健康寿命とは?
現在の犬の平均寿命は14歳です。およそ40年前と比べると2倍も長生きになり、犬も健康寿命をいかに延ばすかが重視されるようになってきました。
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されずに生活できる期間のことであり、0歳時点の平均余命を指す平均寿命とは異なります。愛犬の健康寿命を延ばし、楽しくアクティブに過ごせる時間を増やしてあげたいものです。
そのためには、愛犬の健康寿命を縮めるような行為は避けなくてはいけません。そこで今回は、犬の健康寿命を縮めてしまう『NG行為』をご紹介します。
犬の健康寿命を縮めてしまう『NG行為』は?
1.歯磨きをしない
犬の口腔内は弱アルカリ性なので虫歯にはなりにくいですが、歯周病になりやすいです。3歳以上の犬のおよそ8割が歯周病か、その予備軍と言われています。
歯周病の影響は口内だけにとどまらず、全身に及びます。歯周病菌が血管内に入り込むと全身に運ばれて、肝臓病や心臓病などさまざまな病気を引き起こす恐れがあるのです。
歯周病の原因は歯垢です。飼い主さんが歯磨きをしてあげないと愛犬は歯周病になってしまいます。愛犬に歯磨きするのを面倒に感じる飼い主さんもいるかもしれませんが、歯磨きをしないのは犬の健康寿命を縮めてしまうNG行為です。
犬の歯磨きは毎日行うのが理想で、最低でも3日に1回は行うようにしましょう。
2.肥満にする
肥満が万病の元であるのは、犬も人も同じです。肥満は糖尿病、心臓病、膵炎、関節炎、椎間板ヘルニア、膝蓋骨脱臼などを引き起こす要因となり、健康寿命の短縮にも繋がります。
肥満の犬はそうでない犬よりも寿命が短いという研究結果もあり、肥満は健康寿命だけでなく寿命も縮めてしまいます。
犬の肥満の原因の多くは、食事やおやつの食べすぎです。飼い主さんが食事やおやつを与えすぎて、愛犬を太らせてしまうのです。適切な食事管理と運動管理で愛犬の肥満を予防して、健康寿命を延ばしましょう。
3.健康診断を受けない
病気を早期に発見し治療することは、健康寿命の延伸に繋がります。異変に気づいたらすぐに動物病院を受診することも大事ですが、初期の段階では症状が出ない病気もあります。
例えば腎臓や肝臓は『沈黙の臓器』と呼ばれ、初期のうちは症状があまり表れず、症状が表れ始めたときには病気が進行しているケースが少なくありません。このようなケースがあるからこそ、定期的に健康診断を受けることが大変重要になります。
「元気そうだから」「若いから」と健康診断を受けないでいると、進行するまで病気に気づかず、健康寿命を縮めることになりかねません。そうならないように、定期的に健康診断を受けましょう。愛犬が6歳頃までは1年に1回、シニア期に入る7歳頃からは半年に1回は健康診断を受けるのが理想です。
4.散歩をしない
毎日の散歩は、犬の心身の健康のために欠かせません。散歩に行かないでいると犬は肥満になったり、足腰の衰えが早まったり、ストレスがたまったりします。
また、散歩へ行かないと脳の刺激不足で認知症のリスクが高まるとも言われています。散歩不足が心身の健康に影響を及ぼし、健康寿命を縮めてしまうかもしれないのです。
体調が悪いときや悪天候のとき以外は、できるだけ毎日散歩へ連れて行きましょう。適度な散歩量は犬それぞれ異なるので、愛犬の性格や年齢、体力などを考慮してコースや距離を調整してあげることが大切です。
5.栄養バランスの悪い食事を与える
犬の体を作っているのは毎日の食事です。栄養バランスのよい食事を摂取していれば、免疫力がアップして病気になりにくい体になり、健康寿命の延伸に繋がります。反対に栄養バランスの悪い食事を摂取していると、免疫力が低下して病気になりやすい体になり、健康寿命を縮めてしまうかもしれません。
ドッグフード(総合栄養食)は、犬に必要な栄養をバランスよく摂取することができますが、ライフステージによって必要な栄養バランスは異なります。そのためライフステージに合ったものでないと、栄養バランスの悪い食事になってしまうので注意が必要です。
愛犬にはライフステージに合ったドッグフードを適量与えるようにしましょう。肥満や持病などで獣医師から療法食の指示が出ている場合は、それに従ってください。なお、人用に調理された食事は犬にとって塩分や糖分、脂肪分が高すぎるため、与えてはいけません。
6.ストレスを与える
ストレスは免疫力を低下させたり自律神経を乱したりして、さまざまな病気のリスクを高めます。そしてその病気が原因で、健康寿命が縮まってしまうことも考えられます。
犬は暇つぶしで足先を舐めたり、尻尾を追ったりすることがありますが、こうした行動はストレスの表れである場合もあるので要注意です。これまでなかった無駄吠えや粗相をするようになるのもストレスが原因かもしれません。ストレスが下痢や嘔吐、食欲不振といった体の不調として現れることもあります。
飼い主さんはこのような愛犬のストレスサインを見逃さず、早めに対処するようにしましょう。普段からなるべく愛犬にストレスを与えないように環境を整えたり、接し方に気をつけたりすることも大事です。
犬は
- スキンシップ不足
- 環境の変化
- 不快な生活環境
- 体罰
- 運動の過不足
などにストレスを感じやすいので注意しましょう。
まとめ
愛犬が寝たきりになったり、介護が必要になったりする期間は短いほうが、愛犬にとっても飼い主さんにとっても幸せでしょう。寝たきりや要介護の期間を短くするためには、健康寿命を延ばすことが重要です。
ご紹介したNG行為は愛犬の健康寿命を縮めてしまう可能性があるので、なるべくというか、ぜひ控えましょう。