知って安心
今回のテーマは、顔をこすりつけてくる行動。飼い主さんは「甘えているのかな?」と、いつものように受け止めるだけではなく、他に、健康上のトラブルの可能性も考えられることを、知っておくと安心ですよ。
トラブル例と早期発見のためにやっていただきたいトレーニングをご紹介します。
こんな健康上のトラブルかも?
顔をやたらと飼い主さんにこすりつけている場合は、顔に何らかの違和感を覚えている場合があります。どの個所を集中してこすりつけているのかをよく観察し、こんなことをチェックしてみてください。
- けがをしていないか
- 虫に刺されたあとはないか
- ダニがついていないか
- 皮膚に赤味はないか
- 熱っぽい部分はないか
- 湿疹、ただれができていないか
- 脱毛はないか
- かさぶたはできていないか
- フケ、ベトつきの状態はどうか
顔の他にはこんな場所も
かゆいのは顔だけとは限りません。耳、おでこ、後頭部、首の付け根という場合もありますね。そのあたりは口が届かない場所ですから、歯で噛むことによって痛みやかゆみを逃すことはできないため、何かにこすりつけることによって解消しようとします。
考えられる病気やケガ
ここからは、犬が顔を飼い主さんにこすりつけるときによくある、健康上のトラブル例をご紹介します。
1.眼のトラブル
- アレルギー
- 目ヤニによる炎症
- 結膜炎
- 第三眼瞼腺逸脱(チェリーアイ)
- 目に異物が混入する
- 腫瘍
- マダニの寄生(特にまぶたや、目尻などの粘膜に吸い付きます)
- 逆さまつ毛
- 傷
など
2.鼻のトラブル
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎
- 蓄膿症
など
3.口のトラブル
- 歯周病
- 乳歯遺残
- 歯が折れた
- 魚の小骨などのつっかえ
- 食器の素材に対してのアレルギー反応
- 食材に対してのアレルギー反応
- 誤飲
- 口腔内の傷、炎症
など
4.首の付け根のトラブル
- ノミの寄生(ノミのフンが皮膚に残っていないか、毛をかき分けて見てください。黒っぽく小さい粉のようなものがテンテンと背骨沿いにあれば、ノミの寄生の可能性があります)
- アレルギー
- ホルモンバランスの乱れ
- 腫瘍
- 皮膚炎
- 首輪の素材によるアレルギー
- 神経性症状
など
早期発見に役立つトレーニング
ここまでは、考えられるトラブル例を見てきました。どれも早期発見がキーポイントとなりますが、早期に見つけることができるように、日ごろから愛犬に教えておきたいトレーニングを一つご紹介します。
それは、全身を触れるようにしておくというトレーニングです。なんだ、そんなことかと思わずに、いつでもどこでも触れるようにしておくことは大事ですから、ぜひ慣れさせておいてください。
特に口まわりや歯を触られるのが苦手なために、咬みついてしまうという犬が多いですので、ここはしっかりと教えておきたいところです。
叱って無理矢理に触らせるのではなく、「口を触らせたら」→「良いことがあった」というように、行動と報酬を関連付け、上手に教えていくのが効果的です。
まとめ
犬が人に顔をこすりつけてくる、甘え以外の理由4つについて、お伝えしてまいりました。これらからの季節は、皮膚炎や耳のトラブルは特に気を付けてあげたいですね。早期発見をして、愛犬の健康をキープしましょう。