執着心とは
「執着心」とは、一つのものごとにとらわれて、そこから関心や感情が動かないことを指します。良い方にとらえれば『物事にこだわりがある』と言えますが、悪い方にとらえればお金や一つの考えなどにとらわれてしまい、なかなか融通が利かないとも言えます。
執着心が強い人、というと「しつこい」「自己中心的」「気が強い」「頑固」などというネガティブなイメージもつきますね。
犬も人と同様に、様々な性格の犬がいます。「のほほんとしている」「穏やか」「人懐こい」「警戒心が強い」「すぐ興奮する」など本当に様々ですが、これらは生まれ持った性格にその後の生活で身に付いた考え方や習慣が合わさったものです。
そして犬にも「執着心が強い」という性格を持った犬が存在します。今回は、その特徴について解説していきます。
執着心が強い犬の特徴
愛犬の性格は飼い主の皆さんが良くご存じかと思いますが、なんとなく「この子頑固だな」「しつこいな」と思うことはありませんか?
執着心自体はどんな犬たちにもある心理ですし、特別悪いことではないのですが、執着心が強すぎると飼い主やよその犬とトラブルになる可能性があります。そのため、そのような兆候はなるべく見逃がしたくありませんよね。
では「執着心が強い犬」とはどんな特徴があるのでしょうか。
1.「自分のもの」を片時も離さない
愛犬の執着心をはかるには、彼らが大好きなおもちゃやタオル、クッションなどを使ってみる方法があります。彼らはお気に入りのものを手放したがりません。特に現在進行形で遊んでいるおもちゃに手を伸ばした時、「ウウッ」と低くうなったり、絶対に渡さないというそぶりを見せたりする場合は注意が必要です。
通常であれば飼い主がおもちゃなどに手を伸ばしても、一緒に遊ぼうとするか「もう終わり」を理解してすんなり離してくれるものです。しかし執着心が強い犬の場合、所有物を自分から離されることをとても嫌います。
このような素振りが見えた場合は「執着心が強い」と言えるでしょう。
この時、「まだ遊びたいのね」と手を引っ込めてしまうと、彼らにとって所有物を守ったという成功体験となってしまいます。これがエスカレートすると、遊んでいる時に少しでも近づくと威嚇してきたり飼い主の手を噛んだりといったトラブルにもつながります。
2.食べる速度が速い
ごはんを食べる速度にも性格が出ますね。ゆっくりのんびりと食事を楽しむ子もいれば、ばくばくばくっと一気に食べきってもっとちょうだいとおねだりする子もいます。
その中でも「早食い」は要注意です。
与えられたご飯に向かって一心不乱に食いつき噛まずに丸飲みをしてあっという間に食べきってしまうタイプや、人がおやつを上げようとするとマテもきけずに歯を当てる勢いで食いついてくるような子の場合、食べ物に対する「執着心が強い犬」と言えます。
食べ物に対する執着はどの犬にもあることですが、食べるときにあまりに興奮していたり、食べ終わったお皿を下げるときにまで威嚇してきたりするのでは困りますし胃捻転など消化器系のトラブルにもつながりかねません。
ごはんに対する執着が強い子の場合は、食事時は必ずひとりでゆったり食べられるようにそっとしておきましょう。「取られる」という危機感を薄れさせ、安心して食べられることを理解してもらうと良いでしょう。
まとめ
どんな生き物でも、多かれ少なかれ執着心を持っているといえます。
とくに犬のように知能が高い生き物であるほど、特定の物事に関心を持ってとらわれてしまいやすいのかもしれません。そのため、執着心が強い犬の場合、裏を返せばとても賢いと言えるのではないでしょうか。
毎日(おもちゃや食べ物を取られてしまうかもしれない)と危機感を持たなくてはならない生活は、犬にとって大変なストレスです。多少の執着は個性と考えるべきですが、それが愛犬にとってあまりにもストレスになっていそうな場合には、それ以上執着心が強くなりすぎないように然るべきしつけやトレーニングをすることをおすすめします。