1.下痢が続く
犬も人間も同様ですが、動物が自身の体を守るために持っている免疫細胞の約70%は腸内に存在すると言われています。そのため、免疫力が低下すると下痢が続くことが多く見られます。食べているものは変わらないのに、軟便が続き、少しずつ柔らかくなって水下痢や血便をするようになることもあります。
腸内環境が悪化するため、下痢以外にも便秘や嘔吐などの症状が出ることもあるようですが、やはり下痢や軟便が最も多く見られるようです。腸内が荒れてしまっているときに、通常の食事を与え続けると余計に下痢がひどくなっていって、脱水症状に陥ったり犬の体力が奪われてしまう可能性も。
これらのような様子が見られたら、すみやかに動物病院を受診するようにしましょう。
2.食欲が低下する
上記で解説した通り、免疫力と腸内環境には大きな関わりがあります。つまり免疫力が低下していると、お腹に痛みや違和感を感じて食欲が低下してしまうことがあります。
食欲がないときに無理に食べさせようとすると、下痢や嘔吐の症状が悪化する可能性が高いので注意が注意が必要です。
まずは動物病院で下痢止めや吐気止めなどを処方してもらい、体の状態を整えてから少しずつ通常の食生活に戻すようにしましょう。
3.体に変化が見られる
免疫力が低下すると、健康を維持しているときとは体の状態が変わることがあります。具体的には、毛ヅヤが悪くなったり、口臭が強くなったりというような、ちょっとした変化をはじめ、皮膚疾患を発症したり発熱をしたりといったトラブルが起こることもあります。
動物の皮膚や腸内には常に様々な菌がいて、健康なときは良好なバランスを保ち、問題なく過ごしています。しかし、免疫力が低下するとそのバランスが崩れて、常在菌が悪さをするようになって皮膚疾患を引き起こしたり、体に潜んでいた病気が発症したりすることがあるのです。
免疫力の低下だけで病気を発症することはあまりないかもしれませんが、あらゆる病気が発症する要因の大きなひとつであることを覚えておきましょう。
免疫を高めて健康に過ごす秘訣
免疫力を上げる食事を与える
犬の免疫力を高めるためには、その効果があるとされる成分が含まれている食事を与えるのがおすすめです。
免疫細胞の多くは腸内にあり、腸内環境を整えることは免疫力を向上させるために重要なポイントだとされています。そのため、納豆やヨーグルトなど、善玉菌を増やして腸内環境を整える効果のある食材は、犬の健康を保つためにもぜひ取り入れたい食材です。
また、体にダメージを与える活性酸素を除去するための、抗酸化作用を持つ成分が多く含まれている緑黄色野菜なども犬の食事に使ってみてください。
散歩に出て運動をさせる
免疫力を向上させるためには、ストレスを溜めすぎないようにすることが大切です。また、日光を浴びることも免疫力を高めるために必要なことだとされています。
このようなことから、夏場は注意が必要ですが、太陽が出ている時間に散歩に出て、日差しを浴びながら適度な運動をすることは、免疫力アップにとても効果的なことです。散歩は体力や筋力をつけるためだけでなく、精神を安定させて病気を予防することにも役立つので、怠らないようにしましょう。
十分な休息と睡眠を確保する
人間でも同様ですが、疲れが溜まったり睡眠不足になったりすると、ストレスが溜まったり、風邪を引きやすくなったりします。これは、体の免疫力が低下することで起こるものだとされています。
そのため、愛犬がリラックスして過ごせる空間づくりや十分な睡眠時間の確保は、飼い主さんの大切な役割です。
まとめ
免疫力は健康を維持するためにとても大切なもので、低下することで病気を発症しやすくなるなど、様々な体の変化を引き起こすと考えられています。特に、子犬や老犬、病後の犬は免疫力が低下しやすいので、注意が必要です。また、疲れているときにも免疫が低下しやすいので、適切な食事や睡眠によって免疫力を高めるように意識しましょう。
犬の免疫力を高めて健康を維持するために大切なことは、「食事」「運動」「睡眠」といった日常生活と深い関わりのあるものばかりです。特別なことは必要ないので、愛犬が心地よく過ごせる環境を作ってあげられるように考えてみてくださいね。