いっこをしたり、投げられたものを取りに行ったり空中でキャッチしたりして遊ぶもので、基本的にはひとり遊びには向きません。
またこれらの遊びは、しつけやトレーニングといった目的で行われることが多いため、上手にできるとご褒美が貰えるといった、愛犬にとっては心から楽しく嬉しい遊びの道具です。
犬がすぐに飽きてしまうおもちゃの特徴
前述の分類から考えると、犬がすぐに飽きてしまうのは、ひとり遊び用のおもちゃだといえるでしょう。なぜなら遊び相手のいないひとり遊びは、遊び自体がそれほど楽しくないからです。おもちゃに飽きてしまう原因は、必ずしもおもちゃにあるわけではないのです。
その中でも、特に犬がすぐに飽きてしまうおもちゃの特徴を挙げてみましょう。
1.刺激がない
おもちゃ自体が特に変化することもなく、これといった刺激を受けられないものだと、飽きるまでの時間が特に短い傾向があるようです。
音がする、犬が工夫を凝らすとおやつが出てくる、触り心地が良いなど、犬にとって興味をそそられる、気持ちが良いなどのプラスの刺激を与えてくれる要素を持つおもちゃを選ぶとよいでしょう。
2.耐久性がない
例えば、噛み心地が気に入っていたのに耐久性がなく、すぐに噛み心地が悪くなってしまうと、そのおもちゃに感じていた魅力が半減してすぐに飽きる原因となってしまいます。
また、壊れてしまうと怪我をしたり誤飲してしまったりと危険です。そもそも耐久性がないおもちゃは、ひとり遊び用として選ぶべきではありません。
3.ずっと同じおもちゃ
おもちゃそのものの特徴ではありませんが、同じおもちゃを長期間使わせ続けることも、そのおもちゃを飽きさせる原因となります。おもちゃそのものに刺激的な要素があったとしても、それを長期間使っていれば、結局刺激を感じなくなってしまうからです。
3〜4種類程度のおもちゃを数日間ずつローテーションして与えるのが、現実的な使い方だといえるでしょう。
犬のひとり遊び用おもちゃを選ぶ基準
では、なるべく犬が飽きないようなひとり遊び用のおもちゃを選ぶ時の基準を挙げてみましょう。
安全性が高い
耐久性も含めて、飼い主さんが監視していなくても安心して遊ばせられるおもちゃを選びましょう。
人間用のおもちゃは口に入れても安全な材料で作られていますが、人間の子供と犬では噛む力に雲泥の差があります。必ず犬用のおもちゃを選びましょう。
犬に良い刺激を与える要素がある
噛み心地が良い、さわり心地が良い、音がする、犬が知恵を絞って工夫することでおやつを得られるなど、犬にとって長時間夢中になれる要素のあるおもちゃを選びましょう。
愛犬の体格に適している
どんなに刺激的なおもちゃでも、愛犬の体格に適していなければ遊べません。場合によっては、誤飲してしまうこともありますので、注意が必要です。
くわえられるけれども飲み込めない大きさのものを選びましょう。
まとめ
犬の遊びには、ひとり遊びと飼い主さんと一緒に行う遊びの2種類があり、それぞれの遊び用におもちゃが開発されています。そのおもちゃの目的と使い方が一致していないと、愛犬はそのおもちゃの楽しさが分からずに、すぐに飽きてしまうかもしれません。
また同じものを長期間継続して使わせていれば、やはり飽きてしまいます。複数のおもちゃを用意して、数日毎にローテーションをするといった工夫で、同じおもちゃでも飽きずに長期間遊んでくれることでしょう。
ひとり遊びにしても一緒に遊ぶにしても、安全で楽しめるおもちゃを有効に活用しましょう。