『犬は糖尿病の人がわかる』って本当?見分けている方法は?
犬には人のために働いてくれている使役犬が多く存在しています。その中には病気を見つける能力を持った犬も存在します。ガンやてんかん、そして糖尿病を見分けてくれる犬もいるのです。
1.低血糖アラート犬とは
正確には「糖尿病の人を見つける」お仕事をしているわけではなく、糖尿病患者さんの生活の手助けをしている犬を低血糖アラート犬と呼びます。
皆さんご存知のように犬の嗅覚は非常に優れていて犬種によっては人間の100万倍以上とも言われています。その優れた嗅覚を活かし糖尿病患者さんの生活を支えているのです。
低血糖アラート犬は、高血糖と低血糖のニオイを嗅ぎ分けられるよう特別なトレーニングをされた犬になります。
糖尿病患者さんは血糖値が低下した際にすぐに糖分を補給することが出来なければ、低血糖発作を起こしてしまいます。これは非常に危険な状態で血液中の糖分の急激な低下により意識障害や失神、最悪は命の危険もある状態になります。
低血糖アラート犬は糖尿病患者さんの呼気から、血糖値の変化をニオイで嗅ぎ分けることが出来るよう特別な訓練をされています。低血糖になってしまう前に患者さんの洋服のそでを引っ張ったり、鼻をこすりつける、また舐めるなどして血糖値の変化を伝え糖分の補給をうながします。
また患者さんが低血糖発作を起こしてしまっている場合は、自ら糖分が含まれた飲み物などを患者さんの元まで運んでくれることもあるのだとか。その他、患者さんが意識を失ってしまっている時は吠えて周囲に伝える、助けがなければ用意された特別な機器で救急車を呼ぶこともできるよう訓練されています。
2.どうやって嗅ぎ分けているの?
糖尿病患者さんは低血糖に陥ると、体内のイソプレンという化学物質の量に変化が表れるそうです。なぜ体内でイソプレンが発生するのか、またなぜ血糖値の変化によりイソプレンの量に変化が起こるのか詳しいことは判明していないようですが、人間には確認するこのとできないこのニオイの変化を低血糖アラート犬はしっかりと探知しているようです。
3.低血糖アラート犬は日本にいる?
糖尿病患者さんにとってはとても心強いパートナーとなってくれる低血糖アラート犬ですが、残念ながら日本ではまだ普及していない使役犬のようです。海外で活躍する低血糖アラート犬ですが、日本では殺処分から逃れた犬たちを育成するプロジェクトが進められているようです。
他にはどんな使役犬がいるの?
低血糖アラート犬以外にも、世界中には人のために働く使役犬が多く存在しています。ですが、多くの方が日頃触れ合う機会はあまりありませんよね。どんな使役犬が私たちのために頑張ってくれているのかご紹介していきます。
使役犬とは
使役犬とは、特別でハイレベルな訓練を受けうえで人のために働く犬のこと。日本では普及していない使役犬も存在しますが、世界中では様々な使役犬が活躍しています。
- 盲導犬
- 警察犬
- セラピードッグ
- ファシリティドッグ
- 麻薬探知犬
- 牧畜犬
- 聴導犬
- 介助犬
みなさん一度は耳にしたことがある使役犬が多いと思います。日本で多く見かけるのは盲導犬と警察犬ですよね。盲導犬は目の不自由な方の生活全般のサポートが出来るよう高度な訓練がされています。警察犬はニオイをたどり犯人逮捕の支援や行方不明者の捜索に活躍しています。
セラピードッグやファシリティドッグは人の心を癒してくれる使役犬。セラピードッグはケガや病気で病院や介護施設に入居している方の心に寄り添えるよう高度な訓練を受けています。
またファシリティドッグは、病院に長期入院している患者さんの心を癒やすことがお仕事になります。ファシリティドッグは特定の病院に医療チームの一員としてに常勤するため、非常に高度な訓練が必要になります。
麻薬探知犬は、空港で海外から届く荷物の中に麻薬が入っていないかニオイで嗅ぎ分けて発見するお仕事。また、牧畜犬は日本ではあまり見かけませんが海外では現在でも活躍している牧畜犬が多く存在しています。
聴導犬は耳の不自由な方の生活のサポート、介助犬は体の不自由な方の生活全般の介助ができるよう訓練されています。
まとめ
低血糖アラート犬は優れた嗅覚を活かし、糖尿病患者さんの命を守るお仕事をする存在。私たち人間にはない嗅覚と犬が持つ人に対する忠実さから成り立っている関係だと思います。低血糖アラート犬をはじめ使役犬には感謝の気持ちで接したいですね。