愛犬には飼い主さんの気持ちが分かります
世界各国の研究で、犬が人の気持ちを察知できることが分かっています。ウィーンの獣医大学の研究では、『犬は人の笑顔と怒った顔を見分け、かつその意味も理解している』ということが分かりました。ナポリ大学の研究では、『犬が体臭からその人の感情を感知し、行動を変えている可能性がある』ということが示されました。
麻布大学の研究でも、飼い主さんの感情が犬に伝染することが分かりました。特に飼い主さんとの生活期間が長いほど感情が伝染しやすく、信頼関係ができると飼い主さんの短い情動の変化も察知して共感することが分かっています。
このように、愛犬はいつでも飼い主さんのことを観察し、気持ちを察知しています。また、食事や散歩の時間なども把握しています。飼い主さんの様子や時間から、「そろそろ○○の時間だ!」と密かに楽しみに胸を膨らませていることもあるようです。
今回は、犬が楽しみでたまらない時に見せる仕草や表情についてご紹介します。
愛犬が楽しみでたまらない時に見せる仕草や表情
1.飼い主の行動をずっと目で追う
愛犬にとっては、良いことも嫌なこともほとんどが飼い主さんの行動をきっかけに起こります。食事や散歩といった楽しいイベントも飼い主さん次第なので、「そろそろ〇〇の時間だ!」と期待に胸を膨らませている時には、飼い主さんの行動をずっと目で追っていることが多いです。
2.首を上下に動かしたりしっぽを振ったりする
期待していたのに飼い主さんがなかなか行動に移してくれない場合、期待よりも要求の比率がだんだん多くなっていきます。飼い主さんをじっと見つめていた愛犬は、次第に首を上下に動かしたり、しっぽを振ったり、少し興奮気味に息を荒げて口元を緩ませたりといった様子に変わっていきます。
3.落ち着きがなくなる
愛犬が意味もなく飼い主さんの後ろをついてまわったり、ソワソワと立ったり座ったりして落ち着きがない様子も、これから起こるであろう楽しいことに対してワクワクとしているサインの1つです。
4.耳を立て、口を閉じて1点を見つめている
口を閉じたままどこか1点をじっと見つめ、ピンと耳を立てている時の愛犬は、凝視しているものに対してとても惹かれてワクワクとしている状態です。
犬は、多くの情報を嗅覚で得ています。そのため見つめているだけではなく、ニオイに対しても神経を集中させています。その緊張感が、口元を緩めずに閉じた状態にさせているのです。真剣な時の表情とよく似ています。
5.目を大きく見開き、口元を緩めて荒い息遣い
最後にご紹介するのは、愛犬がやがて起こるであろうことを楽しみに、わくわくしていることが最もわかりやすい表情かもしれません。ワクワク感が高まっているため興奮気味なので、息が荒くなって口元が緩んでいます。そして目を大きく見開いてキラキラさせているのが特徴的です。
愛犬の期待に上手に応えてあげましょう
犬の気持ちは、顔の表情や仕草によく表れます。リラックスしている時には口元が緩み耳が垂れ気味なって、比較的人間の笑顔のような表情に見えます。何かを考えている時には口を閉じ、耳を前に傾けてじっとしています。聴覚と共に、ニオイからも情報を得ようと嗅覚を研ぎ澄まして集中しているため、口が閉じるのです。
このように、愛犬とは言葉でコミュニケーションをとることはできませんが、表情や仕草、行動をよく観察することで、愛犬の気持ちを汲むことは十分に可能です。愛犬も、同じように飼い主さんの気持ちを察知して行動を変えているのです。
もし、愛犬が何かを期待し、ワクワクしながら楽しみに待っている様子を見せた時には、できるだけ愛犬の期待に応えてあげたいものです。愛犬は、食事や散歩などの時間を把握していますので、愛犬の様子に気付いたら、時間を確認してみてください。きっと、何に期待しているのかが分かるはずです。
まとめ
冒頭でご紹介したように、飼い主さんとの生活が長ければ長くなるほど、そして信頼関係が築かれるほど、愛犬は飼い主さんの気持ちを察知したり共感したりしながら行動しています。
私達飼い主側も、愛犬の表情や仕草、行動をよく観察して、愛犬の気持ちを汲みながら、お互いに心地よく快適に暮らしていけるのが、一番幸せなことなのではないでしょうか。
決して甘やかすということではなく、できるだけ愛犬の期待に応えてあげられるようにしたいものです。そうした積み重ねが、愛犬との信頼関係をさらに強めていく秘訣になるのではないでしょうか。