1.おしり・背中を向ける
人間社会では、相手におしりや背中を向けるのは失礼な行為とみなされます。そのため、愛犬におしりや背中を向けられたらがっかりしたり傷ついてしまう人もいるかもしれませんが、それは大きな勘違い。
おしりや背中といった部位は本人にとって死角となります。野生界で敵におしりや背中を向けたら、いつ襲われてしまうかわかりません。つまり大きな弱点に当たるのです。
その弱点であるおしりや背中を見せてくれるということは「この人は絶対に自分に危害を加えない」と信頼されている証。むしろ「後ろから敵が来ないかの見張りはあなたに任せたよ」という意思表示でもあり、いわゆる「背中を預けられる関係」として認定された証拠であるのです。
2.横向きやヘソ天で寝る
周辺環境やそのときの心理状態によって、わんこはさまざまな寝相を見せてくれます。ドーナツのようにキュッと丸まっていることもあれば、だらーんと伸び切って寝ていたり、時にはお腹を天井に向けた「ヘソ天」で寝ていることも。
実はこれらの寝相には、警戒状態やそばにいる人との信頼関係が反映されている場合があるのです。おしりや背中が弱点であるのと同様に、眠っている状態というのは究極に無防備な状態です。
わんこの眠りが浅いことはよく知られていますが、それは睡眠中に天敵に狙われた際にすばやく逃げるためでもあります。いざというときにすばやく逃げるためには、周囲への警戒を怠らないことと、いつでも逃げられる体勢をとっておくことが必要です。
そのため周囲の気配を感知しやすく、更にすぐに体を起こして逃げることのできるフセの体勢は、最も警戒レベルが高い寝相です。一方で逃げる体勢に入るまでに時間がかかる横向きやヘソ天の体勢は、最も油断している寝相といえます。
あなたのそばで寝ている愛犬がこれらの寝相をとっているときは「この人の近くにいれば大丈夫」と信頼してくれている証拠です。
3.お見送り・お出迎えをしない
お出かけのときに別れを惜しんでくれるお見送りや、帰宅したときに熱烈に歓迎してくれるお出迎えは、わんこと一緒に暮らす醍醐味ともいえますよね。ですが中には、「いってきます」と声をかけても知らんぷり、「ただいま」と帰宅してもちょっと顔を向けるだけ、といった愛犬の塩対応に悲しんでいるという人もいるかもしれません。
「私がいてもいなくても関係ないのかな…」としょんぼりしてしまうのはちょっと待ってください。一見、塩対応に見えるこの対応こそ、実は究極の信頼の証である場合があるのです。
愛犬が飼い主さんの出入りの動きに反応しないのは「この人が自分を置いていなくなってしまうわけがない」「どうせ帰ってくるんだから大騒ぎしなくても大丈夫」と思っているから。
飼い主さんからするとちょっと物足りなく感じるかもしれませんが、ないがしろにされているわけではない…というよりも、深い信頼を寄せられている裏返しなので安心してくださいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?人間の感覚ではちょっと伝わりづらい信頼表現が多いことに驚いたかもしれません。わんこと信頼関係を築くことは一朝一夕にはいきません。ですが一度信頼関係を築けたら、わんこは決してあなたのことを裏切りません。その信頼に背かないように行動するのが飼い主さんの義務なのではないでしょうか。