リードの正しい持ち方と危険な持ち方
基本的に、犬のリードは両手で持つようにしましょう。利き手または犬を歩かせるのと反対側の手で、リードの輪っか部分をしっかりと握り込みます。グルグルと何重にも巻く必要はありませんが、引っ張り癖があるなど不安な場合は1周手に巻きつけましょう。
その後、リードの半分程度の部分をもう一方の手で握ります。人の腰~太ももあたりの高さで持つようにし、犬の首が引っ張られないように軽くたるんでいる程度の長さに調整してください。リードを掴むときは、犬がいる方向に小指が向く(手の甲が上になるように)します。手のひらが上を向いている状態だと、犬に引っ張られたときにしっかりと力を入れて引き返すことができないからです。
犬に引っ張られないようにと、リードを持ったあと、手首に何重にも巻き付ける人もいますが、これは危険なのでNGです。特に力が強い犬の場合は、引っ張られた拍子に飼い主さんが転倒してしまって引きずられたり、手首をねんざしてしまったりすることがあるのです。
道路を歩く時は安全のためにリードを短く持つ
正しいリードの持ち方ができたら、散歩をスタートしましょう!
住んでいる場所の地域性にもよると思いますが、犬の散歩では人や車が通る道路を歩くこともあるでしょう。そのような場所を歩くときは、安全確保のためにリードを短めに持つことを意識しましょう。
正しい持ち方を基本として、リードの中程を持っている手の位置を動かして、リードがピンと張らない程度(犬が1歩~2歩飼い主さんより前に出れる程度)の長さに調整してください。
飼い主さんのすぐ横を歩かせるようにして、歩行者や自転車に勝手に近づいたり、車道に出てしまったりすることのないように注意しましょう。
また、伸縮リードで道を歩く時は必ずロックしてください。ほかの人や車が通る場所で、自由に動き回れる状態にしておくと、他人がリードの引っかかって大きな怪我やトラブルと招く恐れがあり大変危険です。
公園や広場などではリードを伸ばして自由に
犬の散歩では、ただ道を歩いているだけでなく、公園や河川敷、広場などに立ち寄ることもあると思います。周囲の人との距離が取りやすく、事故の危険がない場所では、リードを持つ手をゆるめて犬がある程度自由に動き回れるようにしてあげましょう。
おもちゃなどで思いきり遊ぶわけではなくても、草や土の感触を楽しんだり、においを嗅いだりすることは犬の本能を満たし、ストレスを発散させると考えられています。
リードは常に「J」の字にたるませて
犬と道を歩くときなどは、リードがピンと張らない程度にたるませることがポイントです。並んでいる犬と飼い主さんを正面から見たとき、リードが「J」または「し」の字になっているように意識しましょう。
あまり余裕を持たせると犬自身や周囲の人に危険が及ぶ可能性があり、ピンと張っている状態で歩き続けると当然のことながら犬は苦しい思いをするでしょう。また、苦しいだけでなく、リードが張っている状態というのは、犬が前傾姿勢になりやすく興奮させてしまう可能性があります。このような姿勢でいると、攻撃性が高まったり吠えやすくなったりするので、リードをたるませることは犬の気持ちを落ち着かせるためにも必要なことなのです。
まとめ
今回は、犬のリードの正しい持ち方をご紹介しました。リードは飼い主さんと愛犬をつなぐ命綱なので、絶対に離すことのないように持つことが大切です。その上で、事故やトラブルを防ぐために、その場の状況に合わせて持ち方や長さを変える必要もあります。
毎日の散歩が、犬にとっても飼い主さんにとっても楽しく快適なものになるように、リードの持ち方を一度確認し直してみてくださいね。