成犬のしつけ直しをするコツや注意点
しつけ直したい!と思うのはどんな時でしょうか。
外でなければ排泄をすることができず、雨の日もお散歩に行かなければならない。犬の濡れた体や泥だらけになった手足をお手入れするのって大変ですよね。梅雨の時期は本当に憂鬱になると思います。
郵便や宅配など人が来る度に激しく吠えてしまう。お散歩中に他の人や犬に向かって威嚇してしまう。飼い主や家族への噛み癖が出てしまった。全く言うことを聞いてくれず、わがまま放題になっている。
成犬のしつけ直しをしたいと考える理由は様々にあります。犬と暮らす人であれば「大丈夫だよ」「たいしたことないよ」「気にすることないよ」と、気遣ってくれるかもしれません。しかし、どれも飼い主にとっては切実な悩みだと思います。
成犬になっても褒めることを忘れないこと!
子犬の頃のしつけを思い出してみてください。ほんの小さなことが出来ただけでも思いっきり褒めていたのではないでしょうか。
成犬になった今はどうでしょうか。出来ることが当たり前になり、褒めてあげることを忘れてしまっているのではないでしょうか。無意識に「褒められなくてもご褒美がもらえなくても出来て当然」と考えているのかもしれません。
大袈裟にする必要はないので、愛犬のよい行動を目にしたら褒めてあげてください。「上手に出来たね」「お利口さんだね」「えらいね~」など簡単で構いません。
『毎日ひとつ褒める』を続けてみてほしいです。愛犬の様子をよく観察するようになりますし、愛犬の態度も変わるはずです。
叱る必要のないことがほとんど
他人や犬を警戒し、威嚇することがあると思います。お散歩ですれ違う時、宅配業者が来た時に激しく吠える犬は多いですよね。「やめなさい!」「うるさい!」と、大声で叱っていませんか?本当に叱る必要があるかどうか、考えてみてほしいです。
お散歩ですれ違う人や犬を威嚇するのは、自分の身や飼い主の身を守ろうとしているからです。宅配業者などの訪問者も同じで、自分のテリトリーや家族を守ろうとして威嚇するんです。飼い主に「誰か来たよ」と知らせたい犬もいます。
このような理由である時、叱る必要はあるでしょうか。叱る以外に出来る対応があるのではないでしょうか。
しつけ直しで意識してみてほしいのが「声かけ」です。「やめなさい!」と叱るように声をかけるのではなく、「〇〇ちゃんもお散歩してるね!」や「荷物が届いたけど何だろうね?」など、愛犬と会話するように声をかけてみてください。
飼い主が笑顔で対応し、穏やかで落ち着いた様子を見せれば、犬は「警戒して威嚇する必要のない相手なんだな」と、いつか必ず理解してくれるはずです。
成犬のトイレのしつけ直しはこうやってみて!
最も多い悩みであろう成犬のトイレのしつけ直し。老犬になった時、歩くのが困難になった時、外に連れて行かなければならないのはお互いの苦痛になります。室内で排泄できた方が犬も飼い主も楽です。天候や体調の悪い日はお散歩を休むことができます。
急にはできません
外で排泄することに慣れてしまった成犬に対して、いきなり「室内で排泄して」は無理です。少しずつ室内で排泄することに慣れてもらう必要があります。
庭やベランダにトイレトレーやシーツを用意する
お散歩に行く時間になったら、まずは庭やベランダに用意したトイレに誘導します。「おしっこ」や「うんち」の言葉はすでに覚えていると思いますので、「おしっこしようね」など声をかけてみてください。
おしっこのニオイをシートにつけておく
外でおしっこをした時、ティッシュなどで拭き取って持ち帰ります。ペットシーツにおしっこを染み込ませ、ニオイをつけます。庭やベランダに置き、お散歩の時間になったら誘導して声をかけます。
犬はニオイを嗅ぐことで排泄が促されます。自分の排泄物のニオイで促される犬と、他の犬の排泄物のニオイで促される犬がいます。
後者である場合、愛犬がよく排泄をする場所の土や葉っぱなどを持ち帰り、トイレに置いてあげると排泄が促される場合があります。
庭やベランダから室内へ移動
庭やベランダに用意したトレイで排泄することができるようになったら、トイレトレーやシートを室内に移動し、その場で排泄できるよう練習をします。
いきなり室内では難しいと思いますので、庭やベランダと室内を行き来しながら繰り返し練習するとよいと思います。
まとめ
成犬のしつけ直しはできます。「褒める」と「叱らない」がコツなのではないかと思います。
うちには元保護犬がいます。全くしつけがされていなかったので、たった5分のお散歩もできないほど大変でした。基本的なしつけを終えるまでに2年~3年かかっています。
成犬のしつけ直しには、諦めないことと根気強さ、そして何より愛情が必要だと思います。