人間にはない犬が持つ習性や能力
人間にはない犬特有の習性や能力であるからこそ、他人からは理解されず、飼い主にもどう対処したらよいのか分からないことがありますよね。
「何でこんなことするんだろう…」と悩ましい問題行動がある場合、それは問題行動ではなく、犬の習性や能力による行動かもしれません。
「これは犬の習性なんだ!」「犬にはこんな能力があるんだ!」ということを少しでも理解してあげられると、犬にとって快適で安全に幸せな暮らしができると思います。
1.敵意を持って警戒すること
犬が警戒する理由は様々にありますが、その警戒心の中には敵意が含まれていることがあります。
例えば、急に真正面から近づいてきた他人に目を見つめられた時、犬は相手からの敵意だと感じます。そのまま犬に触れようとすると、攻撃されるのではないかと感じます。
怖がって逃げようとする犬もいますし、唸り声をあげる犬もいます。恐怖心から身動きできなくなってしまう犬もいます。相手の攻撃から身を守るために飛びかかったり咬みついたりする犬もいます。
他人にとっては「撫でてあげようとしただけなのに…可愛くないな」と感じられてしまうかもしれません。飼い主にとっても申し訳ない気持ちになってしまいますよね。
敵意を持って警戒することは犬の習性や能力なんだと理解したうえで接してあげてほしいです。
2.遠吠えをすること
犬は寂しい時や不安な時、飼い主を呼ぶために遠吠えをすることがあります。仲間だと認識している近所の犬たちと交信するために遠吠えをすることがあります。救急車やパトカーのサイレンに刺激されて遠吠えする犬もいますよね。
うちの愛犬は夕方5時を知らせる音楽と共に遠吠えをするのですが、近所の方からは「5時だよーって知らせてるんだろうね」と言われることがあります。他の時間にも音楽が鳴るのですが、なぜか夕方5時の音楽にだけ遠吠えをするんです。
犬は群れで生活をする動物です。長く人間と暮らしてきたことで、人間に対する仲間意識があります。遠吠えは犬の習性や能力による行動ですが、周りの環境に合わせて自分も対応しなければ!と考えているのかもしれません。
3.マーキングをすること
犬は性別に関係なくマーキングをすることがあります。
- 自分の縄張りを主張するため
- 仲間の犬のマーキングの後に上書きするため
- 他の犬に「ぼくもここを通ったよ」と知らせるため
- 「これは私のものだ!」と独占するため
マーキングをする理由は様々にあります。オス犬の場合、去勢手術をすればマーキングをしなくなるだろう、と考えている飼い主もいらっしゃると思います。しかし、去勢手術後もマーキングをする犬はいます。
繁殖能力は失われてしまったかもしれませんが、マーキングをすることで縄張りを主張するという習性が失われたわけではないからです。
4.地面に穴を掘ること、ホリホリすること
庭の芝生が剥がされたり、あちこちに穴ができたり、犬は地面に穴を掘ることが大好きです。自分のベッドをホリホリしたり、ソファーをホリホリして破いて叱られたりすることもあります。
犬が人間と暮らす前の野生であった頃、地面に穴を掘り、巣穴を作って生活していました。犬にとって家であり、出産や子育てをする場所でもあり、食料を貯蔵しておくための場所でもありました。
現代の犬にも生きるための習性や能力が残されているんです。そして、小動物を追って捕らえる狩りをしていた狩猟犬にとって、地面を掘ることは獲物を探すための行動でもあります。
まとめ
人間にはない犬が持つ習性や能力を4つ解説しました。
- 敵意を持って警戒すること
- 遠吠えをすること
- マーキングをすること
- 地面に穴を掘ること、ホリホリすること
私たち人間も見知らぬ人が急に近づいてきたら「何かされるのではないか」と、警戒して身構えてしまいますよね。飛びかかったり咬みついたりはしませんが、警戒するという意味では共感できるのではないでしょうか。
他の3つはさすがに人間にはない習性や能力ですよね。飼い主なら理解してあげたいと思いますし、上手く対処してあげられたらと思います。