老犬がお漏らしをしてしまう原因
老犬がお漏らしをしてしまった時の対応として最も適切なのは「叱らないこと」です。叱ったところでお漏らしがなくなるわけではありません。
きっと、失敗してしまったことを犬自身も申し訳なく思っていますし、ショックを受けているかもしれません。なぜ上手くできないのか自分でも理解することができず、苦しんでいるのではないでしょうか。
飼い主としてできることは「お漏らしをお漏らしでないようにする工夫をしてあげること」だと思います。老犬がお漏らしをしてしまう原因と対処法をまとめました。
子宮蓄膿症
老犬がお漏らしをしてしまう原因として、「子宮蓄膿症」を疑うことがあります。避妊手術を行っていないメスで、10歳以上になると発症しやすいですが、年齢に関係なく発症する病気です。
子宮蓄膿症を発症すると、水を大量に飲むようになります。その分、おしっこの回数も増えますし、一番のお漏らしの原因です。
外にお散歩に行かなければ排泄することができない、ペットシーツが汚れていると排泄しないなどありませんか?おしっこを我慢することができず、お漏らししてしまうことが頻繁に起こるようになります。
対処法としては、普段の水を飲む量をよく観察しておくことです。増えたなと感じたら何等かの体調不良や病気のサインです。
そして、避妊手術を受けていないメスの老犬は定期的な健康診断によって健康状態を把握しておかなければなりません。どのような病気を発症する可能性があるのか、症状の特徴など調べておきましょう。
生理から1~2か月後で、水を大量に飲むようになること、おしっこの回数が増えること、我慢できずにお漏らししてしまうことは、子宮蓄膿症の初期症状です。
尿意を感じてからトイレに行くまでに時間がかかってしまう
老犬がお漏らしをしてしまう原因として、足腰の筋肉が衰えて弱くなり、「尿意を感じてからトイレに行くまでに時間がかかってしまう」ということが考えられます。
犬には人のように(○○の前にトイレを済ませておこうかな)という感情はありません。尿意を感じてからトイレに行きます。
足腰の筋肉が衰えて弱くなった老犬の場合、起き上がるにも立ち上がるにも時間がかかってしまいます。歩き出すのさえゆっくりですよね。そうすると、尿意を感じてからトイレに行くまでの間にお漏らしをしてしまう可能性が高くなってしまうのです。
対処法としては、ケージやクレート、寝床や愛犬のくつろぎ場所などからトイレまでの距離を短くしておくことです。トイレに行くまでの動線に、障害物がないようにしておくことも大切です。
トイレの場所が分からない
老犬がお漏らしをしてしまう原因として、「トイレの場所が分からない」ということも考えられます。
視力が衰えてしまい、トイレを見つけることができないのです。嗅覚が衰えてしまい、においを辿っても他のにおいに邪魔され、トイレまで辿り着くことができないのです。
トイレを探してウロウロと歩き回るうちに我慢の限界がきてしまいます。目の前にトイレがあることにも気づくことができず、トイレから随分と離れたところまで歩いてしまい、そこでおしっこが出てしまいます。
トイレを近くに置くという方法ではもう対処することができません。広めのケージやサークルを用意し、ペットシーツを敷き詰めておき、どこでも自由に排泄できるようにしておくとよいのではないでしょうか。
少量なのであればマナーベルトやマナーパンツでも対処できると思います。大量なのであれば、そろそろおむつも検討しなければならないタイミングだと思います。
まとめ
老犬がお漏らしをしてしまう原因を3つ解説しました。
- 子宮蓄膿症
- 尿意を感じてからトイレに行くまでに時間がかかってしまう
- トイレの場所が分からない
お漏らしが何等かの病気の初期症状である場合、病気とお漏らしのどちらも緩和または完治できる可能性があります。
老犬だから仕方がないと思わず、獣医師の診察を受けてください。