犬はどうやって人や言葉を記憶しているのか
1.聴覚に刺激を受けることで記憶することができる
犬は聴覚に受けた刺激によって、人や言葉を記憶することができます。
例えば、犬に対して「かわいいね～」と甲高い大きな声で話しかける人と、物静かな小さな声で話しかける人がいたとしましょう。犬に刺激を与えやすいのは、甲高い大きな声の方です。
しかし、好きな人として記憶されるか、嫌いな人として記憶されるかは犬次第です。その犬の性格や好みによって左右されると思います。
犬は基本的には物静かな小さな声で話す人を好む傾向にありますが、記憶には残りにくいかもしれません。
2.嗅覚に刺激を受けることで記憶することができる
犬は嗅覚に受けた刺激によって、人や言葉を記憶することができます。
例えば、大好物であるビーフジャーキーをくれた人と、まあまあ好きなササミジャーキーをくれた人がいたとしましょう。犬に刺激を与えやすいのは、大好物であるビーフジャーキーの方です。
どちらも好きな食べ物ですが、大好物であるビーフジャーキーをくれた人のことはよく覚えています。その人のことを目にしただけで（またビーフジャーキーくれるかも♪）と、自らお座りをしたり芸を見せたりすることがあります。
大好物であり、においの強い食べ物を与えると、その犬にとって「よい人」として記憶に残りやすいのではないかと思います。ただ、興味があるのは人ではなく、食べ物の方である可能性が非常に高いです。
3.ポジティブかネガティブか、どうでもいいか
犬はポジティブな出来事、またはネガティブな出来事による言葉はよく記憶しています。自分にとってどうでもいい言葉は、全く覚えていません。覚えていられるのも数分程度、長くてもその日だけです。
例えば、「かわいい」「おりこうさん」「上手」「えらいね」などの誉め言葉はよく記憶しています。ポジティブな出来事によって与えられた言葉ですよね。
「やめなさい」「うるさい」「病院」「注射」などの自分にとって都合の悪い言葉もよく記憶しています。ネガティブな出来事によって与えられた言葉ですよね。
「ママ、お買い物に行ってくるね」と言われた時、ママというよく耳にする言葉は記憶していますが、犬にとってどうでもいいお買い物という言葉は全く記憶していません。
また、「行ってくるね」という言葉は、置いて行かれることやお留守番と結びつく言葉なのでよく覚えています。
そして、「爪切り」「ブラッシング」「シャンプー」「お風呂」など、都合の悪い言葉はしっかり記憶しているところが犬の賢いところですよね。
4.その人やその言葉が捕食に結び付くかどうか
犬は捕食に結び付くかどうかによって、人や言葉を記憶しているのではないかと思います。例えば、どのような仕草や態度や行動をすれば食べ物がもらえるのか、ということです。飼い主の言葉の通りの仕草をすれば、おやつを得ることができる、と記憶します。
お座りという言葉に対してお座りという仕草をすれば、食べ物をもらうことができますよね。言葉と仕草と食べ物を結びつけることで記憶しています。
例えば、どの人が食べ物をくれるのか、ということもあります。家族の中でも甘え方や態度を変えることがありますよね。ごはんよりもおやつをくれる人に対しては、デレデレに甘えますし、より忠実な態度を見せます。
捕食の対象が野生動物であった頃とは違い、現代の犬は（人から食べ物を得るにはどのようにすればよいのか）と考えていると思います。食べ物をくれる人や得るための言葉はすぐに記憶し、長く記憶することができるようです。
まとめ
犬はどうやって人や言葉を記憶しているのかを4つ解説しました。
- 聴覚に刺激を受けることで記憶することができる
- 嗅覚に刺激を受けることで記憶することができる
- ポジティブかネガティブか、どうでもいいか
- その人やその言葉が捕食に結び付くかどうか
人も犬も記憶するための脳の仕組みはほとんど変わらないとされています。
ただ、犬の場合はその記憶を保管するための機能が、人と比べてあまり進化していないようです。
