1.水を飲む
犬はお腹がすいたとき、置いてある水を飲むことがあります。単純にお腹を満たすために水を飲んでいる場合もありますし、「お腹がすいている」ということを水を飲むことで飼い主さんに伝えようとしていることもあります。
さらに、食事と水を同じ食器で与えている場合は、水を飲み干して空っぽにすれば、食べ物を入れてもらえるかもしれないと思っているかもしれません。このような場合、水を入れれば入れるだけ飲んでしまう可能性もあるので、必要以上につぎ足さないようにしましょう。
2.食器を舐める、鼻先で押す
お腹がすいていることをアピールするとき、直接的な方法として食器を舐めたり、動かしたりすることもあります。ご飯を食べたあと、いつまでも名残惜しそうに食器を舐めているときは「もっとご飯が欲しい」と思っていることが多いでしょう。
さらに、空の食器を鼻先で押して動かしたり、前足で触ってカランカランと音を立てたりする場合は、飼い主さんに対して「ご飯欲しいよー!」「ご飯はまだー!?」とアピールしていることが考えられます。
こうした行動を見て、つい「そろそろご飯にしようか?」と食事に時間にしたり、「少しだけね」とおやつをあげたりするのはやめましょう。それをきっかけに、犬は「食器で合図すれば食べ物がもらえるんだ」と学習してしまい、その行動をくり返すようになってしまうからです。
3.吠える
犬はさまざまな場面で吠えたり鳴いたりしますが、お腹がすいて食べ物を欲しがっているときにもそのような行動を取ることがあります。
飼い主さんに向かって「早くご飯にして!」と吠えて要求することもありますし、いつもご飯を食べている場所に行って吠えることもあります。また、ドッグフードやおやつが入っている棚の前に座り込んで吠えるといった行動を取る犬もいるようです。
犬がどのような行動をすれば、飼い主さんに気がついてもらえるかということを考え、学習しています。吠える行動を定着させたくない場合は、犬が吠えてアピールしているときに食べ物を与えてしまわないように注意してください。
4.飼い主さんの手や顔を舐める
犬はコミュニケーションや愛情表現の一貫として、好きな人の口元を舐めることがありますが、空腹時にも同じような行動を取ることがあります。
特に、子犬は母犬の口元を舐めることで食べ物を与えてもらう習性があるため、月齢の小さな犬の場合はお腹がすいて食べ物を欲しがっているときに、飼い主さんの口元を舐めることがあります。
また、伝えたいことがあるときに、手など飼い主さんの体を舐めてアピールすることも。そうされることで飼い主さんは無視することができずに、かまったり要求に応えたりしてしまいがちなので気をつけましょう。
5.吐く
これは飼い主さんに対するアピールとして行っていることではありませんが、犬は空腹時に嘔吐することがあります。「空腹嘔吐」などと呼ばれるもので、空腹状態が続くことで胸やけのような状態になってしまい、白い泡や胆汁という黄色い液体を吐き出してしまうのです。一般的に早朝に起こることが多いです。
このようなことが続く場合は、胃や食道などに負担がかかってしまうことがあるので、空腹になりすぎないように配慮してあげる必要があります。1日2回の食事を小分けにして1日3~4回与えるようにしたり、カロリーの低い野菜を食事に加えたりするといいでしょう。
まとめ
私たち人間は、お腹がすいたときに「これくらいなら…」と我慢したり、「気持ち悪くなるから少しだけ食べておこう」と決めたりすることができます。しかし、犬はお腹がすいていたとしても自分で食事をコントロールすることができないため、飼い主さんに何とかして伝えるしかないのです。
ここで紹介した「空腹のサイン」を参考にして、愛犬からのアピールにぜひ気がついてあげてください。そして、必要に応じて食事の量や与え方を変えるなど、適切な対処をしましょう。