犬がため息をつく心理5つ
愛犬が不意に「ふ〜」や「フン!」といったため息をつくと、「何か不満でもあるの?それとも何かあるの?」とどういった理由があるのか気になるものですよね。
とはいえ、犬のため息は人間が口から吐く「はぁ〜」という口呼吸のため息とは違い、犬は鼻呼吸によるものです。鼻から吐く犬のため息には、さまざまな心理状態や体調が反映されていると考えられています。
そんな犬の気持ちを知るために、犬がため息をつく5つの心理についてご紹介していきます。
心理1.リラックスしている
「犬が寝る前になるとため息をつく」「抱っこするとため息をつく」と気になっている飼い主さんも多いようです。それは犬が不満を抱えているのではなく、むしろリラックスをしているのではないでしょうか。
犬としては、「ああ、気持ちいい」という意味をこめて「ふ〜」と深いため息をついているのでしょう。深呼吸をしてリラックス状態になると、長いため息が聞こえやすいです。これから眠りにつく前のルーティンなのかもしれませんね。
監修ドッグトレーナーによる補足
深い呼吸は、副交感神経を活発にさせて体をリラックスへ導く効果があると判明しています。
心理2.ストレスや不満がある
犬が不満げな表情で「ふ〜」や「フン!」とため息をついた時は、ストレスでイライラしているのかもしれません。
「お散歩に行きたい」「遊んでほしい」「何か食べたい」などの不満がある時、犬は自分を落ち着かせるためにため息をつくことがあります。
ため息以外のボディランゲージもチェックしてみてください。体を足を舐め回したり、尻尾を噛んだり、あくびをしたり、急に走り回るなどの行動がある場合は、欲求不満である可能性が高いです。
心理3.疲れている
犬も人間のように疲れを感じて「ふ〜」とため息をつくこともあります。もし散歩中に「ふ〜」というため息が聞こえたら犬のようすを確認して、休憩を取るなど対処をしてあげましょう。
「シニア期になってからため息が聞こえるようになった」と感じることも多いです。呼吸が乱れるのは、体力を消耗しやすくなったサインでもあります。もし、呼吸が気になるようであれば、1度獣医師に相談してください。
心理4.満足している
「いいお散歩ができた」「飼い主さんにほめられた!」といった体験ができたことに満足して、鼻を鳴らすこともあります。犬の息づかいだけで満足度は図れませんが、犬がゆったりとした穏やかな表情であれば幸せで満足しているのでしょう。
愛犬が満足できる生活を提供できることは、飼い主冥利につきますね。犬のため息は不満そうに見えてしまうので誤解しやすいですが、ため息が聞こえたら表情や犬の全体の様子から心理を察してみてください。
心理5.においを嗅ぎたいから
ため息とは意味合いが異なりますが、犬が匂いを察知した時に「ふ〜」と長い鼻呼吸をすることがあります。これは鼻の通りをよくさせて、遠くから感じるにおいの正体を突き止めようとしている行動です。
嗅ぎ分けようとしている時の犬は鼻をヒクヒク動かしているので、ため息と違うことがわかります。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬がにおいを嗅ぐ時には、多くの空気を吸い込みます。
空気を溜め込んだ分、多くの空気を吐き出す行動がため息の様に見えるのでしょう。
犬のため息で注意すべきこと
愛犬がため息をつくときの心理を5つ説明しましたが、どれにも当てはまらない場合は注意が必要です。ため息の回数が多かったり、咳が混じるような異常なため息は何らかの病気のサインです。
ため息の回数が多い場合は、鼻腔が狭くなり呼吸が困難で鼻水が出ていれば「鼻腔狭窄」という病気の疑いがあります。
また小型犬であれば「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓系の病気の疑いもあります。この病気にかかると呼吸が不規則になり、呼吸を安定させるためにため息をつく回数が増えます。
異常なため息の場合は「気管虚脱」という病気の疑いがあります。呼吸すると気管が押しつぶされ変形することで、呼吸がしにくくなる病気です。乾いた音の咳が出たり、呼吸がゼーゼーとするといったわかりやすい症状が表れます。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬の咳は、重症な病気のサインのひとつだったりもします。
咳が長時間続くようであれば、早めに動物病院で診察してもらいましょう。
まとめ
犬のため息は必ずしも「不満を感じている」という訳でなく、満足していたりリラックスしていたりいい意味である場合も多いです。どこか人間っぽい仕草に可笑しくなってしまうこともあるでしょう。
「ふ〜」という犬の鼻息が聞こえてきたら、犬全体のボディランゲージから体調や心理状態を把握することが大切です。
特にため息の回数が増えたり、ため息をつくと乾いた咳が混じっていたり、ゼーゼーという異常音がする場合は要注意です。
ため息をつく回数が多いだけで動物病院に連れていくのをためらう飼い主さんもいると思いますが、病気にかかっていると時間とともに病状が進行していきます。
ため息の回数・異常音を感じ紹介した症状に似ていたら、すぐにかかりつけの動物病院で診察してもらってください。