犬が「見向きもしない」理由
犬たちは様々なボディランゲージで犬同士コミュニケーションをとりあいます。これは人に対しても同様で、人間の言葉をしゃべれない分しっぽの動きや素振りで愛情を伝えようとしてくれます。
しかし一転して相手に興味がない場合、犬たちはどうするでしょう。これは「無視」です。犬同士でも相手に興味がなければ、視線を向けることもニオイを嗅ぎに行くこともなく無視を貫きます。
犬たちにとって視線を合わせることはある意味「興味」と「威嚇」が混ざっている状態です。(誰だお前は?)という気持ちもありますし、(それ以上近寄るな!)という意思表示でもあるでしょう。そのため初対面の犬をじっと見つめることは、その視線を受ける犬にとって大きなストレスになる行為です。
このストレスを回避するために、犬たちはすっと視線を外します。冷静な犬の場合は初めから視線を合わせることなく、知らんぷりをするでしょう。これは「私はあなたに興味がないですよ」と示して、争いになることを防いでいるということなのです。
人間に対しても興味がない場合や嫌なことをされそうな場合、犬たちは徹底して無視をします。声をかけてもおやつを持って行っても、ニオイを嗅いでももらえないのです。これが「見向きもされない」状態です。
犬が「見向きもしない人」の特徴
犬にとって「無視する」ということは、「興味がない」「争いを回避したい」というボディランゲージの一つです。すなわち、犬に無視されている人は、犬にとって「恐怖」であったり「ストレス」などの理由でコミュニケーションを避けたい相手、ということになります。
ではいったいどんな人が犬に無視をされるのでしょうか。
1.太い、低い、大きな声を出す
犬にとっては「低い声」や「大きな声」は、恐怖の対象となります。犬同士でも相手を威嚇するときは低い唸り声を出しますね。このような声を出していると常に自分を脅かしてくる相手と感じ、無視をすることで敵意がないことを表現したり恐怖を紛らわしたりしているのです。
2.動きが読めない
急に頭の上に手を伸ばしたり、ジッとしているかと思えば急に走り出したり、驚かすような動きをしたりする人も犬にとっては「怖い」相手といえます。
また犬の側で心の準備ができていないうちから積極的に身体に触れようとしてくる人や、じっと目を見てくるような人の場合も犬たちは「無視」でやり過ごすことが多いようです。
3.知らない人、犬に興味を持たない人
犬たちは人間をよく観察しているので、目の前にいる人が「自分に友好的か、攻撃的か、無関心か」を見分けています。友好的であれば犬たちも挨拶に応じますが、攻撃的な人や無関心な人、恐怖を感じている人であれば自分たちから無視をすることで「敵意はない」ことを示します。
まとめ
大まかに分けると、以上のような特徴を持つ人が、犬に「見向きもされない人」といえるでしょう。一般的に高齢の男性や動きの読めない小さな子供、犬が嫌いな人に対して犬たちも「無視」をすることが多いようです。
犬が好きで触れ合いたいのに無視される、という人の場合は犬が好きすぎる気持ちが先走ってしまうことが多く、目を見て近づいてしまったり積極的に身体に触れようとしてしまったりして逆に犬に嫌われてしまうことがあります。
あまり犬に近寄ってきてもらえないという人は、声のトーンを意識したりグイグイ自分のペースで近寄ることをちょっと我慢したりすることで犬との関係を徐々にでも改善できるかもしれません。
あくまで犬たちのペースに合わせて仲良くなれるよう、挨拶のしかたを工夫してみてくださいね。