犬が突然凶暴になってしまう原因5選 適切な対応と接し方

犬が突然凶暴になってしまう原因5選 適切な対応と接し方

実は、「愛犬が突然凶暴になった」というケースは多く報告されているようです。仲良く暮らしていた愛犬がある日を境に飼い主さんに吠えたり唸るなんてことも…。なぜ、突然凶暴になってしまうのでしょうか?5つの考えられる原因と、対処法をご紹介します。

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記事の監修

東京農工大学農学部獣医学科卒業。その後、動物病院にて勤務。動物に囲まれて暮らしたい、という想いから獣医師になり、その想い通りに現在まで、5頭の犬、7匹の猫、10匹のフェレットの他、ハムスター、カメ、デグー、水生動物たちと暮らしてきました。動物を正しく飼って、動物も人もハッピーになるための力になりたいと思っています。そのために、病気になる前や問題が起こる前に出来ることとして、犬の遺伝学、行動学、シェルターメディスンに特に興味を持って勉強しています。

なぜ突然凶暴に?考えられる原因5選

吠える犬

①体に異変が生じている

いつも落ち着いていて穏やかな犬が突然凶暴化した場合、体に異変が生じていることが考えられます。例えば体のどこかに痛みがあって触って欲しくなかったり、ひどい痒みでイライラしていたり、なんてことがあります。このような時に愛犬を触ったり抱っこしたりしようとすると「触らないで!」などと噛んだり唸ることがあります。

②愛情表現が間違っている

飼い主さんに恐怖を感じている場合、飼い主さんに対して凶暴になることがあるでしょう。また、飼い主さんを信頼できないと感じている場合にも、凶暴化することがあります。愛犬が飼い主さんに対してそのように感じる時、多くの場合飼い主さん自身は愛情をたっぷり注いでいるつもりでいます。しかしその方法が間違っているために、愛犬を混乱させ不安を感じさせているのです。飼い主さんに対して吠え続けたり威嚇したり、それでも飼い主さんが何かをしようとすると噛んだりするようになることがあります。

飼い主さんから見たら、突然愛犬が変わってしまったと思われることもあります。しかしこれは、「突然」ではなく「日頃の飼い主さんの接し方が原因で愛犬の不満や不安が蓄積して爆発した。愛犬は『自分で自分の生活を守らなければ』と決意した。」というケースであることがほとんどでしょう。

また、愛犬の性格や成長段階に合った運動が出来ていない、遊びが足りなかったりお留守番ばかりで退屈している日が続いているなど、愛犬に欲求不満がたまっている場合は、突然凶暴になるというよりは、普段から元気過ぎて、飼い主さんの言うこときかない、甘噛みが続く、体当たりをしてくる、などの行動に困ることがあるでしょう

③認知症を発症した

認知症を発症している場合、飼い主さんを突然噛むなどの凶暴性を示すことがあります。
下記のような行動は認知症の症状である可能性があります。愛犬をよく観察してみましょう。

  • (充分食べているのに)何度もご飯を欲しがる
  • 夜に徘徊する、理由もなく吠える
  • トイレの失敗が増える
  • 名前を呼んでも反応しない
  • 昼夜が逆転したり、ぼーっとしている時間が長くなる
  • 行動パターンが変わる

認知症の症状の一つとして、性格や行動パターンが変わり、以前はそのようなことがなかったのに、何かをしようとすると噛んだり暴れたりするようになる場合があります。また老犬の場合、認知症ではなくても聴覚や嗅覚、視覚が衰えたために、飼い主さんは以前と同じように接していても犬が飼い主さんの行動を予見できなくなり、「急に触ろうとした」「急に持ち上げられた」などと感じてビックリして吠えたり噛んだりすることも考えられます。

④他の病気

認知症以外の病気でも、性格や行動パターンが変わり凶暴になることがあります。脳腫瘍や甲状腺機能低下症などがその例です。

⑤狂犬病を発症した

犬が狂犬病にかかると、症状の一つとして凶暴化することがあります。狂犬病の症状には2タイプありますが(狂躁型と麻痺型)、狂犬病にかかった犬の多くは凶暴化する時期のある狂躁型の症状を示すそうです。

狂犬病は日本では1957年に根絶され、それ以降は海外で感染した人の発症例が稀に報告されるだけで犬での感染例は報告されていません。しかし、狂犬病は全ての哺乳類が感染する病気であること、日本のように狂犬病が根絶されている国は世界的に見れば稀で今でも多くの人が狂犬病で亡くなっていること、動物や人の往来が盛んな現代においていつどんな形で狂犬病ウイルスが日本に入ってくるか分からないことから、今後の日本においても絶対に犬が狂犬病にならないとは言い切れません。狂犬病は、主に狂犬病ウイルスを持っている動物に噛まれることで感染し、潜伏期間を経て、早い場合だと発症から数日で死に至ります。狂犬病の潜伏期間は数日~1年以上と非常に幅がありますが、平均的には1~3か月だそうです。

①と②の場合には、犬は噛もうとして噛むので噛む前に威嚇行動や警告が見られますが、③~⑤では犬の意思とは関係なく攻撃的な行動をとってしまう場合が多く、そのような場合は犬は突然予兆もなく噛みついてくることになります。

攻撃的な行動をとる愛犬への適切な対応とその予防

撫でられる犬

①体の異変にすぐ気付く

愛犬が体に痛みや痒み、不調を感じているときは、すぐに気付けるようにしましょう。いつもより元気がない、運動したがらない、触ろうとすると嫌がる、排便や排尿に異常がみられるなど、何か体に不調がある時には行動や仕草に変化があらわれることが多くあります。症状や犬の性格によっては気づきにくいこともありますが、普段からよく観察することが大切です。

②愛犬に正しい愛情を注ぐ

犬は人間ではありません。人間とは考え方や欲求も持っています。それを理解し、犬に対して正しく接しましょう。犬を犬として扱うこと、それが正しい愛情の注ぎ方です。そうすることで飼い主さんへの信頼や安心感が増します。犬への正しい接し方が分からない場合には、プロのトレーナーさんに相談しましょう。飼い主さんが良かれと思ってやっていたことが、実は犬を擬人化して扱うことであったり犬のストレスを増やすことになっていて、犬が混乱や不安を感じる原因となっていた、ということがよくあります。

また、も人間と同じように運動不足や退屈などによってストレスや不満を感じる動物なので、きちんと愛犬との時間を作って犬にできるだけストレスをためさせないようにすることも大切です。

③認知症への対策

高齢の犬が認知症になることは多くあります。完全な予防法はありませんが、老犬も無理しない範囲で散歩や遊びをして身体的・精神的な活発さを保ちましょう。日頃から適度な運動をしたり脳を働かせることは犬でも大切です。犬自身が好めば他の犬や人と交流したり、散歩コースを時々変えたりするのも良いでしょう。また、オテやオスワリ、正しい場所での排泄など、当たり前に出来ていることでも出来たらほめることも犬の精神的な満足につながります。

認知症を発症した場合には、サプリメントや食事で症状を軽くしたり、抗不安薬や鎮静剤を用いてよく眠れるようにしたり飼い主さんにとって困った行動を抑えたりします。老犬が生活に支障を及ぼす異常な行動が見られる場合には、「年だから」と放置せず動物病院に相談しましょう。

④動物病院を受診する

性格や行動の変化を起こす病気がある場合、他に体調が悪そうな様子が見られずに「以前はこんなことはしなかった」「性格が変わった」だけが症状であることもあります。何か変わったこと、困ったことがあれば動物病院を受診しましょう。

⑤狂犬病の予防接種を行う

狂犬病を完全に防ぐには、予防接種が欠かせません。狂犬病は犬が狂暴化することが多い病気で、人を含む哺乳類のすべてに感染します。治療法が確立されていないため、発症すると死亡率がほぼ死亡率が100%という恐ろしい病気です。

日本では、狂犬病予防法により犬の登録や狂犬病予防接種が義務付けられています。それにより、狂犬病の発生を抑え根絶することができました。日本で再び狂犬病の感染が起こらないよう、年に1回の狂犬病予防接種は必ず行いましょう。

まとめ

握手する犬

犬の凶暴化は、犬種や性別、体格などは関係なく起こりうる現象です。突然のことで飼い主さんはとてもビックリするでしょう。

病気による凶暴化以外では、凶暴化=何らかの理由で犬がしょっちゅう攻撃行動をとるようになる、ということです。そこには何かしら原因がありますし、病気による凶暴化であれば病気を治療すれば凶暴ではなくなることもあります。犬が凶暴化したときには、叱るのではなく、愛犬をしっかりと観察して今回ご紹介したような正しい対処をすることが大切となります。

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