犬にとって居心地がいい人とそうでない人の違いとは?
自分の思い通りにいかないことの1つに、犬との仲を挙げられるかもしれません。
というのは、犬が大好きなのになかなか犬から好かれない方がいる一方で、特に犬好きでもないのに犬の方から近寄ってくるという方もいるからです。
毎日愛犬の世話をしているのに愛犬との仲があまり深まらない飼い主さんもいれば、初対面なのにまるで飼い主のように犬と親しくなれるドッグトレーナーもいます。この違いはどこから生まれてくるのでしょうか。
犬は警戒心が強いですが、「この人と一緒にいると居心地がいい」と思える人に対しては警戒心を解き、心を許してくれるはずです。今回は、犬にとって居心地がいい人に共通している特徴をご紹介します。
犬にとって居心地がいい人の特徴
1.いつでも優しく穏やかに話す人
人は相手を見た目で判断します。しかし犬は、視覚以上に嗅覚や聴覚を使って判断します。犬の聴覚は人よりもずっと敏感なため、大きい声や低い声に対して、犬は私達の想像以上に脅威を感じていると考えられます。
そのため、犬にとって居心地がいいと感じる人には、「いつでも穏やかに話をする」「犬に話しかけるときにはいつも優しい口調である」という点が共通しています。
2.いつでも落ち着いて行動する人
犬はとても警戒心が強いため、敵か味方かわからない見知らぬ人には警戒心を解きません。同じように、突然予想外のことをしたり興奮しだしたりする人は、付き合っている期間の長さに関係なく警戒心を解くことができない存在です。
そのため、犬にとって居心地がいいと感じる人には、「いつでも落ち着いて行動する」「感情の起伏が激しくない」という点が共通しています。
3.程よい距離感の人
犬は、積極的にグイグイと接近してくる人に対しては警戒心を強めます。これは私達人間にも共通する感情で、出会い頭の初対面の人にいきなり抱きしめられたら、「やめてくれ」と思うのが自然でしょう。
そのため、犬にとって居心地がいいと感じる人には、「犬と適度な距離感を保てる」「犬のタイミングに合わせられる」という点が共通しています。
4.怖がらせない人
犬との接し方を心得ている人は、犬から居心地のいい人と思われやすいといえます。なぜなら、犬の接し方とは「犬を怖がらせない方法」だからです。
具体的なポイントとしては、下記を挙げられます。
- 目線の高さを犬と合わせる
- 犬の正面ではなく脇に回り込んで接する
- 自分の拳の甲のニオイを嗅がせて挨拶する
- 自分の手が犬から見える部位(顎の下や体の側面など)を撫でる
- 犬の目を正面からじっと見つめない
5.頼れる人
犬が一緒にいて居心地がいい人には、頼れるという共通点もあります。ご飯やおやつをくれたり散歩に連れて行ったりといった、世話をしてくれるという面も含まれますが、それだけを指しているわけではありません。
愛犬に対して親や家族のように接し、自分を安全で心地よく暮らせる方向に導いてくれる人ということです。自分の気持ちや体調を察してくれ、また人間社会で暮らしていく上で守らなければならないルールを教えてくれる人ということです。
そういう意味では、犬が発するカーミングシグナルなどに対する知識や犬の習性を積極的に学び、決して怒ることはないものの、いけないことはいけないときちんと教えてくれようとする気持ちを持っているということが求められるでしょう。
信頼関係を築くために必要な要素
犬から居心地がいい人だと思ってもらえるようになったら、次に目指すのは犬から信頼される人になることです。居心地のいい人と信頼できる人とでは、関係性の深さが全く異なります。特に一緒に暮らしていく愛犬であれば、しっかりとした信頼関係を築いていくことが大切です。
信頼関係を築くと言っても、簡単なことではありません。毎日の積み重ねが大切です。下記の点を意識しながら、地道にコツコツと愛犬との信頼関係を深めていきましょう。
- しつけは叱らずに褒めて行う
- ダメなことを教える時は感情を出さずに表情やしぐさで伝える
- 常に一貫した態度で接する
まとめ
犬好きな方よりも、そんなに犬が好きなわけではない方が犬から好かれやすいように見えることがあります。これは、犬から「程よい距離感の人」であると思われたからだと考えられます。
あまり興味を示さないでいたら犬の方から近寄って来たためやさしく声をかけた結果、無意識のうちに「犬のタイミングに合った」ということなのでしょう。「好きだ」という気持ちだけで交流を図ろうとしてうまくいかない方には、強く意識していただくと良いポイントではないでしょうか。
犬は警戒心が強いので、その警戒心を解くためにはどうすればよいのかということを優先して、犬との交流を図ってみてください。