犬は暗い場所でも問題なく行動できる
部屋を明るくするか暗くするかを考える前に、まず知っておいて欲しいのが犬の目の構造です。
犬の目には、「タペタム」と呼ばれる反射板のような働きをする層があります。タペタムがあることで、目に入る光がごくわずかであっても増幅させられるため、暗い場所でも目で物を捉えることができるのです。
そのため、「部屋を暗くすると犬がぶつかって危ないかな?」「暗いと水やトイレの場所がわからないかな?」といった心配は必要ありません。一般的な住宅の部屋であれば、電気を消したりカーテンを閉めたりしても、多少の光が入るため、犬の目であれば問題なく行動することができます。
夜飼い主さんが寝るときや留守番中など、暗くすると犬が困るのではないかと心配な場面があっても、その点に関してはあまり気にしなくていいと考えておきましょう。
部屋で過ごすときは生活に合わせた明るさでOK
飼い主さんと犬が同じ部屋の中にいる場合、活動時間帯であれば、明るくして置いても暗くしておいても、「どちらでも問題ない」ということになります。そのため、飼い主さんが家事や食事、読書などをするうえで困らない明るさに調整しておいていいでしょう。
ただし、犬は薄暗く狭い巣穴で生活をしていた動物としての本能を持つため、そのような場所を好む傾向があります。だだっ広く明るい場所よりも、部屋の隅に置かれた自分用のベッドやハウスなどの方が精神的に落ち着くと考えられています。
そのため、部屋全体は明るくしてあっても、犬が入って休めるような屋根付きのケージや、ドーム型のベッドなどを用意しておき、自由に出入りできるようにしてあげるとより良い環境になると思います。
部屋を暗くすると熟睡しやすい
日中活動をしているときは、部屋が明るくても暗くても犬にとって大きな影響はないでしょう。しかし、夜寝る時間には部屋を暗くしてあげると、落ち着いて眠りやすいと思います。
元々犬は、夜行性の動物としての本能や習性を持っていましたが、人間と共に生活をしていくことで昼間に活動して、夜になったらまとめて眠るという生活リズムで暮らすように変わってきています。
そうした生活リズムを整えるためにも、昼と夜に分けて部屋の明るさを調整することはとても大切です。また、暗くすることで犬もぐっすりと眠りやすいので、特に多くの睡眠を必要とする子犬や老犬などの場合は、配慮してあげましょう。
留守番中は日頃と同じ状況を作る
留守番中に部屋の電気をつけて明るくしておくか、暗いままにしておくか迷うこともあるでしょう。特に、自宅を出るときは明るいものの、帰宅時間は暗くなる可能性がある場合、電気をつけていくべきか悩む飼い主さんは多くいます。
部屋が暗くなったとしても、前述の通り犬が行動するうえで大きな支障は出ません。そのため、電気はつけて行かず、日中明るく夜になったら暗くなるという状況になってもいいと思います。
ただし、犬が留守番に慣れていない場合や安心して留守番時間を過ごして欲しい場合は、飼い主さんがいるときと同じ状況を作ることを意識しましょう。飼い主さんが家にいるとき、夕方になると電気をつけるというのであれば、それと同じ環境が作れるように出かけるときに電気をつけておいたり、タイマーなどを利用したりすることをおすすめします。
まとめ
犬が安心して安全に暮らせるように、部屋の明るさについて気になることもあると思います。しかし、犬の目にはタペタムがありわずかな光があればそれを増幅させて物を捉えることができるため、暗いなかでも基本的には問題なく行動できます。
そのため、見えるかどうかはあまり気にせず、生活リズムを整えることを意識して、飼い主さんの生活に合わせて日中は明るく、夜寝るときには暗くするといいでしょう。ただし、日中であっても、犬が落ち着いて休める場所を用意してあげることも必要です。