犬を飼うときの『室内における注意点』5つ!環境づくりやルールを解説

犬を飼うときの『室内における注意点』5つ!環境づくりやルールを解説

『犬を飼うときの室内における注意点』についてまとめました。室内には犬にとって危険な要素が無数に潜んでいます。犬が快適に安全な暮らしができる環境づくりやルールを解説します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬を飼うときの室内における注意点

ソファーの前でくつろぐパグ

1.整理整頓を徹底すること

犬は室内のありとあらゆるものにイタズラをします。噛んでボロボロにされたり、破壊されたりして困るものは片づけておきましょう。

物を出しっ放しにしていると、必ずと言っていいほど口の中に入れます。犬は物を口の中に入れて確認したいのです。どんな味がするのだろうか、噛み心地はどうだろうか、退屈しのぎのおもちゃになるだろうかと確認します。

誤って飲み込んでしまっては大変な事態になりかねません。消化管を通過できない大きさの物であれば、詰まってしまい命にかかわる事態になります。中毒を引き起こす物質であれば、嘔吐や下痢、痙攣を引き起こしてしまい中毒症状によって命を落とすこともあります。

イタズラされて困るもの、犬が口に入れては危険なものは常に片づけておきましょう。毎日の整理整頓を習慣にすると、出かけた後で「あ、しまった…」ということがなくなります。

2.空調を徹底すること

犬にとって快適な環境を作るためには、温度・湿度・風量などを調整しなければなりません。犬と人とでは体感が全く違います。お留守番中ほど徹底して管理してあげるべきです。

個体差はありますが、犬にとって快適な室内の温度は25度くらいです。エアコンの設定温度ではなく、犬が生活する高さの室内温度を確認して暑過ぎ、寒過ぎを防ぐようにしましょう。

犬にとって快適な室内の湿度は40%~60%くらいです。室内温度計で湿度を確認し、調整するようにしましょう。

温度も湿度も高い場所で過ごしていると、梅雨~夏場はとくに熱中症に注意が必要です。

冷房をいれるほどではないからと、扇風機を利用する飼い主もいらっしゃいますね。犬は人間のように汗をかきません。扇風機は汗を蒸発させて気化し、体温を調整するタイプの物ですので、汗をかかない犬の場合は扇風機の風を当てても熱中症予防にはなりません。

3.動線にケージやクレートなど寝床を置かないこと

ケージの中のウィペット

人が通る場所にケージやクレートなどの寝床を置かれると、犬は落ち着いて休むことができません。人の動線上には置かないようにしましょう。

玄関や窓辺などもよくありません。他人が出入りをしたり、目に付いたりしてしまい、落ち着きません。縄張り意識の強さから吠えてばかりいるようになってしまうことがあります。

4.犬が排泄しやすい場所にトイレを置くこと

トイレはどこに置いてもよいというわけではありません。ケージの中にトイレを置くことを嫌う犬もいます。そばに置くことさえ嫌がることもあります。ケージや寝床から離れた場所でなければ落ち着いて排泄できない犬もいます。

犬が落ち着いて排泄できる場所であることは大切ですが、飼い主にとっても排泄物の後始末をしやすい場所であること、トイレ周りの掃除がしやすいことも重要なポイントです。トイレを常に清潔に保つためです。犬の手足や体が汚れてしまうことも防ぐことができます。

5.コミュニケーション能力を身に着けること

犬には社会化期という時期があり、3週齢~12週齢の期間をさします。他の犬や人との交流に慣れること、暮らす地域や環境に慣れることなど学びます。

飼い主や家族以外の犬や人とのコミュニケーションが上手くできるようになると、お散歩もお出かけも楽しくなります。トリミングサロンや動物病院でも落ち着いて過ごすことができます。

コミュニケーションが上手くできない犬は、すれ違う犬や人に吠えたり飛びかかったり、まともにお散歩することさえできなくなることがあります。

トリミングでも咬みつくからと拒否されてしまったり、適切な診察や治療を受けられなかったりすることもあります。

社会化のトレーニングは犬と飼い主との二人三脚でも可能ですが、犬の保育園や幼稚園に通い、プロのトレーニングを受ける方法もあります。しつけに自信がない時、飼い主が一人暮らしである時、夫婦共働きである時に利用してみてはいかがでしょうか。

【獣医師の補足】

社会化期の中盤まではブリーダーのもとにいる状態です。一般的に社会化期の5週齢までは恐怖心があまりなく、6~8週齢に入ると恐怖心や警戒心より好奇心が勝る時期と言われています。飼主さまがお迎えされる8~12週齢はまだ社会化期の真っ最中ではありますが、好奇心よりも恐怖心が勝ってくる時期です。ご家庭で犬に接する際には以上のことを理解したうえで接することをお願いしたいと思います。トレーニングはトレーナーに任せっきりになると、飼い主の言うことを聞かなくなってしまう可能性があるので、一緒に取り組む姿勢が大切です。

獣医師:平松育子

まとめ

ベッドの中の黒いフレブル

犬を飼うときの室内における注意点を5つ解説しました。

  • 整理整頓を徹底すること
  • 空調調和を徹底すること
  • 動線にケージやクレートなど寝床を置かないこと
  • 犬が排泄しやすい場所にトイレを置くこと
  • コミュニケーション能力を身に着けること

犬が「快適だ」「安全だ」「幸せだ」と感じる環境には個体差があります。犬にとって最良で、愛犬が望む環境はどのようなものなのか、じっくり検討する必要があるのではないでしょうか。

子犬を迎える前から整えておきたい場合、犬種の歴史や特徴をよく調べて参考にすることをおすすめします。

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