犬は人間と違い、足の裏にしか汗腺がありません。そのため、体温調節を苦手としています。もともと体温も高く、個体差はありますが、犬の多くは暑さに弱い動物なのです。
そんな犬たちは、私たち人間と同じように『夏バテ』をすることがあります。
今回は夏バテの症状を5つご紹介しますので、参考にしてください。
犬の夏バテ症状5選
1.食欲不振
元気に過ごしているように見えるのに、ご飯を食べない、残す。こういった場合、犬は夏バテを起こしている可能性があります。
夏バテで食欲が落ちると、大好きなおやつを欲しがらなかったり、ご飯の時間を喜ばなかったりなど、食に対する意欲が薄れてしまうのです。
2.元気がない
夏バテになった犬は、飼い主が呼んでも来ない、お気に入りのオモチャで遊ばないなど、元気がなくなる傾向にあります。
犬が疲れている様子のときは、無理にかまわず、そっとしておきましょう。
3.散歩を嫌がる
夏になってから、大好きな散歩に行きたがらない場合にも、犬は夏バテを起こしていることがあります。夏バテにより体力が失われ、外に出る元気がなくなってしまうのです。
散歩に行っても、歩くスピードがいつもより遅くなったり、早く帰ろうとしたりする様子が見られれば、夏バテの可能性があります。
4.睡眠時間が長くなる
夏バテにより、食欲も遊ぶ元気もなくなってしまった犬は、睡眠時間が必然的に長くなります。寝ることで体力を回復させる意味もあるのでしょう。
活動が減っているのにもかかわらず、犬が疲れたように寝ている時には、夏バテをしているかもしれません。
5.下痢や嘔吐をする
夏バテによって体調不良になってしまった犬は、胃腸の働きが弱ることによって下痢や嘔吐をする場合があります。
食事や水がしっかり取れていて、元気もある場合には様子を見ても良いでしょう。しかし、嘔吐や下痢があり、水分が取れずにぐったりしている時はすぐに動物病院へ連れていってください。
夏バテの初期症状を見極めるコツ
気温の上昇とともに様子が変わるのは夏バテの可能性が高い
犬の夏バテの症状は、夏バテ以外が原因の場合にも起こりうるものばかりです。夏バテかどうか、見極めるためには、春の時期と犬の様子がどう違うかをよく観察することが必要です。
夏になり、気温が上昇してからどことなく元気がない、食欲がないなどの場合は、夏バテの可能性があります。水分補給と栄養補給、休息をさせましょう。
それでも改善しない場合には、他の病気の可能性もありますので、動物病院へ連れていきましょう。夏バテも長引くと栄養がうまく取れずに免疫が下がり、病気にかかってしまうことがあるので注意してください。
脱水症状を起こしていないかチェックする
犬の夏バテの原因の一つには、脱水があります。
犬が脱水症状を起こしているかどうかは、首の後ろをつまむと調べることができます。犬の首の後ろ側の皮をつまみ、手を離した時に皮がたるんだままであれば、脱水を起こしている可能性が強いです。また、目や鼻、口もとが渇いていないかも併せてチェックしましょう。
犬が脱水気味な時には、水分をゆっくり取らせるようにしてください。
夏バテを予防する方法
ここからは、夏バテを予防する方法をご紹介します。
水分を取らせる
犬がいつでも水分が取れるように、新鮮な水を用意してあげましょう。散歩や留守番をさせるときにも、水は必ず準備してこまめに飲ませるようにしてください。
水をなかなか飲んでくれない場合には、キュウリ、スイカなど水分の豊富な野菜を与えるのも良いでしょう。ただし、与えすぎると体が冷えたり、下痢をすることがあるので量は調整してくださいね。
温度管理
犬がいる部屋は、だいたい25度~26度くらいの室温になるように設定するのが良いといわれています。
短毛か長毛か、大型犬か小型犬か、子犬やシニア犬かどうかなど、飼っている犬の適切な温度に合わせて室温を管理してください。
食事の工夫
犬が少し食欲がなさそうな時は、食事の内容を工夫してあげると良いでしょう。
ドライフードをふやかしたり、犬用のふりかけなどをトッピングすると食欲が出て食べてくれることがあります。ウエットフードをうまく利用するもの一つの手です。
無理やり食べさせるのではなく、量を減らしたりするなど、犬の様子に合わせて工夫してあげてください。
散歩を調整する
夏の散歩は、暑い時間に行うと犬の体力が大きく失われてしまいます。涼しくなった時間に行く、距離を短くする、地面が土のルートを選ぶなど、調整しましょう。
まとめ
犬の『夏バテ症状』5選、仕草や行動から初期症状を見極めるコツをご紹介しました。
夏バテは、急速に具合が悪くなる熱中症とは違い、ゆっくり症状がでてくるものです。犬の変化を見逃さないように、普段からよく観察してあげてください。
夏バテ予防をしつつ、うまく暑い夏を乗り切りましょう。