犬の鳴き方の種類と心理状態とは?
犬はいろいろな鳴き方でその時の感情を表現しています。「鳴き方」と一言で表しても、喜びや悲しみ、不安や警戒、威嚇や攻撃、驚きや興奮、恐怖やおねだりそして甘えといった様々な犬の気持ちが隠れています。
言葉でコミュニケーションを取れない分、飼い主である私たちが犬の鳴き方やその心理を知ることで愛犬の気持ちを理解することができますよね。
今回は、一般的によく知られている犬の鳴き方と、その鳴き声の時の心理状態をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
1.「ワン!」とひと鳴きするとき
「ワン!」と軽くひと鳴きするときは犬にとって挨拶のようなものです。「ねぇねぇ」「遊ぼうよ!」と相手に問いかけているときの鳴き方で、飼い主さんの気を引こうとしているのです。またときには、特に用はなく、ただ呼んでみただけ…などということも。
犬同士の場合は、相手との仲良し度によって意味が変わってきます。仲が良い犬同士であれば「一緒に遊ぼう!」という意味になりますが、初対面だったり苦手な犬が相手の場合、「なんだよ?!」と少し警戒している意味がある、と思って良いでしょう。
2.「ワンワン!」と続けて鳴くとき
「ワンワン!」と続けて鳴いたり「ワンワン…ワンワン!」と間をあけて鳴くときは、何かを訴えたり要求しているときです。「お腹空いたよ~」「散歩行きたいよ~」と飼い主さんの顔をじっと見ながら鳴くことが多いですよね。
中には空っぽのご飯のお皿を見つめて鳴いたり、散歩に行きたいからと玄関で鳴いたり、リードを見つめながら鳴いたりなどわかりやすい犬もいます。
3.「ワワワワワン!」と早いテンポで鳴くとき
犬が早いテンポで鳴く理由は、興奮していたり焦ったりしている為です。相手への警戒心が強いと「お前は何者だ!こっちにくるな!」という気持ちで「ワワワワワン!」と鳴くことがあります。
それ以外にも、家の中で家族同士がケンカしているときも「ケンカしないで~」と焦ってこのように鳴くこともあります。
4.「ウー!」と唸るような鳴き方
低い声で「ウー」と唸るような鳴き方をしているときは、「楽しくて興奮している場合」と「警戒して鳴いている場合」の2パターンがあります。
- 楽しくて興奮している場合
オモチャで遊んでいるときなどによく「ウー」と鳴くことがありますが、これは怒っている訳でも警戒している訳でもなく楽しく興奮したあまり唸っている場合です。よくオモチャの引っ張り合いなどで唸る犬が多いですね。
- 警戒している時
何か怖いものを目の当たりにしたときや苦手なものが目の前に現れたとき、不快な音が聞こえたときなどは警戒心から唸ることがあります。
5.「クゥーン」と何かを求めるような鳴き方
甘えるような「クゥーン」という鳴き方は、「構ってほしいなぁ」という気持ちの表れです。しかし場面によっては、違う意味になることも。
「ワンワン」と何かを求めるように鳴いている途中で「クゥーン」と鳴き方が変わった場合は、(飼い主さん〇〇してくれないな…諦めよう…)という諦めの感情が隠されています。
また、体を丸めてうずくまりながら「クゥーン」と鳴いているときは、どこか痛い場所があると訴えている可能性があります。この場合は外傷がないか確認し、速やかに病院を受診してください。
6.「キャンキャン!」と甲高い鳴き方
飼い主さんが仕事などから帰宅したときに「おかえり!」「待ってたよ!」という嬉しい気持ちから「キャンキャン!」と甲高く鳴くことがあります。飼い主さんの足元でピョンピョンと飛び跳ねたり、グルグルと飼い主さんの周りをまわりながら鳴くことが多いです。
大体このときは興奮していることが多いのでなかなか鳴きやまないと思いますが、時間を置いて落ち着くまで待ってあげましょう。
7.「キャン!」「ギャン!」と単発で鳴くとき
単発で「キャン!」「ギャン!」と鳴いたときは「痛いっ!」「うわっ!」と何かにぶつかった場合などが考えられます。どこかケガをしていないか、チェックしてあげてください。
8.「フンフン!」と鼻を鳴らすようなとき
鼻を鳴らすように「フンフン」と鳴くときは「まだかな~?」とじれったい様子を表しています。飼い主さんと遊んでいるときやご飯をお預けされているときなどによく聞く鳴き方です。
あまり焦らすとストレスの原因となってしまうので、程々にしましょう。
9.「オウオウオウ」と喋っているような鳴き方
愛犬が喋るように「オウオウオウ」と口をもごもごとさせて鳴いているときは、何かしらの違和感を感じていることがあります。
来客時チャイムが鳴る前に「誰か来る」と気づいたときに、飼い主さんへ教えるために「オウオウオウ」と鳴くことも。
犬がこの鳴き方をしたときは要注意!
犬の鳴き方とその心理状態を紹介しましたが、その中でも「アオーン!」という遠吠えは注意が必要です。
もともと犬が遠吠えをするのは、野生時代群れで生活をしているときに仲間への合図や縄張りのアピールが目的だったと言われています。しかし、現代人間と共に暮らすようになってからはそのような理由で遠吠えをすることはほとんどありません。
それなのに現代の犬が遠吠えをする原因は、外部からの騒音や何かしらの刺激によってストレスを感じ、その心身の苦痛からと考えられています。
もし愛犬が特定の外部の騒音のときだけ遠吠えをする、毎回特定の場所に行ったあとに遠吠えをするというようなことがあればその要因を取り除いてあげた方が良いでしょう。
遠吠えをする原因が思い当たらない場合でも、愛犬は何かしらにストレスを感じているはずです。一定期間愛犬の体調など様子を観察して医師へ相談することをオススメします。
まとめ
今回は犬の鳴き方とその心理状態をいくつかご紹介しました。
普段一緒に生活していると愛犬のさまざまな鳴き方を耳にしますよね。飼い主さんの多くは「何て言っているんだろう?」と疑問に思う事も多いはず。
今回の記事はそんな飼い主さんと愛犬のコミュニケーションの役に立てるのではないかと思います。ぜひ今日から愛犬の鳴き方に注目してみてくださいね。