老犬が幸せに暮らすための『3つの条件』 今すぐやりたい飼い主にできること

老犬が幸せに暮らすための『3つの条件』 今すぐやりたい飼い主にできること

家に初めて来たときは小さな子犬だったのに、一緒に生活しているといつの間にか徐々に年を重ね、気が付いたら立派なシニア犬に…。このように、犬と一緒の楽しい生活はあっという間に通り過ぎてしまいます。老いた愛犬がより幸せに暮らせるように、飼い主ができることとは一体何でしょうか。

お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

愛犬が老いるということ

ゴールデンレトリバー

近年では食生活や運動習慣、医療の発達など人と同様に犬の平均寿命も延びています。その結果、昔はそれほど目立たなかった「犬の老い」を飼い主が目の当たりにし、その対応方法がクローズアップされることが増加しています。

さて、犬が年老いるといったいどんな状態になるのでしょうか。「犬の老い」のサインをいくつかご紹介しましょう。

まず犬が老いてくると、見た目で全体に白っぽく、つやが失われたように見えるようになります。これは被毛に白髪が増え毛艶が失われることが原因です。ほとんどの場合口元や目元からこの現象が始まり、徐々に体全体に広がっていきます。

また犬は老いるとすぐ脚力が低下してきます。歩行の速度が遅くなったり、特にお尻から後ろの太ももの筋肉が削げ落ちてきたりして、運動自体をそれほど喜ばなくなっていきます。運動をしなくなるのでますます筋肉が落ちていき、後ろ脚がすっきり伸びずにお尻が落ち気味に見えるようになるでしょう。

また今までだったら小声で名前を呼んでも反応したのに耳が遠くなって呼んでも近くへ来なくなったり、呼ばれたのに怒って吠えるようになったりすることもあるでしょう。

このほか、食欲が落ちる、トイレの失敗が増える、白内障で目の奥が白っぽくなってきたなどの「老いのサイン」が見られ始めたら、飼い主としてどんなケアをしてあげたらよいのでしょうか。

老犬が幸せに暮らすためにできること

イングリッシュコッカースパニエル

犬たちは人よりずっと早く成長し、そして老いていきます。自分の体の変化に一番戸惑っているのも犬たちです。

そんな老犬たちが幸せに暮らしていくために、飼い主ができることや心がけたい3つの条件を挙げていきましょう。

1.「できないこと」を叱らない

トイレや段差の上り下りなど、いままで簡単にできていたことが老いとともにできなくなることは犬にとってもショックなことです。我が家にいた老犬もトイレがうまくできなくなった時にものすごく動揺していました。

しかしこれを「できなかった」と叱ることはよくありません。「ちゃんとやろうとした、けどできなかった」という愛犬の気持ちを受け止めてあげてください。そしてちゃんとできたときは思い切りほめてあげてくださいね。

2.環境を老犬向けに整える

マットに寝そべる犬

前述したように、足腰がどうしても弱くなるため、床で滑ったりつまづいたりして転びやすくなります。また白内障などでまぶしさを感じやすくなった犬は、視野の明るさによってはモノが見えずに机や障害物にぶつかってしまうことも。

愛犬が老いてきたなと思った場合、床にマットをしいて滑りにくくしてあげたり、なるべく段差や障害物となりそうなものを犬の生活スペースから取り除いてあげたりするとよいでしょう。

またおやつやフードも、高たんぱく低脂肪で消化吸収の良いシニア向けのものにしてあげることも忘れずに。

3.刺激を与えてあげる

私たち人間も、どんなに具合がよくなくてもずっと家の中に閉じこもっていては気分も鬱々として余計に具合が悪くなりそうな気がしてきませんか? 

犬たちはお外が大好きです。お散歩に行けば外の風やにおい、風景、踏みしめた足裏の感覚など様々なことを味わっています。

これを「あまり歩かなくなったから」といって散歩の時間を減らしたり家に閉じ込めてしまったりしたら、犬にとって食事と同等なほどに楽しみにしていることを奪っているということになります。淡々とした室内の暮らしだけでは、犬たちの脳も急激に衰えてしまいます。

たとえ自力で歩けなくとも、抱っこやカートでお外に連れ出してリフレッシュさせてあげることは大切ですね。

まとめ

カートに乗った犬

人も動物も等しく年を取り、老いていきます。自分の体の急激な変化を受け入れがたいのも、人・動物ともに変わらないでしょう。

不安な気持ちをもつ犬たちに大切なのは、飼い主の「受容」です。飼い主として犬たちの変化を受け入れ、その時必要なケアをしながら少しでも長く幸せに暮らしていけるとよいですね。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。