犬にトウモロコシは与えて大丈夫?
基本的には犬にトウモロコシを与えて大丈夫です。トウモロコシに含まれる不溶性食物繊維には次のような働きがあります。
- 排便を促す
- 便秘を解消する
- 有害物質を吸着して体外に排出する
- 腸内の善玉菌のエサになる
- 腸内環境を整える
トウモロコシを食べることで腸の蠕動運動が活性化され、いつもよりスムーズに排便することができます。
不溶性食物繊維は、「ちょっと便秘気味かも」「いつも力んでしまう」「うんちが硬め」などの犬におすすめの栄養素です。
アレルギーには要注意!
すでに何らかの食物アレルギーがある犬の場合、トウモロコシによるアレルギーも引き起こす可能性があります。
トウモロコシを食べさせた後、次のような症状を引き起こした場合、アレルギーである可能性があります。
- 嘔吐
- 下痢
- 痒み(赤みが出る)
- 目の充血
トウモロコシへのアレルギーの有無は血液を採取してアレルギー検査をおこなうことでわかります。アレルギー検査には2種類あり、IgE検査ではⅠ型アレルギー(即時型アレルギー)、リンパ球反応試験ではⅣ型アレルギー(遅延型アレルギー)がわかります。一派的に食事が原因になる痒みの場合はⅣ型アレルギーです。
「芯」は絶対に食べさせてはいけない!
トウモロコシを丸ごと与えてしまうと、犬は芯まで食べようとします。あまり噛まずに飲み込んでしまうため、喉に詰まらせてしまったり、腸閉塞を引き起こしてしまったりなどの危険があります。よく噛んで食べた場合でも、犬の消化器官ではトウモロコシの芯を正常に消化することができません。
次のような症状を引き起こすリスクがあります。
- 嘔吐を繰り返す
- 下痢を繰り返す
- 食欲がなくなる
- 元気がなくなる
- 脱水症状
- 運動機能の低下
嘔吐や下痢を繰り返す場合にはすぐに動物病院へ行ってください。症状が悪化した場合、昏睡状態に陥る危険性もあります。
また、喉や腸に詰まらせてしまった場合には全身麻酔での手術を必要とすることがあります。犬にトウモロコシの芯は絶対に与えてはなりません。
トウモロコシの食べさせ方
トウモロコシを茹でた後、芯から粒を取ります。一粒ずつ取るのは手間がかかりますので、トウモロコシを縦にし、包丁をスッと下に向かって粒を切り落とすとよいと思います。粒を一列ずつ取ることができるアイテムも販売されています。
ペースト状にする
トウモロコシは犬の消化器官では正常に消化することができません。少しでも消化をよくするためにミキサーでペースト状にするとよいと思います。トウモロコシと少量の水を食わせてペースト状にします。
水ではなく、犬用のミルクを使ってもよいです。愛犬の好みに合わせて作ってあげてください。水でもトウモロコシの甘味が十分にあるので美味しく食べてくれると思います。
ドッグフードにトッピングする
いつも食べているドッグフードにトウモロコシの粒をパラパラっとふりかけるようにトッピングしてあげるのも喜ぶと思います。
「旬の食材だから食べさせてあげたいけどたくさん与えるのはちょっと心配」という時におすすめです。鮮やかな黄色のトウモロコシですから、10粒くらいトッピングされているだけでも特別なごはんになりますよね。
犬もしっかり甘味を感じることができるため、少量でも満足してくれると思います。
まとめ
犬にトウモロコシは与えて大丈夫!ですが、少量を与えるようにしましょう。
一般的なトウモロコシの大きさは横5㎝×縦20㎝くらいです。この大きさのトウモロコシ1本分の可食部分(粒)のカロリーは143kcalくらいで、重さは155gくらいあります。
- 小型犬 30g程度
- 中型犬 60g程度
- 大型犬 150g程度
これくらの量ならOKという目安量です。トウモロコシの栄養素のほとんどは炭水化物です。犬がトウモロコシを食べると糖質やカロリーの摂りすぎになりやすいです。
犬はドッグフードから1日に必要な栄養素やカロリーのほとんどを摂っています。上記の目安量に関係なく、トウモロコシは少量を与えるようにし、間食として与える場合にはドッグフードを減らすなど調整しながら与えてください。