犬は言葉を理解しているの?
犬は人間の言葉をある程度理解できると言われています。それを裏付けるような研究結果もいくつかあり、カナダのダルハウジー大学の研究チームが2021年に報告した研究結果もそのひとつです。
研究チームは、さまざまな犬種165頭の犬とその飼い主を対象に調査を行い『犬は平均して89個の単語やフレーズを理解している』と報告しています。さまざまな単語やフレーズを飼い主が言い、犬が具体的かつ一貫した行動によって反応した単語やフレーズを研究チームが特定しました。
90%以上の犬が反応した10個の単語やフレーズは『sit(オスワリ)』『come(オイデ)』『good boy/girl(いい子)』『ok』『no』など。また『treat(ご褒美)』『dinner(夕ご飯)』『ball(ボール)』『squirrel(リス)』などの単語への反応率も高かったといいます。最多の犬で215個、最少の犬でも15個の単語やフレーズに反応したそうです。
このような研究報告を見聞きしたときに、驚くというよりも納得する飼い主さんのほうが多いのではないかと思います。なぜかと言うと、多くの飼い主さんたちが愛犬との生活の中で「犬は言葉を理解している」と実感していると思われるからです。
犬はトレーニングによって『オテ』『オスワリ』『マテ』と言った指示に従えるようになります。また飼い主さんが日常的に使う言葉を覚えて反応するようになるのも珍しくはありません。あなたの愛犬も『ごはん』『おやつ』『散歩』といった言葉を聞くと、生き生きとした表情になったり、はしゃいだりするのではないでしょうか。
このように犬が大好きな言葉がある一方で、大嫌いな言葉もあるようです。その言葉を聞くと怯えたり、落ち着きがなくなったり、しょんぼりしたりしてしまいます。さて、それはどのような言葉なのでしょうか?今回は『犬が大嫌いな言葉』をご紹介します。
『犬が大嫌いな言葉』は?
1.『バイバイ』『お留守番』『行ってくるね』
犬は元来群れで暮らす動物であるため孤独が苦手です。ひとりぼっちになるお留守番を喜ぶ犬はあまりいないでしょう。
飼い主さんもひとりでお留守番をする愛犬が心配だったり、かわいそうに思えたりすると思います。そして出かける際には、愛犬を撫でたりしながら「〇〇ちゃん/くん、バイバイね」「いい子でお留守番していてね」「行ってくるね」などと声をかけて家を出るのではないでしょうか。
出かける前のあいさつを繰り返しているうちに『バイバイ』『お留守番』『行ってくるね』という言葉が犬には寂しい時間の始まりを意味するようになります。その結果、これらの言葉を嫌うようになることがあります。
出かけないのにふざけて「バイバイね〜」などと言うと、ソワソワと落ち着きがなくなったり、しょんぼりしたりする犬は少なくありません。
2.『シャンプー』『お風呂』
愛犬の被毛と皮膚の健康のために、定期的なシャンプーは欠かせません。ところが、シャンプーが嫌いな犬は少なくないです。その理由は、体が濡れるのが苦手、浴室が苦手、シャワーの音が怖いなどいろいろ。
そしてシャンプーの行為だけでなく『シャンプー』や『お風呂』という言葉まで嫌がるようになることも多いようです。きっと、自宅でシャンプーをする前に飼い主さんが「シャンプーするよ」「お風呂入ろうか」などと声をかけることが多いからでしょう。
あなたの愛犬は『シャンプー』や『お風呂』という言葉を聞いた途端に逃げ出したり、聞こえないふりをしたりしませんか?
3.『病院』『お医者さん』
『病院』や『お医者さん』も嫌われワードです。この言葉を聞いただけで震えてしまう犬もいるほどです。
動物病院や獣医師は予防注射をしてくれたり、病気やケガを治してくれたりするありがたい場所や人です。しかし残念ながら、大半の犬が動物病院や獣医師に対して『痛いことをされる場所』『嫌なことをする人』という印象を持ってしまいます。そして飼い主さんとのコミュニケーションの中でいつの間にか『病院』や『お医者さん』という言葉を覚え、その言葉を嫌うように…。
『病院』や『お医者さん』というワードを聞くと愛犬が逃げ回ってしまうため、動物病院へ行く前は絶対禁句にしている飼い主さんは多いのではないでしょうか。
まとめ
今回は『犬が大嫌いな言葉』を3つご紹介しました。愛犬が嫌っている言葉はありましたか?もちろん、全ての犬がご紹介した言葉を嫌うわけではありません。ご紹介した言葉は全然平気でも、別の言葉が大嫌いということもあるでしょう。
どの言葉であれ、愛犬に大嫌いな言葉があるのなら、その言葉を全く発しないというのは難しくても、せめてなるべく発しないように気をつけてあげたいですね。愛犬の反応を面白がって、嫌いな言葉をわざと言ったりするのはやめましょう。