犬が元気を無くす原因3つ
いつもはおいでと呼ぶとすぐに来るのに、今日は来ない。だとか、食欲がない、動きたくなさそう、ずっと寝ている、尻尾を振らない、などといった元気のない様子は、なんだかとても心配になってしまいますね。
愛犬が元気を無くしてしまうのはなぜでしょう。その理由は大きく分けて3つあります。
1.メンタルの低迷や、ホルモンバランス、疲労などによる不調
2.病気、ケガの症状
3.飼い主さんの思い違い
このうち、3つめの「飼い主さんの思い違い」というのは、いわゆる、取り越し苦労と呼ばれるものです。本当は元気なのにも関わらず、ちょっと心配し過ぎてしまった、という感じですね。
あまりにも毎度、毎度、大げさに捉えるのは考えものですが、愛犬の体調については、少し心配し過ぎるくらいがちょうど良いのかもしれません。子犬の時期やシニアに入ってからは、特にそうですね。
病気、ケガの症状
前述の3つの原因のうち、最も気を付けたいのが、2の「病気、ケガの症状」です。早期発見に越したことがないのは分かっていても、具体的にはどのようなものがあるのか、なかなか想像ができないものです。
ここからは、具体的な病気やケガの症状によって、元気が無くなっている様子の例をお伝えします。
1.動きたがらない
膝蓋骨脱臼、股関節形成不全、関節炎のような骨関節疾患。また、椎間板ヘルニアなどの神経疾患、誤飲や胃捻転などの内臓疾患などが起こると、犬は強い痛みを感じるため、動きたがらなくなったり、元気が無いといった様子が見られます。
2.元気が無く、震えている
発熱、低血糖症、てんかん、中毒などが起きると、うずくまって震えることがあります。
3.食欲がなく、食べられない
食欲の低下は多くの病気に見られる症状です。痛みや体の震えを起こすような病気、ケガをはじめ、内臓にダメージがある場合や、便秘のときもそうでしょう。
他には首の痛み、また、歯周病や口内炎などによって、口腔内に痛みのある場合も食欲がないといったことがあります。
4.下痢、嘔吐
犬は嘔吐や下痢を割とよく起こす動物です。これは、毒素や異物を早期に体から排除するために、犬に備わっている機能です。しかし、胃腸炎のような消化器疾患や、感染症、熱中症などが原因という場合もありますので、元気を消失している場合やぐったりとしている場合は、早めに動物病院を受診してください。
5.眠り続ける(嗜眠)
こんこんと深く眠り続けることを嗜眠(しみん)と言います。大きな声や、体に刺激を与えないと起きない状態を指します。
単なる疲れや心地よい眠りの場合は良いのですが、例えば、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気などでも、眠り続けることが多くあります。
他にはこんなときに元気が無いことも
- 避妊、去勢手術後
- ワクチン接種後
- 環境の変化
- シニア期
- 精神的な落ち込み
- 気圧の変動によるもの
いつも気にかけていたい、愛犬の元気
動物病院を受診すると、診察の際に「今日はどうされましたか?」と聞かれたあと、必ずと言っていいほど獣医さんから質問されるのは「元気はありますか?普段と変わりないですか?」ということではないでしょうか。それほど、元気がある、無いというのは、病気やケガの原因を発見するための手掛かりとして、重要なものなのですね。
まとめ
元気が無いという症状は、ストレスや遊び疲れなど、病気以外が原因となることもありますが、病気やケガのサインかもしれません。飼い主さんが気を付けて、見逃さないように気を配ってください。
元気の無いときには様子をみるという選択もありますが、長引く場合や、痛みを訴える場合、食欲不振などがあるときは、動物病院での診察をおすすめします。