1.退屈しのぎ、暇つぶし
犬が家の中でのんびりと過ごしているときなど、何となく退屈に感じているときや暇だと感じているときに肉球を舐めることがあります。
犬が退屈なときは、おもちゃを噛んだりウロウロとにおいを嗅ぎまわったり様々な行動をしますが、そのひとつとして自分の体の毛づくろいをしたり、肉球を舐めたりするのです。こうした理由で舐めている場合は、それほど長い時間行っているわけでもなく、その行為に執着しているわけでもないので、特に止めさせたりする必要はないでしょう。
ただし、舐める行動が多くなってしまい、肉球が荒れたり炎症を起こしたりしているようであれば、新しいおもちゃを用意したり散歩時間を長くしたりと退屈を感じる時間自体を減らしてあげるようにしましょう。
2.不安やストレスを感じている
暇つぶしで舐めていることとやや似ていますが、犬が不安やストレスを感じているときに、心を落ち着かせるために肉球を舐めることがあります。
犬は不安を感じているときやストレスが溜まっているとき、自分の足先を舐め続けたり、尻尾をかじったりすることがあります。無心になってこの行動をくり返すことで、不安を忘れようとしたりストレスを解消しようとしたりしていると考えられています。
この心理で肉球を舐めている場合は、無理に止めようとして叱るとさらにストレスを与えてしまいますし、犬自身も無意識でやっている場合がほとんどなので簡単にはやめられないでしょう。犬が不安やストレスを感じている原因そのものを解決することで、肉球を舐める行動も自然と減っていきます。
3.足裏に痛みや違和感がある
普段あまり肉球を舐める行動をしない犬が、肉球を執拗に舐めたり軽く噛んだりしているときは、足裏に痛みや違和感を感じている可能性があります。
散歩に出たときに尖ったものを踏んで怪我をしてしまったり、暑い季節にアスファルトの熱でやけどをしてしまったり、指の間に小石などが挟まっていたりと、様々な要因で足の裏の状態が気になっている場合があるのです。
散歩後に足裏を拭くときに、トラブルが起きていないか確認する習慣をつけるといいでしょう。その上で肉球を頻繁に舐めているようであれば、肉球や指の間、爪など足の裏を念入りにチェックして、異常がないか確認してあげてください。
4.飼い主さんにかまってもらいたい
飼い主さんのことが大好きな犬は、私たちが思いもしないような行動で気を引こうとします。自分が何をすれば飼い主さんの注目を集められるか、飼い主さんにかまってもらえるかということを犬たちは考えています。そして、そのひとつとして肉球を舐めるという行動を取ることがあるのです。
犬が普段はあまりしない行動をしていたり、体を気にしている様子を見せたりすると、飼い主さんは「どうしたんだろう?」と心配になると思います。そのため、肉球を長く舐めていると「どうしたの?」と声をかけたり、足裏をチェックしたり、やめさせるために遊びに誘ったりすることもあるでしょう。
飼い主さんのこうした行動を期待して肉球を舐めている場合もあるので、足裏に異常がない場合は必要以上にかまわないようにして放っておくようにしましょう。
まとめ
犬が肉球を舐めるのは、単純に暇つぶしの場合もあれば、不安やストレスといった精神的な要因が関係していたり、身体的なトラブルによるものだったりと様々なパターンが考えられます。
基本的には特にやめさせる必要のない行動ですが、舐めすぎて炎症を起こしてしまう場合もあるので注意が必要です。
肉球を舐めているときの様子をしっかりと観察しながら、その要因ごとに適した解決策で対処するように意識してください。