賢い犬とは
一般的に「賢い」とは頭が良い、知能に優れている、利口だという意味があります。また抜け目がない、要領が良いという意味もありますね。
そして「賢い犬」というとついつい「言う事をよく聞く犬」と考えてしまいますが、本当の賢さを考える際にはあらゆる場面での適応能力や、直観力も併せて考える必要があります。
適応能力とは問題を解決する能力であり、これが高ければ自分で考えて適切な行動をとる事ができる賢さがあるという見方ができます。直観力であれば本能の要求を満たすために最適な行動をとるための賢さがあるという見方ができます。
もちろん人の指示をよく聞くことができる従順さも、犬にとっては賢さの指標です。群れで生活する犬たちにとって、大人(成犬)や力のある個体の真似をしたり指示を聞いたりすることは、生存に直結する大切なことです。
しかし現代の犬たちにとっては本能のままに狩りをすることもなければ生きるために適切な行動を選択する必要もほとんどありません。それらの賢さを訓練したり発揮したりする場面はとても限られていると言ってよいでしょう。
そのため、遊びを通してトレーニングをしたり能力を発揮させてあげたりすることで脳へ刺激を与え、活性化させることが大切なんですね。
愛犬を賢くする遊び・ゲーム
犬たちの能力を向上させる遊び方はいくつかありますが、大切なのは本能を満たす遊びをすることと脳のトレーニングになる遊びをすることの2点です。
本能を満たす遊びは犬たちの狩猟本能を満たすために行います。代表的な遊びが「ボール遊び」や「引っ張りっこ」ですね。逃げるものを追いかけたり、くわえたものをぐいぐい引っ張ったりするのは、犬にとって眠っていた狩猟本能を満たす絶好の遊びになります。
脳のトレーニングになる遊びになるのが、「かくれんぼ」や「宝探し」でしょう。これは「自分で考える」「選択する」という遊びです。この遊びで成功すると、犬たちは自信がついてさらに「自分で考える」ことを楽しむようになります。
さて、具体的な遊びは次の3つです。
1.ボール遊び
犬が一口で飲み込めないサイズのボールを使います。ボールを転がしたり投げたりして、犬に追いかけさせたり持ってこさせたりします。
走ったりボールを噛んだりといったことで「獲物を追いかける」疑似体験をすることができ、本能の欲求を満たすことができる楽しい遊びです。
2.引っ張りっこ遊び
ロープやタオルなどを使ってその両端を人と犬が持って引っ張り合う遊びです。これも「獲物を噛む、引きちぎる」という疑似体験ができ、犬にとっては大好きな遊びの一つです。
この二つの遊びには注意点があります。
楽しい遊びで「モッテコイ」「ハナセ(ちょうだい)」などのトレーニングもできるのですが、本能を刺激するためとても興奮しやすい遊びでもあります。
興奮はストレスにもなるので、犬たちが興奮しすぎないうちに休憩をとるようにしましょう。そのためにも、ボールやロープを自分から離して飼い主に渡すトレーニングをしてください。
また引っ張りっこ遊びの場合はロープやタオルを犬がくわえたままの状態で、上下左右に激しく振り回してはいけません。首を痛める原因になるので、綱引きの様に交互に引っ張るようにして遊んだほうが良いでしょう。
3.かくれんぼ(宝探し)
探すものは人間でも、おもちゃやオヤツなどでも構いません。最初のうちはマテをして犬が見ている前で隠れたり隠したりし、それを見つけてもらいます。
慣れるまでは一緒に指さしなどをして誘導しながらで構いません。慣れてきたら「〇〇探して」で人間やおもちゃを探すようになります。
この時も探すモノはオヤツ以外であれば一口で飲み込めないおもちゃを使ってください。オヤツを使う場合はほんの小さなサイズに千切って使います。
また、犬たちの集中力は人間より短く10分程度と言われています。「楽しい!」で終わるためには、一度の遊びの時間を短くして集中が切れる前に辞めるようにしてあげましょう。
まとめ
人間同様に犬たちも遊びを通じて様々なことを学びます。本能を満たす遊びをすれば精神的に安定するようになりますし、かくれんぼなどで自分で考える力をつけると集中力が途切れにくくなります。
また、飼い主と一緒に遊ぶことでコミュニケーションをしっかりとれるようになり、結果として「賢い」犬になっていってくれます。
愛犬との絆を深め、更に賢くなってくれるように、皆さんも犬たちと一緒に遊んでみませんか?