愛犬が家の床やカーペットを舐めても大丈夫?
犬は、いろいろなものを舐めます。自分の足の先や身体はもちろんのこと、飼い主さんの手足や顔、口の周り、挙句の果てには床やカーペットなどまで舐めてしまいます。特に床やカーペットを舐める場合、「こんな物まで舐めてしまっても大丈夫だろうか」と心配になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
舐める頻度が多くなく、舐めている時間もごく短時間である場合は、あまり深刻な問題が潜んでいるわけではないと考えても良いでしょう。
そうはいっても、床やカーペットを舐めている時にたまたま変なものが落ちていて誤飲してしまう、埃やカーペット・絨毯などの毛玉を飲み込んでしまうといったリスクもありますし、衛生的にも好ましい行為だとはいえません。
愛犬が床やカーペットを舐める理由を探り、その原因を取り除くことで床やカーペットを舐めさせないようにすることを考えましょう。
犬が家の床やカーペットを舐める心理
1.ストレス
ストレスが溜まっている犬は、そのストレスを紛らわせるために床やカーペットを舐めていることがあります。最初のきっかけはともかく、床やカーペットを舐めているとストレスや不安感が和らぐため、舐めることが習慣化してしまっているのかもしれません。
2.関心を引きたい
飼い主さんとのコミュニケーションが不足している犬の場合、飼い主さんの関心を引くために床やカーペットを舐めている場合があります。
床やカーペットが唾液でベトベトになってしまったのを見て、「こら、やめなさい!」などと叱られた経験を、(床やカーペットを舐めると飼い主さんから注目される!構ってもらえる!)と勘違いしてしまい、また声を掛けてもらいたくて繰り返しているのです。
3.気になるニオイがする
単純に、床やカーペットに食べ物のニオイが残っていて、それが気になって舐めているという場合もあります。特に小さなお子様がいらっしゃるご家庭の場合は、このケースが多いかもしれません。綺麗に掃除したつもりでも、犬の鋭い嗅覚では残り香を感じてしまうことも多いのです。
4.退屈
留守番時間が長いとか、飼い主さんが家にいても忙しくてほとんど構ってもらえないといった場合、愛犬は何もやることがなくて退屈になってしまうでしょう。そして、なにか暇をつぶせることがないだろうかと探した結果、床やカーペットを舐めているという場合もあります。
5.体調が悪い
胃酸過多等で胃がムカムカする、消化不良を起こしているなど、体調が悪いことが原因で、気を紛らわせたり胃を落ち着けたいという目的で、床やカーペットを舐めている場合があります。体調不良の場合は、嘔吐や下痢などの他の症状を伴っていることも多いです。
犬に床やカーペットを舐めるのをやめさせる方法
ストレスを解消させる
一口にストレスと言っても、その原因はさまざまです。愛犬のストレスの原因を突き止めて、その原因を取り除くことが大切です。
例えば、飼い主さんとのコミュニケーション不足であれば、一緒に遊ぶ時間や散歩の時間を増やす、隙間時間に優しく話しかけるといった対策が有効です。また、近所で工事が始まりその音がうるさいといったような場合には、防音効果のあるカーテンを設置するのも良いでしょう。
2.床を舐めても関心を引けないことを教える
飼い主さんの気を引くために床やカーペットを舐めている場合は、その行為では関心を引けないということを学習させましょう。床やカーペットを舐め始めたら、愛犬だけを残して部屋を出ていき、やめたのを見計らって部屋に戻ります。ワンルームなどの場合は、舐めている間は無視し続けるという方法もあります。
ニオイを除去する
食べ物や飲み物をこぼしてしまった場合は、すぐに拭き取り、消臭剤等を利用して徹底的にニオイも除去してください。ただし、犬が舐めても安全な成分が使われている洗剤や消臭剤を使ってください。またタイルカーペットを利用すると、汚れた部分のみを取り外して洗えるので便利です。
退屈させない
退屈で暇つぶしに床やカーペットを舐めてしまう場合は、愛犬が独りでいる時にも退屈しないような工夫が必要です。知育玩具や早食い防止機能が付いている食器を利用したり、留守中にノーズワークをさせたりしてみましょう。
動物病院に連れて行く
床やカーペットを舐める様子が度を越していると感じたり、体調不良の症状を併発している場合は、迷わずに動物病院に連れて行きましょう。
まとめ
床やカーペットを舐めてしまう犬がいます。どんなに頻繁に掃除をしていても、床には思わぬものが落ちていることもあれば、目に見えない埃や雑菌などが付着しているため、あまり愛犬には舐めてほしくない場所です。
また、愛犬が頻繁に床やカーペットを舐めることで、床やカーペットがベトベトになったり強い唾液臭がとれなかったりと、飼い主さんも後片付けが大変です。
しかし愛犬も、理由もなく舐めているわけではありません。愛犬の様子をよく観察し、また舐め始めた頃の状況を振り返ることで、床やカーペットを舐めている理由を探り、適切に対処できるようにしましょう。