犬が飼い主をエスコート?犬の『エスコート』とは
皆さんは愛犬にエスコートされている、守られていると感じることはありませんか。もともと犬は群れで行動する動物のため、仲間に対する意識がとても強い動物です。その習性が残っているため、現在も家族に対して「守らなければ」と強く感じる犬も多くいます。
特に散歩中は自分たちのテリトリー(家)から出る必要があるため、飼い主を安全な道へと誘導したり、危険だと判断したものから守ったりするような行動をとることがあります。
可愛く頼もしい行動ではありますが、あまりに行き過ぎてしまうと他の人や犬に対して攻撃的な行動をとったり、飼い主のことを「あまりに弱い存在」だと勘違いするようになったりするため、ダメなことはダメと教え、飼い主が頼もしい存在であることを理解させることも大切です。
犬が飼い主をエスコートしている時の仕草や行動4選
では、どのような仕草や行動を見せている時、犬は飼い主のことをエスコートしているのでしょうか。ここでは犬が飼い主をエスコートしている時に見せる仕草や行動を紹介します。
1.飼い主のことをチラチラと見て確認する
犬は飼い主のことをエスコートしている時、飼い主がきちんと安全であるかどうか、またきちんと隣を歩いているかなどを確認するため、チラチラと頻繁に見上げてきます。
目が合うと安心したような表情を見せたり、「楽しいね」と散歩の楽しさを共有するような態度を見せたりすることもあり、愛情表現の一種としても知られています。
2.なるべく歩調を合わせて隣を歩いてくれる
飼い主の隣をぴったり歩調を合わせて歩いてくれる犬は多いです。これは迎え入れた当初、飼い主がしっかりリーダーウォークと呼ばれるトレーニングをしていることもありますが、仲間と一緒に行動するという犬本来の習性でもあります。
一緒に歩調を合わせて隣を歩くことで、いざ飼い主や自分に危険が迫っても、守り守られることができると考えているのです。そのため、歩調を合わせて隣を歩いてくれる行動は、「エスコート」しているとも言えます。
3.行くべき方向へと誘導するように引っ張る
いつもとは違う道へ行こうとすると、グイグイと少し強めに「こっちだよ」といつもの道に戻ろうとすることはありませんか。警戒心の強い犬であればあるほど、「いつも通っている道が安全」であることを重視するため、行くべき道(いつもの道)へと誘導しようとします。
犬からすれば自分にとって、そして飼い主にとって絶対に安全な道を進ませようと誘導しているため、エスコートとも言える行動です。
しかし毎日、何年間も同じ道だけを散歩として使っていると刺激が足りず、脳の活性化につながりません。時々散歩コースを変えて、新たな刺激を受けさせるように努めましょう。
4.危険があると飼い主の前でピタッと止まる
楽しそうに歩いていた愛犬が、突然道端でピタッと歩みを止めることは少なくありません。この時、犬は何らかの音や匂いを感知し、その原因が危険であるかどうかを判断している最中なのです。
もしもこれから自分たちが向かう先から危険な匂いや音が出ている場合、「その危険を回避するべきでは」など様々な思考を巡らせています。飼い主や自分の身を守るための行動でもあるので無理に引っ張るのではなく、気持ちを落ち着かせて待ってあげましょう。
5.危険だと感じた相手に対して吠える・唸る
犬にとって自分や仲間である飼い主を守ろうとし、相手に吠えたり唸ったりすることで威嚇する行動は、ごく自然な行動です。こうすることで「それ以上近づいたら攻撃するぞ!」「こっちに来るな!」と牽制しているのです。
しかし、他の犬や人に対して吠えたり唸ったりすると、相手にトラウマを植えつけたりトラブルに発展したりする恐れもあります。なるべく他人や他の犬には吠えかからないよう、しつけを行いましょう。
まとめ
いかがでしたか。犬が仲間である飼い主をエスコートしようとすることは、特別珍しいことではありません。特に大きな問題ではありませんが、あまりにエスコート行動がエスカレートしてしまうと、攻撃的になったり、飼い主を弱い存在として認識してしまったりするため、必要なしつけはしっかり行いましょう。