驚きますよね、睡眠中のピクピク
犬が眠るとき手足をバタバタと動かしたり、白目になっていたり、寝言を言ったりするなんて、犬を飼った経験のない方にとっては、想像のつかない話かもしれません。
みなさんの中にも、初めて愛犬のこうした姿を目にしたときは、とても驚いた、と言う方も多いと思います。
なぜ犬は睡眠中にピクピクするのか、こうした現象に病気の可能性はあるのかどうかを、ご一緒に見てまいりましょう。
睡眠中にピクピクと動く3つの理由
1.夢
「犬も夢を見るのかな?」と、疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。これについては、専門家の研究により、犬も夢を見るということが分かっています。
夢の内容に連動して、走っているときには駆けるような手足のそぶりを。悲しい夢では「クオーン」などと、寝ながら遠吠えを発するという犬もいるようです。
2.脳の整理
成犬に比べ子犬の方が、睡眠中のピクピクが多く見られます。これは日中に受けた刺激を脳内で整理しているためだと言われています。
子犬は、初めて出会う物や人、音などの刺激を感じ、これらを睡眠中に脳で処理しているのでしょうね。また、発達途中である子犬は、成長を促進するための信号が絶えず脳から送られていて、眠っている間も神経回路を刺激しているそうです。
3.レム睡眠
犬の睡眠は人と同じように、2つの異なる睡眠で構成されています。
1つは思考の整理や記憶の定着を行う「レム睡眠」。もう1つは疲労回復や、細胞の修復が行われる「ノンレム睡眠」です。浅い眠りのレム睡眠が多い犬は、脳が覚醒している状態のため、脳の活発な活動に体が反応してしまうことが多いのですね。
というわけで、この3つの理由から起きる、睡眠中のピクピクや白目、寝言などついては、特に病的なものではないと捉えて良さそうです。どうしても心配で、声をかけて起こしてあげたい、と言う飼い主さんもいらっしゃいますが、基本的に犬の睡眠中は、無理に起こさずそっとしておいてあげましょう。
病気の可能性も
さて、睡眠中のピクピクについて、気になる病気の可能性を見ていきましょう。いつもちがうこんな症状が見られるときは、注意をする必要があります。
≪例≫- ひどく大きいいびきを伴う
- のどや気管から、聞いたことのないような音がする
- 足のツッパリが見られる
- 体全体が大きく震える
- 数分にわたって震え、痙攣が続く
- 失禁を伴う
ためらわずに動物病院へ
以上のような症状が見られる。また、何度も繰り返している場合は、のどや気管、脳の疾患、癲癇(てんかん)などの疑いもあるので注意が必要です。
症状によっては、緊急性のあるもの、動かしてはいけないもの、などがありますので、ちょっとおかしいなと思ったら、すぐに動物病院に電話をして指示を仰ぐ、というのがベターだと思います。
- いつ、症状に気づいたか
- 一日のなかで、その症状はいつごろ出やすいか
- どのくらいの時間続くか
- どのくらいのペースでその症状が起こるか
動物病院にはこうしたことを、わかる範囲で記録して持参すると良いですね。このときには大きな病気ではなかったとしても、今後に備えた大事な記録、愛犬のデーターとして、病気の早期発見につながる手掛かりになるかもしれないからです。
まとめ
愛犬が睡眠中にピクピク動いているときは、夢の中を探検していたり、脳内を整理している時間が多いのですね。こうしたことを理解した上で、やはり病的な震え、発作や痙攣(けいれん)の可能性もありますので、ご心配な様子がありましたら、やはり動物病院への受診をためらわずにされてください。