犬のウンチを放置するのはNG!
犬の散歩をする際はビニール袋やちり紙、水などを携帯し、犬が排泄をしたら後始末をするのがマナーです。散歩中にしたウンチは袋に入れて自宅に持ち帰り、オシッコは水で流します。持ち帰ったウンチは自治体のルールに従って処分します。
オシッコもそうですが、ウンチを放置するのは周囲への迷惑行為です。犬の排泄物の放置を条例で禁止している自治体もありますが、それでもウンチ放置はなかなか減らないというのが実情のようです。
犬のウンチ放置が減らない理由は?
犬のウンチは持ち帰るよう啓発する看板が設置されていたり、条例で禁止されていたりしても、なかなか減らない犬のウンチ放置。ウンチ放置が減らない理由をご紹介します。
1.「誰も見ていない」と思っている
人は「誰も見ていない」と思うと、無責任な行動を取ってしまいがちです。人通りの少ない早朝や夜中に犬の散歩をしてウンチをそのままにしていく人は、「誰も見ていない」と思ってそうしているのかもしれません。
裏通りなど人目につきにくい場所で特にウンチ放置が多いのも「誰も見ていないからいいや」と思っている人が少なくないからでしょう。人に見られているとウンチを持ち帰るけれど、周りを確認して誰も見ていないと思うと放置していく人もいるようです。
無責任な考えと行動をする一部の人のせいで、きちんとウンチを持ち帰っている人まで疑いの目で見られてしまうとしたら迷惑な話ですね。
2.昔の感覚のまま
今では、愛犬が散歩中にしたウンチは持ち帰るというのが当然のマナーになっていますが、昔はそうではありませんでした。
少なくとも私が子どもだった頃(30年程前)は、袋や水を持って犬の散歩をしている人は見かけなかったと記憶しています。ただ、スコップを持っている人はいました。当時は、犬が散歩中にしたウンチはそのままか、近くの土に埋めるのが普通だったのです。
もしかすると、その昔の感覚のままウンチを放置してしまう人もいるのではないでしょうか。
3.どのくらい迷惑か分かっていない
誰かが犬のウンチを放置することによって悪臭がしたり、ハエがたかったり、街の景観が損なわれたりします。
もし家の前にウンチが放置されていたら、その家の人が他人の犬のウンチを片付けることになるでしょう。公園でウンチ放置が常態化していれば、不衛生で安心して子どもを遊ばせることができません。
また、犬のウンチにはさまざまな細菌やウイルス、寄生虫などの病原体が含まれている可能性があります。放置されたウンチは雨風で周囲に広がり、病原体が土や水たまりにばらまかれることになります。
そして他の犬が病原体の潜んでいる土を舐めたり、水たまりの水を飲んだりすれば、病気に感染してしまうかもしれません。
このように犬のウンチ放置は、周囲にとって大変迷惑な行為です。それを理解していれば、犬のウンチを放置することはできないはずです。犬のウンチを放置する人は、それがどのくらい迷惑な行為なのか分かっていないのかもしれません。
4.「きれいに取れない」と諦めている
道端などで犬の緩いウンチが放置されているのを見かけたことはありませんか?私は愛犬の散歩中に「毎日家の前に下痢のウンチをされて…」と、困っている方に遭遇したことがあります。その方は優しい方で、毎日下痢をしているなんて病気なのではないかと、犬のことを心配していました。
緩いウンチを放置していく人は「どうせきれいに取れないから」と、諦めてそのままにしている可能性が考えられます。
確かに体調が悪かったり体質で犬のウンチが緩い場合、ちり紙などでつまみづらいので回収するのが難しいです。だからといって、そのままにしていっていいわけではありません。できる限りきれいに後始末をするべきでしょう。
その後始末の仕方には飼い主の工夫が必要になりますが、私の場合はどうしているかを紹介します。
わが家の愛犬は、服用しているお薬の影響で大抵ウンチが緩いです。そのため愛犬がウンチをする体勢になったら、半分にカットしたトイレシーツを敷いてウンチをキャッチするようにしています。
もし敷くのが間に合わなかった場合は、ちり紙やトイレシーツで取れるだけウンチを取り、地面に残った分は水をかけてトイレシーツで吸い取ります。水をかけてトレイシーツで吸い取るのを何回か繰り返すと、完璧とはいきませんが、かなりきれいにすることができます。
ウンチが放置されているのを見つけたら?
他の犬のウンチが放置されているのを見つけた時は、自分の犬がしたウンチではないので、見つけた人に責任はありません。しかしウンチ放置を減らすためにできることをしたい場合は、どのような対応をしたらいいのでしょうか?
1.拾って帰る
放置されたウンチを見つけた時の対応としてまず思いつくのは、拾って帰るという方法です。愛犬の散歩の際に、多めにビニール袋とちり紙を持って行くといいでしょう。
実際に放置されたウンチを拾っている方を見かけたことがあります。犬を連れた年配の男性でした。「誰かの落とし物だ〜」と言いながら笑顔で拾っていましたが、他人の犬のウンチを拾って帰るというのは誰にでもできることではないでしょう。素晴らしい行動です。
ただ、ウンチを片付けることで、ウンチを放置した人が「誰かが片付けてくれる」と考え、放置を続けてしまう懸念があります。
2.『イエローチョーク作戦』を実行する
放置されたウンチを見つけた時に『イエローチョーク作戦』を行うのも対応法のひとつです。
イエローチョーク作戦とは、路上などに放置されたウンチの周りを黄色いチョークを使って丸で囲み、ウンチを放置した人に自発的な回収を促す取り組みです。黄色いチョークを配布している自治体もあります。
イエローチョーク作戦のやり方は次のようになります。
- 1.路上などに放置されたウンチの周りにチョークで丸をつける
- 2.丸の横に発見した日時を書く
- 3.ウンチは片付けずに日や時間を変えて確認して、ウンチが残っていたら確認した日時を書き、ウンチがなかったら確認した日時と『なし』と書く
ウンチがなくなるまで確認をし、日時を書くことを繰り返します。ウンチを片付けないのはマナー違反であることを、放置した人に強調して伝えるためです。
イエローチョーク作戦を行う場合は、私有地や私道には書かないことと、交通事故に十分注意してください。
まとめ
犬の散歩のマナーが悪い人がいると、全ての犬の飼い主や犬に対するイメージの悪化に繋がる可能性があります。嫌悪感を抱いてしまう人もいるかもしれません。そんなことにならないようにするためにも、飼い主ひとりひとりがきちんと散歩のマナーを守ることが大切です。愛犬のウンチは放置せずに、きちんと持ち帰りましょう。
もし放置されたウンチを見つけた時は無理をする必要はありませんが、紹介した対応法を参考に、できることをやってみてはいかがでしょうか。