1.愛情表現
犬は飼い主さんなど大好きな人と目を合わせることで、愛情を伝えようとしたり、幸福感を感じたりします。大好きな飼い主さんの目を見つめることで、飼い主さんにもにっこりと笑ってもらえるということを学習している犬も多く、「大好き!」「こっち見て!」という気持ちで見つめているのだと思います。
また、犬は信頼関係でつながっている相手と目を合わせることで、脳内にオキシトシンと呼ばれるホルモンが分泌されるということがわかっています。この成分は「幸せホルモン」「愛情ホルモン」とも呼ばれていて、分泌されることで幸福感を感じることができるとされています。
そして、幸福感だけでなく、ストレスや不安も解消されるため、本能的に大好きな人の目を見つめることがあるようです。
また、何かを集中して見つめることで、まばたきの回数が減って涙が出てきてウルウルと見えることもあります。
2.いいことが起きるのを期待している
みなさんは、愛犬にウルウルとした瞳で見つめられると、「かわいい♡」と愛おしい気持ちになりませんか?そして、そんな瞳で見つめられたとき、つい頭に手を伸ばしてなでたり、持っているおやつを与えたりすることもあるのではないでしょうか?
このような経験がある犬は、「かまって欲しい」「おやつが欲しい」など何かを要求するときや期待しているときに、人の目をじっと見つめるのです。
ちなみに、犬が上目遣いになって可愛らしい表情で人の目を見つめる行動は、他の動物にはできないことだと言われています。家犬は、人間と長く一緒に暮らしてきた歴史の中で、眉毛まわりを含む表情筋が鍛えられて、豊かな表情を作ることができるように進化してきました。
特に上目遣いの可愛い表情を作ることで、相手から守ってもらい、希望を叶えてもらうということを学習してきています。
3.不安や恐怖を感じている
飼い主さんをジッと見つめているのではなく、どこかを見つめているときや止まっているときなどに目を潤ませている場合、不安や恐怖を感じているということも考えられます。
そのときの状況に不安を感じて、周囲に対して警戒しているときなどは、ちょっとした変化も見逃さないように目を見開いていることが少なくありません。そのため、まばたきをしなくなり、目が乾燥して涙が出て潤んでしまうことがあるのです。
緊張している時にも目を潤ませることがあります。例えば、臆病な犬であれば初めての場所に訪れた時に、目をウルウルさせることがあります。また、飼い主に叱られている時にも目を潤ませる犬は少なくありません。
「なんだか怖いな」「不安だな」という心理が強く働いている時、犬は自分の身を守るため、集中して相手や周囲の状況を観察しています。そのためやはり目が乾燥してしまい、うるんでしまうことがあるのです。
4.目のトラブルが起きている
目がウルウルとしているのは、感情の問題ではなく、目そのものにトラブルが起きている可能性もあります。
目の中にごみやまつ毛が入ってしまっている場合などに、目がうるむということが多く見られます。ごみなどは涙で自然に出るため、基本的には放っておいてかまいませんが、目のまわりの毛が入ってしまう場合はカットをしてあげるといいでしょう。
また、眼球に傷がついていたり、結膜炎など眼疾患を発症していたりすることも考えられます。長時間目のうるみが続いたり、目やにが増えたりしている場合は、しっかりと目の状態を確認して必要に応じて動物病院を受診しましょう。
まとめ
ウルウルとした目で見つめる犬の表情はとても可愛らしく、見つめられた飼い主さんも幸せな気持ちになるのではないでしょうか。
犬が目をうるませているのは、飼い主さんに対する愛情表現や期待のあらわれであることが多いと思います。そのときはにっこり微笑み返してあげるといいでしょう。
しかし、時には目のトラブルが原因で目がうるんでいる場合もあるので、状況や行動を参考にして、適切な対応を取るようにしてください。